くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「妖星ゴラス」「ソニック×シャドウ TOKYO MISSION」

妖星ゴラス

テレビでしか見ていなかった東宝SF大作を、午前十時の映画祭でついにスクリーンで見ることができた。地球が滅ぶかもしれないというのに呑気で緊張感のない展開は当時の世相を反映しているけれど、クライマックスの円谷英二のデザスター特撮は圧巻。余計な理屈やドラマを一切排除して娯楽一本で描いたとっても楽しい一本だった。監督は本多猪四郎

 

日本の土星探査船はやぶさが飛び立つところから映画は幕を開ける。やがて土星に近づいた頃、地球の六千倍近い大きさと観測された惑星が太陽系に向かっているという情報が入る。一番近くにいたはやぶさが観測のためにその惑星ゴラスに接近するが、なんと六千倍というのは大きさではなく質量で、しかも大きさは地球の四分の三くらいだと判明、しかも気がついた時にはゴラスの引力にはやぶさは引き込まれ脱出できなくなっていた。観測データのみ地球へ送り、はやぶさはゴラスに飲み込まれてしまう。

 

地球では国連本部に世界中の科学者が集められ、ゴラスを破壊するか、地球を動かして避難するかが検討され、詳細なデータ取得のために新しい探査船おおとりが発射される。しかし、ゴラスに近づいて観察をした金井はゴラスに毒されたかのように記憶を失ってしまう。地球では南極に巨大なジェットエンジンが建設され始めた。700日後のゴラス到達までに完成し、100日で地球の軌道を移動させる計画だった。

 

おおとり号がゴラスの状態をチェックしてみると、次々と衛星を吸収したゴラスは6200倍まで質量を増していた。破壊は困難と判断したおおとり号の乗組員は、地球を移動させる南極計画に全てをかけることにする。やがてゴラスは太陽系に入ってくる。地球では、南極のロケットエンジンの地熱で太古の巨大生物マグマが蘇り南極基地を襲うが、渓谷の中に沈めて一難を逃れた。

 

ゴラスが地球に接近して来て、世界中で天変地異が起こり、大津波で大都市は水没する。そして運命の時、地球の移動が間に合いゴラスはギリギリを通過して地球から離れていった。科学者たちは喜んだものの、地球を元の位置に戻す大計画に早速着手していく。こうして映画は終わる。

 

制作年は1962年だから、東京オリンピックを再来年に控えた頃で、映画の舞台は1980年代という設定なので、すでに過去の出来事だが、今にも地球が消滅するというのに登場人物たち誰もがのほほんと生活している様がある意味微笑ましく、津波が来るというのに、海岸線を普通に電車が走っていて津波に飲み込まれたり、主人公たちが東京タワーに逃れていて東京が水没しているが、どうやって降りるんだろうと考えてみたり、とにかく細かいツッコミをするとこれもまた楽しい。円谷英二のミニチュア特撮のクオリティは流石だし、作り物とわかっていてもみていて面白い。こういう映画遺産はどんどん公開してほしいと思います。

 

 

 

ソニック×シャドウ TOKYO MISSION」

このシリーズも三作目、ハイスピードな映像とシンプルな物語を楽しめるゲームエンタメという映画でした。若干ラストは浪花節的に終わって、その中で続編を窺わせる作りですが、回を追うごとに目新しさが減って来たのはちょっと残念だった。脇役のキャラクターが全く活躍しないままにおざなりな脚本もちょっと雑すぎる。監督はジェフ・ファイラー。

 

東京湾上にあるプリズンアイランド、そこに50年幽閉されているシャドウが監禁している施設へのハッキングによって監禁が解かれ脱出するところから映画は幕を開ける。森の中でトムたち家族と楽しんでいたソニック、テイルス、ナックルズたちの前に地球防衛軍のヘリがやってくる。東京で暴れているシャドウを鎮めるためにチームソニックに応援依頼に来たのだ。

 

早速、ソニックたちは東京へ向かい、暴れているシャドウと対峙するが全く歯が立たないままに窮地に追い込まれる。そこに現れたのがドクター・ロボトニックが作った攻撃兵器だった。ソニックたちのピンチを救ったのがドクター・ロボトニックの相棒だった。ロボトニックは、ソニックたちと共に自分の兵器を模倣した犯人探しとシャドウ退治に手を組む。

 

シャドウを開放したのは実はロボトニックの祖父ジェラルドで、ロボトニックの兵器を使えばロボトニックが現れると考えて使ったらしい。ジェラルドシャドウと共に地球防衛軍への復讐をしようとしていてロボトニックと手を組むことになる。実はシャドウは地球に来た時に仲良くしてもらったマリアという少女がいたが、実験室でシャドウとジェラルドが逃亡しようとし地球防衛軍に追い詰められた際に事故が起こりその爆発でマリアが死んだのだ。ジェラルドらはロンドンの地球防衛軍の本部を占拠する。そこにはジェラルドが提案した新兵器があった。

 

ソニックたちは地球防衛軍の本部に潜入してジェラルドたちを倒そうとする。しかし実際はジェラルドは地球防衛軍の新兵器を使って地球を無きものしようとしていた。それはシャドウの友達マリアを殺した地球防衛軍、強いては地球全体への復讐だったが、ロボトニックはその計画にすんでのところで反対し、ソニックたちと共にジェラルドに敵対するようになる。またシャドウもソニックに説得されて復讐から地球を守る側につく。

 

ジェラルドが作った最終兵器が宇宙に舞い上がり地球を狙う寸前、ソニックたちは身を挺して地球を守り、最後はシャドウ、ロボトニックが自ら犠牲になって新兵器が破壊される。ソニックたちは森で和やかにパーティを始めるが、ソニックがナックルズたちと競争して遠くまで行き過ぎたところでロボットソニックに襲われ、そこにピンクのハリネズミが現れてソニックを助けて映画は終わる。

 

東京でのバトルの意味がよくわからないし、すぐに舞台がロンドンに移るので、いかにも日本向けの題名に無理矢理した感満載ですが、てんこ盛りでスピード感満載のストーリー展開は今回もそこそこに楽しい。ゲーム自体をあまり知らないので、もしかしたら全く理解していないのかもしれないけれど、映画として十分楽しめました。