くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「ハルビン」「BAD GENIUS バッド・ジーニアス」

ハルビン

1909年10月中国ハルビンで起こった伊藤博文暗殺事件の映画化。全編に緊迫感を生み出していく作りは、退屈こそしないまでも、肝心のクライマックスの盛り上がりが、それまでと大差ないことになって、全体の緩急がまとまらなかった感じです。でも、これが韓国映画の色だと言えばそれまでなのです。日本人にとっては決して面白い話ではないけれど、映画としてもそれほど出来のいい作品ではなかった。監督はウ・ミンホ。

 

凍った湖を歩く一人の男の姿から、ロシアクスリスク、大韓義軍の会議が行われていた。リーダーのアン・ジュングを待っているのだが、未だ消息がつかめなかった。物語は四十日前に遡る。日本軍の駐留地を襲ったアン・ジュングら大韓義軍は勝利を収めたが、捕虜として捉えた日本軍の高官森少佐らを万国公法に基づいて釈放する。しかし後日、森少佐らは大韓義軍を襲い、たまたまその場にいなかったアン・ジュング以外皆殺しにしたのだ。

 

大韓義軍の会議に、ようやくアン・ジュングが戻ってきたが、アン・ジュングへの疑いが大韓義軍の中に生まれていた。しかし、次の目標である伊藤博文暗殺へと大韓義軍は動き始める。この流れがかなり雑である。伊藤博文ハルビン査察を予定していて、アン・ジュング、ウ・ドクスン、キム・サンヒョンらは行動を開始する。

 

暗殺にあたり、銃のみでは物足りないと、列車を破壊できるだけの爆薬の調達を考えるが、そのために今は馬賊となっているパクの力が必要だった。そのためにパクの義妹であるコン夫人と協力し、爆薬を手に入れたが、どこから情報が漏れたか、森少佐らの待ち伏せにあい、爆薬移送は失敗する。大韓義軍の中に密偵がいると判断したアン・ジュングらは、ハルビンでの決行前に密偵発見するべく、ハルビン途中の駅での決行という別の暗殺現場変更の情報をメンバー内に流す。

 

移動の途中、キム・サンヒョンが密偵だと確信したウ・ドクスンらは、森少佐に捕まることを前提に途中の駅で降りて、あたかも暗殺実行現場に見せかけ、駆けつけた森少佐らに逮捕される。一方、伊藤博文を乗せた列車はハルビンに到着する。森少佐らは、慌ててハルビンへ向かうが、ハルビンではアン・ジュングが銃を構えていた。

 

森少佐がアン・ジュングに迫るが、横から現れたコン夫人が森少佐を刺す。アン・ジュングは、見事伊藤博文暗殺に成功、旅順刑務所で、処刑される。後日、キム・サンヒョンは、森少佐に会っていた。森少佐が次の任務をキム・サンヒョンに与えるが、キム・サンヒョンは森少佐の首筋にナイフを突き立て殺す。氷の湖を歩くアン・ジュングが、祖国独立を目指すと叫び、36年後、ついに日本から独立したというテロップで映画は終わる。

 

あれだけ、爆薬が必要と行動していたのに、結局、無しのままで暗殺が成功するという、雑な脚本が気になるし、馬賊のキャラクターの登場など荒いエピソードも見られて今ひとつ完成度は良くないけれど、退屈はしなかったから良しとしましょう。

 

 

「BAD  GENIUS バッド・ジーニアス」

2017年タイ映画のハリウッドリメイク。オリジナル版もそれほど面白いと思わなかったが、流石にアメリカに行くと、ここまでステロタイプ化して気分の悪い作品になるかと感心してしまった。金持ちは白人で貧乏人は中国人と黒人、さらに才能も真逆という構図に、不法移民問題まで絡ませるというのはどうなのかと思う。カンニングのサスペンスはそれなりに面白おかしくできているが、前述の背景を鑑みるとクソ映画にしか見えない一本だった。監督はJ・C・リー。

 

文武両道に何をやってもトップクラスの才能のリンが父親と一緒にシアトルの名門校の面接に来ている場面から映画は幕を開ける。校長のウォルシュは、奨学金のみならずさまざまな優遇をしてリンを転入させる。そして学校の案内役にグレースをつけるがグレースは劣等生で、落第寸前だった。そんな彼女にリンは、テストで消しゴムに答えを書いてカンニングさせてやる。

 

そんなリンにグレースの彼氏で弁護士で実力者の父親を持つパットがある裏ビジネスを持ちかける。リンは、パットの父親のコネと生活に苦しい父親を助けるために奇想天外なカンニング手段を考える。それはピアノのコードを使ってマークシートの答えを伝えていくという物だった。やがて三年生になったリンたちだったが、パットの父は大学進学の共通試験であるSATの試験が迫っていることから、リンの才能に注目して、助力を暗に申し出てくる。

 

リンは、フィラデルフィアとシアトルの時差を利用して、先にリンが回答したものを暗記してグレースたちに送り、それをバーコードにして鉛筆に仕込むという作戦を考える。しかし、リンの記憶力も限界があるので、半分を黒人で、同じく貧しい家庭のバンクに持ちかける。しかし、正義感の強いバンクは応じない。ところが夜、不良たちに絡まれてゴミ箱に放り込まれ奨学金の面接に行けなかったバンクは切羽詰まってしまいリンたちに協力することにする。

 

そして試験当日、順調にリンとバンクはトイレから答えを送っていたが、急にトイレの調査が入り、バンクは捕まってしまう。リンはなんとか逃げながら答えを送信、グレースたちは予定通りに顧客にバーコード入り鉛筆を配れて、みんな高得点を取ることに成功する。ところが、試験の不正が公になり、フィラデルフィアの生徒は再試験になってしまう。しかもグレースたちは一年遊んでから大学に行くと言い出すし、バンクを襲った不良たちもパットの仕業だとわかる。結局、自分たちは利用されただけだと知ったリンとバンクだった。

 

リンは自首を考えるがバンクは不法移民なのでできないという。そこでリンは、パットの父親に、全ての証拠を突きつけ、パットが張本人になるが、再試験の生徒の受験料や塾の費用を出させて、バンクの不法移民の件もうまく進められるようにしてもらうことを条件に黙っている事にすると迫る。パットの父は了解し、リンは、自宅に帰り父に全てを話す。こうして映画は終わる。

 

オリジナル版もそれほど面白いと思わなかったが、あれはそれなりにカンニングサスペンスに特化した作りだったので素直に見れた。このリメイクは様々な問題を盛り込んだ頭でっかちな作りになってしまい、エンタメの面白さが失せたような気がします。

 

バッド・ジーニアス 危険な天才たち(字幕版)

バッド・ジーニアス 危険な天才たち(字幕版)

  • チュティモン・ジョンジャルーンスックジン
Amazon