くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「ババンババンバンバイアイア」

「ババンババンバンバイアイア」

何の中身もないふざけたギャグアニメ、いやギャグ映画だった。何の中身もないから、何も考えずに馬鹿馬鹿しい笑いに乗って笑えるのだからこういう映画もあって然るべし。程よくまとめた脚本は面白いのですが、演出側に笑いの感性が足りないのか、ほんのわずかなテンポのズレがあるのはちょっと勿体無い。でも気楽に笑えるエンタメ映画でした。監督は浜崎慎治。

 

一人の男森蘭丸が、炎天下フラフラと歩いていて倒れるところから映画は幕を開ける。時は2015年、蘭丸に駆け寄ったのが近所の銭湯の息子立野李仁。蘭丸はバンパイヤですでに四百五十歳、織田信長の最後を見取ってから現代に至るまで生きて来たが、この日李仁に出会い童貞の瑞々しい血に一目惚れしてしまう。そして李仁が十八歳になる日を夢見て銭湯で働くことになる。

 

やがて2025年、李仁は十五歳、高校生になった。蘭丸が目指す李仁の童貞の血にありつくまで後三年と迫る。ところが高校生活初日、李仁は道でぶつかった同級生篠塚葵に一目惚れして恋に落ちてしまう。童貞喪失の危機を感じた蘭丸は何とか葵と李仁の仲を壊すべく葵の部屋にバンパイアとして現れるが、逆に葵に惚れられてしまう。

 

恋に悩む李仁はこの日、帰宅が遅く、心配した蘭丸が李仁を探しにいって、筋肉バカの健と出会う。一瞬で蘭丸に吹っ飛ばされた健は蘭丸を兄貴と慕うようになる。しかも健は葵の兄貴だった。そんな時、李仁と葵の担任坂本先生は坂本竜馬の子孫で、バンパイアハンターとして蘭丸を追っていた。そしてついに蘭丸に迫るが、実は坂本先生は蘭丸に血を吸われることで快感を得ようと探していたのだ。

 

そんなこんなのややこしい関係の中、李仁は蘭丸を葵の恋敵として認識し始め、ややこしい三角関係が持ち上がる。その頃、巷では血を抜かれる殺人事件が連続していた。実は犯人は森長可、蘭丸の兄だった。長可は、信長を蘭丸に取られて以来蘭丸を目の敵にしていた。高校に乗り込んだ長可は、坂本先生から蘭丸の居場所を聞き出し蘭丸を誘き出す。

 

そして蘭丸と長可は一騎打ちを始めるが長可は強かった。そこへ、蘭丸や坂本先生の危急を知った李仁が駆けつけるが、長可は、蘭丸の大切なもの全て葬ると李仁に迫る。そこへ葵が駆けつけ、李仁と十字架を作って長可に迫る。蘭丸は、自分たちには十字架は効果がないというが、長可は、ウィキペディアの情報から、バンパイアは十字架とニンニクに弱いという知識で洗脳されていて、李仁たちの十字架で怯んでしまう。全てが終わり、蘭丸は長可も誘い、銭湯で暮らすようになる。この日、李仁の十六歳の誕生パーティだった。みんなが銭湯に集まり李仁を祝って映画は終わる。

 

とまあ、馬鹿馬鹿しい限りの物語で、全編ミュージカル調でストーリーを紡いでいく演出は面白いし楽しい。もうちょっとギャグのテンポにキレがあればもっと笑えたかもしれないが、お気楽に見るには十分な一本でした。