「トロン・アレス」
シンプルなストーリーでエンタメに徹した作りがとにかく面白かった。旧作の空気感を残しながら、今風の絵作りがクールで、さりげない人間ドラマと冷徹なコンピュータ世界の交錯した物語も楽しめる。ただ、最近のディズニーの悪い癖で、東洋人、特に中国人を主演に配置するわざとらしさだけはいただけなかった。監督はヨアヒム・ローニング。
天才プログラマーフリンが構築したデジタル世界と現実世界の交錯するプログラムの経緯の説明から、時は流れ、二大プログラム開発会社ディリンジャー社とフリンの後継者キム姉妹のエンコム社の開発競争の現代になって映画は幕を開ける。ディリンジャー社のシュリアンは、CEOの母の後を継いでデジタル世界のAIを実体化する装置を開発したが、29分間しか実体化できなかった。
そんな頃、フリンの古いプログラムを調べていたイヴは永久に実体化できるプログラムを発見する。それを知ったジュリアンは、自社のAIアレスを実体化させ、同じくAIのアテナと共にイヴをデジタル世界に転送し、そのプログラムの奪取を図る。ところがアレスがジュリアンに反抗して、イヴを助け出したため、ジュリアンはアテナに手段を選ばずイヴをデジタル社会に取り込んでプログラムを手に入れるように命令する。
一方、アレスは、イヴ達によってフリンのデジタル世界に取り込まれてしまう。そこでフリンと出会い、永遠のプログラムを手に入れる。アテナは、手段を選ばずという命令を忠実に実行し、ジュリアンの行動を抑えようとした母エリザベスを殺し、巨大な追撃兵器を作り出してイヴに迫る。現実世界に戻ったアレスは間一髪でイヴを助ける。エンコム社のイヴの仲間はディリンジャー社のプログラムに潜入して、オフラインに切り替え、ついにアテナの動きを止めてしまう。
ディリンジャー社によって大災害を被ったとしてジュリアンに警察の手が伸びるが、ジュリアンは逆転送で、自らをデジタル世界に逃す。アレスは人間として世界を旅するようになり、イヴは開発した永久プログラムで様々な新サービスを展開していく。ジュリアンはデジタル世界に入り、新たに生まれ変わって野望を抱いて映画は終わる。
単純そのものの作りが功を奏した感じの一本で、なんの中身もないけれど、素直に面白く見ることができた。
