「ディックス!!ザ・ミュージカル」
シンプルそのもののストーリーを下ネタ満載の歌詞とセリフでドタバタ劇に仕上げたミュージカル。しかも、設定も荒唐無稽というやりたい放題の変態映画である。アメリカらしいと言えばそれまでですが、これがアメリカ映画だと言わんばかりの一本だった。監督はラリー・チャールズ。
営業成績トップのトレヴァーとクレイグだが、それぞれの会社が合併して二人は出会うことになる。しかも二人は両親の別居で別々に育った一卵性双生児の双子だった。いきなりの導入部は下ネタやSEXシーン満載のどちらかというとお下品な映像のオンパレード、上司になった女も黒人でいかにもセクハラパワハラだらけの経営者という展開。
トレヴァーとクレイグは、それぞれ母、父と二人暮らしだったため家族の温かみがわからない。そこで二人はそれぞれの親をもう一度再婚させようと計画、まずは入れ替わってそれぞれの親のところに向かう。ところが、母のエヴェリンは、車椅子で、訳のわからないお茶を注いでくれたり、自分のプッシーは落としてしまってないと言い出したりもう異常、一方父のハリスも、下水道ボーイズという小人のような双子を飼っていて、しかもゲイだという。トレヴァーとクレイグは呆れてしまうものの、高級レストランで二人が会うように段取りする。
ハリスとエヴェリンは、最初は戸惑ったもののすぐにそれぞれの体が反応して、レストランの中でいきなりファックを始める。しかし、自分たちが再婚することはないとトレヴァーとクレイグに宣言する。四人は同じ部屋に帰ってくるが、下水道ボーイズを怒らせたため、下水道ボーイズが下水道へ逃げ出してしまう。ハリスは連れ戻すべく下水道へ降りていくがその後を追ってエヴェリンもクレイグもトレヴァーも下水道の中へ行く。そこでは下水道ボーイズを倒そうと役人が迫っていた。エヴェリンはバッグに隠し持っていたプッシーを放って役人を退治して下水道ボーイズを助ける。
ハリスは下水道ボーイズを連れ帰るのかと思いきや、傍にいた下水道ボーイズの両親に戻すことを決める。四人は地上に戻り、クレイグとトレヴァーは同じベッドで寝ていたが、なぜかゲイに目覚め、二人で延々SEXをして大暴れ、トレヴァーとクレイグは結婚することになり、神の前で指揮をあげる。そして神もまたゲイだと告白して参列者と一緒に大乱舞して映画は終わる。
とまあ、馬鹿馬鹿しいほどにやりたい放題のミュージカルで、曲は悪くないのですが歌詞が機関銃のように下ネタ満載なので、呆気に取られていきます。決して高級な映画ではないけれど、逆に映画だからできる世界という感じの作品だった。