「怪獣ヤロウ!」
こういう映画大好き。チープで低予算、だけど、一生懸命がスクリーンから滲み出てくる。CGが特撮の全てではないことは今や誰もが感じ始めていると思う。そして、映画の原点、怪獣映画の原点はこういう作品の中にあるのだと思ってくれれば、映画を撮りたいという若い人たちがどんどん増えてくると思う。映画愛に満たされた楽しい作品だった。監督は八木順一朗。
岐阜県関市、中学時代の山田は大の怪獣映画好きで、この日、自身が作った怪獣映画を体育館で上映していた。しかし、学生達に大ひんしゅくをかってしまう。それから二十年、今はあの頃の熱も冷めて関市の公務員となって観光課に勤務していた。市長からは関市を盛り上げるものをというアイデアを求められるも、山田らは全くアイデアが浮かばない。と思われたが、今や日本中はご当地映画ブームということで市長は映画を作ろうと提案する。
観光課の三人がアイデアを持ち寄るも、市長は自分が書いた脚本を映画にすると強引に進める。それは平凡なご当地賞賛映画だった。しかし、映画を撮ることが夢だった山田は、そんな脚本でも一生懸命撮り始める。映画を撮っているというのは近隣市にも噂が広まり、市長は関係者を撮影現場に招待する。ところが秘書課でプロデューサーの吉田は、無難なラッシュを作ろうとしていてデータを飛ばしてしまう。その頃、山田は伝説の怪獣映画の監督本多を訪ねていた。そこで、使い古された着ぐるみやミニチェアセットを見せてもらっている時、吉田からの電話が入る。
翌日に市長の撮影見学会を控える中、山田は窮地を脱するべく、本多監督のスタジオの着ぐるみやミニチェアを市庁舎屋上に持ち込み怪獣映画の撮影現場を急遽作って市長達を迎える。ところが折下落雷でセットが大爆発を起こしてしまう。後日市民からのクレームが殺到、市長は市民一人一人に謝罪に行くようにと山田ら観光課のメンバーに命令する。しかし、実は怪獣映画撮影に賛成の市民も半数いたのだ。市長は伝統を変えることを拒み、賛成意見をもみ消そうとしていた。それを知った吉田は、再度山田を鼓舞するが、すでに着ぐるみもセットも壊れていた。そこへ本多監督が現れ、工夫次第で怪獣映画は作れると手作りの怪獣映画撮影が始まる。
市長の施政公演の日、吉田は山田らと協力して完成した怪獣映画を来客らに上映する。それは、山田自らが怪獣となって、伝統に固執する市長を退治するという内容だった。最初はあっけに取られた来客達だったがクライマックスは大絶賛し、市長も来年は怪獣をテーマにすると宣言する。後日、一段落した山田ら観光課のメンバーに市長から続編制作の依頼が来る。山田は、もういいと思っていたが、再び映画撮影熱が沸き起こり、続編撮影を決心して映画は終わる。
本当にたわいない映画です。でも、手作り感満載で、とにかく楽しい。決して、クオリティがどうのこうのという代物ではありませんが、映画を作ると言うのはこう言うことなんじゃないだろうかと原点回帰できる作品だったと思います。技術に溺れてきた昨今の映画産業に一石を投じた気がします。楽しかったな。
ゴジラ生誕四十年で作られた作品で、いわゆる平成ゴジラシリーズの一本、初公開以来三十年ぶりの再見。命をテーマにしたヒューマニズム満載の作品で、かなりストーリーは甘い作りになっていますが、特撮シーンがてんこ盛りで、派手なバトルシーンで最後まで突っ走ります。個人的には昭和ゴジラの方が微笑ましくて好きです。監督は大河原孝夫。
対ゴジラ兵器ガルーダが思ったほどの実力が出せず、ゴジラ対策として新たにメカキングギドラを研究した結果メカゴジラが作られた。しかしガルーダへの思いが強い青木は今日も極秘にガルーダの改良に余念がなかった。そんな頃、ベーリング海の島で翼竜の化石と卵が発見される。卵の一つは孵化してラドンとなって調査に来た大前博士らを襲うが、ゴジラが現れて撃退する。もう一つの卵を大前博士は京都の研究所へ持ち帰り、研究員の五條に管理を任せる。卵に付着した植物から歌のような信号が出ていることを突き止めた三枝ら超能力者のチームが、その信号を歌に変える。すると五條の手元にあった卵が孵化して小さな恐竜が現れる。五條らはその恐竜をベビーと名付けて世話をする。
ところが間も無くしてゴジラが現れ、京都を襲う。どうやら生まれた恐竜ベビーが目的らしい。早速メカゴジラが出動するが、ゴジラの電流によって倒されてしまう。なんとかゴジラは追い払ったものの次の対策が望まれた。ベビーを研究する中、背中部分にも脳が存在することがわかり、ゴジラの背後にもある脳を破壊すれば倒せると判断した対ゴジラチームは青木の提案もあって、メカゴジラにガルーダを合体出来るように改造し、ゴジラを待つ。
間も無くしてゴジラが再び現れるが、そこへ蘇ったラドンも飛来する。そして、輸送途中のベビーと同乗していた五條のコンテナが奪われる。スーパーメカゴジラがラドンに対峙し、ラドンを排除、コンテナを取り戻し、ゴジラに向かう。そして三枝の超能力の力でゴジラの脳の位置を特定して一斉攻撃しゴジラは倒したかに思えた。しかし、ラドンが再び蘇り、ゴジラを助けて、ゴジラの脳を再生させる。蘇ったゴジラは風化したラドンの力でメカゴジラを溶かし、熱戦で破壊してしまう。ゴジラはベビーを取り戻しに来たと判断した五條らは、三枝の超能力でベビーにゴジラの元に戻るように説得、ゴジラはベビーを伴って海に帰っていって映画は終わる。
メカよりも命が勝利したというラストシーンはかなり甘い作りになっているが、出だしからラストまで特撮シーンが繰り返されるし巨大な街のセットが次々と破壊される様は、物量作戦の極みという仕上がりになっています。それゆえか、全体に緩急がなくて平坦な仕上がりになった気もしますが、楽しめる娯楽映画ではありました。

