くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「ライオン・キング ムファサ」「クレイヴン・ザ・ハンター」

ライオン・キング ムファサ」

超実写版というCGアニメですが、いわゆる「ライオン・キング」シンバの父ムファサの物語で、「ライオン・キング」につながる様々なキャラクターや舞台の成り立ちが描かれる形で、シンプルに楽しめる冒険物語です。CGアニメになってからディズニーの絵画的な芸術性が若干薄れたように感じるのは寂しいですが、わかりやすいストーリーと勧善懲悪な展開は、十分楽しめるエンターテイメント作品だった。監督はバリー・ジェンキンス

 

ライオン・キングシンバが妻ナラのところへ向かう場面から、一人残された息子のキアラは寂しい思いをしている。そこへ長老のラフィキが現れ、シンバの父ムファサの物語を語り始めて映画は幕を開ける。のちにレギュラーキャラクターとなるプンバァ、ティモンも話に加わる。

 

ムファサはライオンの一族の長であった父らと幸せな日々を暮らしていた。川に遊びにいったムファサは突然洪水に襲われ、そのまま流されてしまう。川下でムファサを助けたのは、ライオンの王の息子タカだった。はぐれライオンを群れに入れることを父は拒むが、タカの母エシェはムファサを受け入れて、メスライオンの中で狩を教えながら暮らすようになる。

 

成長したムファサはメスライオンに狩の仕方を学んでいくが、ある日、白い二頭のはぐれライオンに襲われる。ムファサは勇敢に戦い、白いライオンを倒しタカの母を助けるがタカは怯んでしまう。その時、ムファサが倒したはぐれライオンの一頭は、はぐれライオンの王キロスの息子だった。キロスは息子の仇を取るためにムファサの父の群れに迫る。多勢に無勢と敗北を決意したタカの両親はタカとムファサを逃す。

 

タカとムファサは追ってを交わしながら、メスライオンのサラビや、群れを追われた若きラフィキと出会い、鳥のザズーに助けられ、母が言っていた緑に覆われた理想郷ミレーレを目指す。途中、タカはサラビに恋し、それを知っていたムファサはゾウの群れに出会ってピンチになったサラビを助けたが、タカが助けたと嘘を言う。しかし、ふとした言葉から自分を助けたのがムファサだと知ったサラビは、急速にムファサに接近していく。一方タカは次第に寂しい思いをし、それはいつの間にか嫉妬からムファサへの憎悪に変わっていく。

 

雪山の彼方にミレーレがあると確信したムファサらは、足跡をザズーに消させてキロスらを撒こうとするが、タカはキロスに、キロスの息子を殺したのはムファサだと密告に行き、ムファサの通った道に印をつけてキロスを呼び込む。やがて、ムファサらはミレーレにたどり着く。平和に暮らす動物達の中に入ったムファサだが、まもなくキロスらが襲いかかってくる。サラビやムファサは一緒に戦うことを動物達に説得、やがて一丸となってキロスに臨むことになる。

 

ムファサはキロスと一騎討ちをしていたが、ムファサ達を裏切った罪悪感でタカもキロスに襲いかかり、その際、タカはキロスに、額に傷をつけられる。ムファサとキロスは戦う中で洞窟の泉に落ちてしまう。ところがすんでのところで大地震がおき、落ちてきた岩がキロスに当たって水の底に沈んでしまう。その地震ライオン・キングの冒頭の岩が現れる。ムファサは必死で這い上がるがあと一歩及ばない。そこにタカの手が差し伸べられムファサは助かる。

 

ムファサは白ライオンを追い払ったことで動物達の王と崇められる。タカは、ムファサを裏切ったことを反省し、ムファサを王として認め、自身はスカー(傷)と名を変える。そこに生き別れたムファサの母が現れる。父は亡くなったが、ムファサはミレーレの森の王として君臨する決意をして叫ぶ。こうしてムファサのお話を聞き終えたキアラは、岩の上で叫ぶが、そこへ、シンバとナラが帰ってくる。ナラの傍には生まれたばかりのキアラの弟がいた。こうして映画は終わる。

 

たわいない映画と言えばそれまでですが、素直に楽しめる冒険物語でした。

 

 

 

「クレイヴン・ザ・ハンター」

マーベル作品ながら、大人の鑑賞に耐えられるなかなか面白い娯楽映画でした。もちろん、超人的なアクションやありえないようなSF色も満載ですが、犯罪組織を撲滅するために飛び回る主人公のめったやたら強いキャラクターと父や弟との人間ドラマを絡ませた展開は、ありきたりで安っぽいヒーローものになっていなかった気がします。残念ながら、ヒロインのカリプソの使い方がやや雑だったので、もったいないなと言う感じでした。監督はJ・C・チャンダー

 

ロシアの雪原を犯罪者の留置施設に向かうトラックを捉えて映画は幕を開ける。中に如何にもな主人公クレイヴンが乗っている。刑務所につくと、同室の犯罪者に悪態をつき、三日以内に脱獄すると豪語して、刑務所内で幅を効かせる。刑務所内の囚人達を牛耳っている犯罪組織のボスに目をつけられ、部屋に呼ばれたクレイヴンは、いきなりそのボスを殺して脱獄、雪原に待っていた輸送機に飛び乗ってしまう。

 

物語は16年前に遡る。巨大犯罪組織のボスニコライはセルゲイとディミトリという二人の息子を連れて狩にきていた。目的はザーと呼ばれる伝説のライオンを仕留めることだった。ところがセルゲイの目の前にザーが現れたがセルゲイが銃を下げてしまう。瞬間、傍からニコライの銃弾がザーに当たるが、ザーはセルゲイに襲いかかりセルゲイを咥えて逃げてしまう。その頃、呪術師でもある祖母に、カリプソという少女はタロットカードと、秘薬を手渡されていた。カリプソは家族とサファリツアーに出たが、カリプソは両親から離れて茂みの中でザーに連れてこられたセルゲイを発見する。ザーはその場を離れ、カリプソは祖母にもらった秘薬を瀕死のセルゲイに飲ませる。セルゲイは一旦死んだのだが3分後に奇跡的に息を吹き返す。そんなセルゲイをニコライはロンドンの自宅に連れ帰る。

 

セルゲイの弟ディミトリはニコライが愛人に産ませた子供だった。ニコライは組織の後継者にセルゲイを考えていたが、ニコライは非情な男だとわかっていたので、家を飛び出してしまう。そして現代、犯罪者を次々と殺していくクレイヴンという存在が都市伝説になっていた。クレイヴンは密猟者を殺し、さらにそのボスも亡き者にしてしまう。その縄張りを手に入れようと現れたのがライノという全身強固な皮膚を持った男だった。彼は瞬間移動できる暗殺者を右腕にして、次のターゲットニコライに迫る。

 

セルゲイは、ディミトリの誕生日に現れ、そこでニコライと再会する。セルゲイはディミトリと同じ部屋で泊まるが、セルゲイが留守の時にライノはディミトリを拉致してしまう。さらにディミトリの身代金をニコライに要求してくる。セルゲイは、今は弁護士になっているいるカリプソに会い、謎の秘薬とカードの秘密を聞き出そうとするがわからなかった。カリプソの情報網でディミトリの居場所を見つけたセルゲイ=クレイヴンは、その所に向かうが、それは罠だった。クレイヴンに、瞬間移動の男が用意した毒薬が迫る。身動きできなくなったクレイヴンは、間一髪カリプソのボーガンの矢が男を貫き窮地を脱出、カリプソが持っていた秘薬によってクレイブンは蘇る。

 

ディミトリを拉致して逃走するライノを追ってクレイヴンが迫る。そこへヴァッファローの大群が襲いかかり、ライノは全身を硬い皮膚に覆われた化物となってクレイヴンと戦う。最後の最後ライノを倒したクレイヴンはディミトリを救出、父のもとへやってくる。ロシアにて狩にきたニコライにセルゲイは、ライノをけしかけた真犯人はニコライだったのではと真相を迫りニコライはうなづく。しかしセルゲイは父であるニコライを殺せず、代わりにクマに襲わせてしまう。

 

音楽で身を立てたディミトリの姿に安心したセルゲイだったが、ディミトリはニューヨークの医師によって様々な人物に変身できるように自身を改造し、ニコライやライノの組織を手にれたことをクレイブンに告白する。ニコライの自宅に戻ったセルゲイはそこでザーの毛皮で作った服を見つけて身につけて鏡の前に座って映画は終わる。

 

少々雑なところもないわけではない脚本ですが、犯罪組織を絡めたヒューマンドラマにマーベルらしい荒唐無稽なアクションを盛り込んだ作りはちょっと重厚で面白い。クレイヴンの肉体を駆使したアクションが映画を引き締めている感があり、ニコライを演じたラッセル・クロウの存在感もスパイスになった感じでした。ちょっとした見応えのある一本でした。