「アンティル・ドーン」
ゲームの映画化なのでもっとつまらないホラーかと思っていたら、意外に面白かった。なぜああいう状態になっているのかの理屈は少々よくわからないけれど、次々と繰り返される見せ場の連続と、タイムリープとクライマックスのタイムリミットの緊迫感はそれなりにハラハラドキドキ楽しめました。監督はデビッド・F・サンドバーグ。
一人の女性が穴を這い上がって逃げている場面から映画は幕を開ける。背後から何やら化け物が迫ってきているようで、とうとう捕まり、少女の、「もう死にたくない」という絶叫で場面が変わる。メラニーが行方不明になって一年後、妹のクローバーは、友達のマックスや、ニナ、ミーガンら五人でメラニーを探しにやってきた。たまたま立ち入ったカフェで、行方不明になった場所がグロブ・バレーという場所だと突き止めそこへ向かう。
途中、大雨に見舞われたが、突然、雨が止む。そこに一軒の観光案内所があって、その周りだけ雨が降っていなかった。五人はその建物に入るが、中に誰もいない。宿泊名簿にメラニーの名を見つけたニナは、ここが失踪場所だと特定。さらにエイブが、壁に貼られた行方不明者の写真を発見する。そして壁に設置されていた砂時計が回転しているのを見つける。途端、仮面を被った殺人鬼が五人を襲い、次々と殺していく。ところが、気がつくと五人はここにきた時間に生き返っていた。
そして、再び夜が来ると、新たな殺人鬼が彼らを襲い、時間が戻って生き返っていた。五人は浴室に集まり、脱出の手段を模索するが、たまたま水を飲んだら、みんな体が爆発して死んでしまう。そしてまた生き返る。クローバーは、殺人鬼に引き込まれた際、夜明けまで生き残るか、夜の一部になるかしか助かる方法はないと、魔女のような女に告げられる。
五人は何度目か生き返った間に、このタイムリープの謎を解くべく資料を集め、この地が二十年前に村ごと地底に沈んだこと、その際犠牲になった村人のトラウマを観察するドクター・ヒルなる男が、この地で人体実験をし、化け物を生み出したことを知る。五人はすでに十三回生き返っていて、その度に肉体が変化しているのを知り、人間でなくなる前に五人は脱出することを考え、地下に落ちた部屋の玄関から洞窟を抜けることを決心する。途中、ドクター・ヒルをつけて行ったミーガンを救出し、クローバーはドクター・ヒルに水を飲ませて殺し、砂時計が落ちきる前に地上に到達することに成功する。時が流れ冬、雪に埋もれた観光案内所に新しいバンが到着する場面で映画は終わる。
結局、こういう空間が生まれた理由や、ドクター・ヒルの人物像もよくわからないままにクライマックスを迎え、クローバーが生み出した空想の恐怖であるかの説明や、クローバーには才能があるというドクター・ヒルの言葉などなど説明不足も多々あるが、余計なことを考えなければ、まあ楽しめる一本でした。
「人間魚雷出撃す」
石原裕次郎、長門裕之、森雅之など日活スターを配しての戦争映画大作という一本ですが、これという人間ドラマもなく、強いて面白いのは、おそらく本物の潜水艦を使ったかの艦内シーンの面白さでしょうか。監督は古川卓巳。
戦後の軍事裁判で、イ号の艦長橋爪が、原爆を運んだミネアポリス号を回天で攻撃しなかったのかと問い詰められている場面から映画は幕を開ける。回天を使いたくなかったという返答の後、時は昭和二十年七月に遡る。この日、四機の回天を積んだイ号が、南方へ出撃することになっていた。柿田、黒崎、久波、今西は、敵艦抹殺に燃えて回天乗組員として搭乗した。
やがて、駆逐艦らしきものを発見した橋爪らは、回天四機に準備させるが、黒崎の一号機が故障、二号、三号機を出撃させて駆逐艦を撃沈する。残された今西、黒崎らは歯痒い思いをする。続いて戦艦級の敵艦を発見するが橋爪は回天を使わず、魚雷のみで撃沈に成功する。今西らは橋爪に詰め寄るも、橋爪は可能な限り回天は使いたくなかった。
しかし、間も無くして数隻の敵艦の艦隊に遭遇、魚雷を発射し、一部撃沈するが敵の機雷攻撃に遭い、艦は打撃を受ける。橋爪は回天を手動で出撃させることを決意し、自艦を守るために今西、黒崎に出撃を命じる。二人は見事敵駆逐艦を迎撃し、橋爪の艦は窮地を脱することに成功する。しかし、若者を死に追いやった回天の使用はその後も橋爪を苦しめることになったというシーンで映画は終わる。
しっかり作られた戦争映画ですが、それ以上でも以下でもない一本でした。

