くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「岸辺露伴は動かない 懺悔室」「サスカッチ・サンセット」

岸辺露伴は動かない 懺悔室」

前作もしょぼかったが、今回も輪をかけたように出来が悪い。本筋に至るまでがダラダラと間延びした脚本と仰々しい演技演出、意味のないカメラアングルとスロモーション、しかも本筋はいかにもしょぼくて見ていて馬鹿にされている感満載だった。テレビドラマのしかも半分くらいの長さにして十分な内容の作品でした。しかもなんでベネチア舞台?唖然の一本。監督は渡辺一貴。

 

ベネチアにやってきた岸辺露伴は、二人のスリに付き纏われ、彼の能力でスリの素性を見破るところから映画は幕を開ける。このオープニングからしてゆるゆる。スリが持っていた仮面を仮面職人の店に返しに行き一人の女性マリアと知り合う。そんな露伴がたまたま教会の懺悔室に入ったところへ懺悔をしたいと一人の男が入って来る。そしてその男は、ベネチアに来た若い頃、一人の浮浪者を足蹴にしたために呪われ、その浮浪者から、自身が幸せの絶頂になったら命を奪うと付き纏われる。なんやこれはという発端である。

 

露伴はその男と知り合って依頼。異常に運がつくようになる。たまたまマリアと再会した露伴だが、マリアは近々結婚するという。その相手は、露伴を追ってベネチアに来た編集者の泉が出会ったガブリエルという男だった。何かにつけ幸せの絶頂にならないようにと生きてきたマリアの父田宮は、マリアとガブリエルの結婚も阻止しようとしてくる。露伴は、田宮の呪いを断ち切るべく、マリアたちの結婚式を巧みにずらせて、泉や田宮を騙し、呪いが成就してマリアが死んだような偽装を計画、見事成功して、田宮は呪いを背負ったまま何処かへ消える。マリアたちは無事結婚し、露伴と泉も例によっての掛け合いの会話で映画は終わる。

 

ここまでしょぼい話をここまで間延びさせダラダラ描くのも才能かと嫌味を言いたくなるような映画だった。原作があるとは言え、観客を馬鹿にするような作りはさすがにひどい。

 

 

サスカッチ・サンセット」

なんだこりゃという映画だった。サスカッチ(ビッグフット)の家族?が森の奥で生活している姿をドキュメンタリータッチで淡々と描いていき、やがて人間の存在を認めるさまざまに出会ってエンディングを迎えるだけの作品。野生の生き物という設定なので、さまざまなシーンがリアルでやや汚らしくも露骨に見える。皮肉なラストもにんまりしてしまうのだが、いかんせんなんのことやらという作品だった。監督はデビッド・ゼルナー&ネイサン・ゼルナー。

 

森の奥、いくつかの森のショットの後、サスカッチ(ビッグフット)の夫婦とその息子、父なのかわからないが、四頭のサスカッチが森を進んでいく場面から映画は幕を開ける。オスとメスのサスカッチが交尾をし、それを別のサスカッチが眺めている。食べ物を探し、木の実や魚、虫を食べながら進む。一匹のサスカッチが何やら木の実を見つけて独り占めして食べるが、酔ったように群れを離れていき、毒キノコのようなものを食べて、穴倉に住む山猫らしきものに近づいて襲われてしまう。

 

死んだサスカッチをオス、メス、子供のサスカッチが埋めて先へ進む。メスのサスカッチは妊娠したらしくお腹が大きくなっている。突然、大きな道路に出くわして興奮する、オスのサスカッチが川に流れ着いた切り出された材木の上で遊んでいて川に落ちて木の下敷きになり死んでしまう。メスと子供のサスカッチが死体を埋めて先へ進む。

 

山の彼方に煙が上がるのが見え、テントを発見して、ラジカセを鳴らして驚いたり、森の罠を見つけたりする。春から夏、秋、となり、メスサスカッチは子供を産む。やがて冬、森の木が切り出されたところに出て、何やら機械らしきものに出くわす。自分の姿の大きな看板を見つけて話しかけてみるが答えず、その看板は、「ビッグフットミュージアム」の看板で、その傍にサスカッチらが立っているショットで映画は終わる。

 

なんとも言えない作品で、十年の歳月をかけたというもそれほどの作品には見えず、森の景色もそれほど美しいショットはない。結局、なんなのだという映画だった。