「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」
このシリーズのいつものパターンで、次々と過去のエピソードの関連で混乱するかと思ったが、意外にシンプルに仕上がっていて助かった。とは言っても、それほど工夫のある映像でもないし、今更ながらのCG満載で、単純にエンタメとして楽しめる程度の映画だった。監督はジュリアス・オナー。
インド洋上に突然現れた新鉱物アダマチウムを日本が精製に成功したが、その試作品がサイドワインダらに盗まれる。それを取り戻すべくキャプテン・アメリカのサムが向かうところから映画は始まる。そして無事奪還する。新大統領に就任したロスはこの日歓迎パーティにサムや、彼の友人でトレーニングリーダーのイザイアを招待する。ところが、ロスがスピーチを始めた途端、イザイアが突然大統領に発砲、さらに警護員達もロスに発砲を始めて大混乱となる。そして、サムらに追われて逃げたイザイアだが公園で突然正気に戻り逮捕される。
日本の尾崎首相は、アダマチウムの精製品を盗み奪還したのもアメリカ側の作戦だろうと疑念を抱き始める。なぜイザイアが突然乱心したかを調査し始めたサムは、どうやら携帯から発せられた謎のフラッシュが原因であことを突き止め、政府の軍事施設に侵入し、そこで研究を続けていた男スターンズの存在を知る。スターンズはフラッシュを浴びた人物を洗脳し、自在に自身の目的のために操る装置を作ったのだった。
そんな中、アダマチウムの独占を狙った日本の軍事艦隊がインド洋へ向かう。日米の疑念を晴らすためにロス達も艦隊を率いてインド洋へ向かう。ところがインド洋上で突然アメリカ軍の戦闘機が日本軍を攻撃し始め、日本の戦闘機も迎え撃つ状況になってしまう。サムやホアキンらの活躍で、事なきを得たが、操っているスターンズの暗い影が見え隠れする。サムはロスが飲んでいるスターンズが開発した薬の成分を知人に分析させていたが、その結果が判明した直後スターンズはその知人を殺してしまう。
日米の修復の説明のためにホワイトハウスの前で記者会見を開いたロスだが、次第にレッドハルクに変身してしまう。実は彼は心臓に病があり、その治療のためにスターンズに研究をさせ薬を作らせていたが、その薬はガンマ線を吸収するものだった。スターンズはその真実をサムに告げた後自首して逮捕される。スターンズの目的はロスの信用失墜だった。変身したレッドハルクにキャプテン・アメリカ、サムが対峙する。そして死闘の末、ロスを元の姿に戻す事に成功、スターンズも洋上の刑務所に収監される。イザイアも嫌疑が晴れて釈放される。
ロスは、大統領を辞職し、洋上の刑務所に収監され、この日サムと面会する。こうして映画は終わっていく。エンドクレジットの後、サムは収監されたスターンズのところにやってきてエンディング。
かなりてんこ盛りのストーリーで、あれよあれよと余計な理屈をつけずに展開する様はいつものパターンだが、シンプルに作った分、わかりやすいエンタメ映画になった感じです。まあ普通の娯楽映画の域は出ないけれど。退屈はしない一本だった。
「ファイヤーブランド ヘンリー8世最後の妻」
例によってよくわからないヨーロッパ宮廷ドラマかと思っていたら意外に面白かった。初代エリザベス女王が誕生する直前のお話ですが、物語が整理されているのと主人公キャサリン妃を中心にしたしっかりとしたストーリーテリングがぶれないので、宮廷内のサスペンス劇として楽しむことができました。絵作りもそれなりにしっかりできているし美しいので映像作品としても楽しめました。監督はカリン・アイヌーズ。
16世紀イギリス、テューダー朝の時代、五人の王妃を処刑や追放、死亡などで亡くしたヘンリー8世の六番目の王妃として嫁いできたキャサリン妃が毅然と存在感を見せる場面から映画は幕を開ける。ヘンリー8世が遠征で城を留守にする中、イギリス国教会を設立したヘンリー8世に対して、プロテスタントの信念で教義を広めるアンの所に、彼女の幼馴染でもあるキャサリンが会いにいく。キャサリンもまたプロテスタントの信念によってイギリスを光ある未来へ導こうとしていたが、アンに会いに行ったことなどがヘンリー8世に知られたら処刑されることは目に見えていた。
キャサリンは、付人のジェームズだけでなく、先妻の息子エドワードや、エリザベスにも慕われていたために、ヘンリー8世に睨まれるような危うい行動をしても巧みに隠されていた。間も無くして、ヘンリー8世が遠征から戻ってくることがわかる。ヘンリー8世が戻ってくるとアンに危険が及ぶと判断したキャサリン妃は、アンに会いに行き、この地を離れるように勧め、ヘンリー8世にもらったネックレスを与えて資金に充てるように言う。ヘンリー8世が戻ってきたが、彼は足に重傷を負っていた。キャサリン妃は夫が戻ってきたことに表向きは喜んでいる風を見せるが、それも全て自身や子供達を守るためであった。しばらくしてアンが捕まり火刑に処せられた知らせがキャサリンに届く。
ヘンリー8世が戻ってしばらくしてキャサリン妃は妊娠する。しかし、ヘンリー8世の怪我は日に日に悪化し、余命幾ばくもないと周囲の人々も考え始める。そんな中、キャサリン妃は流産してしまう。エドワードの叔父でもあるトーマスらはキャサリン妃がアンに関わっていたことを隠そうとするが、主教は瀕死のヘンリー8世に進言して、キャサリン妃を異端として排除するように勧める。
主教は様々な手段を用いて証拠を探すが、周囲の人たちに慕われていたキャサリン妃の非は見つからなかった。しかし、主教はトーマスらを脅し、証拠を求め、キャサリン妃がアンに与えたネックレスを手に入れる事に成功する。そして、それをもってキャサリン妃を異端者として逮捕して牢屋に収監する。キャサリン妃は、主教の勧めにも応じず、自身の考えを曲げる事なく、結局火刑が決まる。
処刑を目前にしたある日、ヘンリー8世はキャサリン妃を病室に呼ぶ。すでにヘンリー8世は立つこともできないほど弱っていた。ヘンリー8世は自分を愛していたかとキャサリン妃に尋ねるが、彼女は王を愛していたと答えるのみだった。そしてお互い地獄に堕ちようと言ってヘンリー8世の首を締め、殺害してしまう。ヘンリー8世の死は100日伏せられ、さらに埋葬後もその存在さえ明らかにならなかったと言うテロップの後、のちに女王となるエリザベスの姿で映画は終わる。
これと言って出来栄えの優れたところは見られない普通の作品ですが、タイトルを美しく彩ってみたり、赤の衣装を巧みに画面に活かしたりと言うこだわりにある画面作りはちょっとしたものでした。サスペンスフルな展開も面白く、娯楽映画として、そして史実を知る作品として楽しめる映画でした。
