くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「アンジーのBARで逢いましょう」

「アンジーのBARで逢いましょう」

たわいないファンタジーコメディという感じの映画で、癖のある個性的な役者を揃えて、重鎮草笛光子が取りまとめるという設定がとっても面白くて、決して傑作とかそういう類ではないけれども心地よいひとときを過ごせました。こういう映画は大切にしないといけない。監督は松本動。

 

トンネルを抜けて一人の老婦人が歩いて来る。ふと目についた壊れかけたバーを見つけた彼女は早速地元の不動産屋へ行く。こうして映画は幕を開ける。いわく付きの店だからおすすめしないという不動産屋の言葉を無視して、婦人は現金を積んで契約を進めようとし、そこへ、オーナーが現れ即答で婦人に貸す事になる。

 

老婦人の名はアンジーと言って、何者かは不明。彼女は付近のホームレスに声をかけ、片手が不自由な大工経験者や苔の好きな電気工事経験者、全く喋らない舞踏家などをかき集めて改装工事が始まる。向かいの美容院の女性とその息子、女子プロレスラーを目指して上京する予定の女性とその兄などなどが関わっていき、やがて店は完成、この日開店祝いのパーティが行われるが、外に胡散臭い男達が現れていた。

 

アンジーは、客達に頼んで、胡散臭い男たちを煙に巻いてその場を脱出、プロレスラー志望の女性の兄の車で何処かへ去る。店には警察が踏み込み、胡散臭い男たちは詐欺師なのだという。彼らは、一人の老婦人に騙されて悔しいあまり老婦人を探していたという。一件落着して月日が流れる。美容院の息子は、実はゲイだったと東京へ出ていき、女子プロレスラーを目指した少女はリングデビュー、あのBARは、大工と美容院の女性が経営していた。一台のバイクが走っている。一人の老婦人を見かけ、乗っていくかと誘って、アンジーはバイクで去って映画は終わる。

 

リアリティとか理屈を考えると辻褄もクソもなくなるが、あくまでファンタジーだと割り切ればとにかく心地よい作品です。小品でもこういう映画は大切にしないといけないと思います。