くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「トリツカレ男」「モンテ・クリスト伯」

「トリツカレ男」

御伽話のようなファンタジックなラブストーリー。ちょっと個性的なキャラクター画と、レトロな街並みのアンバランス、ミュージカル調のファンタジックな演出、決して大傑作という仕上がりではないけれど、楽しめるアニメーションでした。監督は髙橋涉。

 

目についたものに直ぐに夢中になって取り憑かれてしまう主人公ジュゼッペの姿から映画は幕を開ける。シエロというネズミと知り合い、ネズミ語まで話すようになって親しくなってしまう。そんなジュゼッペとシエロは、公園で風船を売っている一人の少女ペチカと出会い恋に落ちる。しかし、何事も内気なジュゼッペはなかなか告白ができない。それより、青空のように素直な笑顔がペチカに見えないからとその原因をシエロに探らせたりする。

 

ペチカには大きな借金があることを知り、ジュゼッペは、借金をした相手ツイスト親分に、彼の隠れた趣味の昆虫採集の貴重な昆虫の標本を与えて借金を揉み消してやる。それでも晴れやかに笑わないペチカを気にしたジュゼッペは、またまたシエロにその秘密を探らせると、病気の母が療養所にいることがわかる。ジュゼッペは、かつて取り憑かれた医術を駆使して、サングラスと歌を歌うことでペチカの母の病気を回復させてやる。それでも晴れないペチカの笑顔を取り戻そうとさらに調べてみると、ペチカには外国に許嫁タタンがいることがわかる。ジュゼッペは、かつての探偵の知識でその許嫁を探したがすでに亡くなっていた。生徒たちを連れてホッケーの試合に行き、老朽化したロープウェイに乗って事故にあい、生徒たちを守るために自ら飛び降りたという。

 

ジュゼッペは、ペチカを慰めるためにタタンに扮装して雪の中梯子を登ってペチカの部屋の窓の外に行く。そして来る日も来る日もペチカと話しをするようになる。しかしある日、ジュゼッペは高熱で倒れてしまう。シエロはペチカに助けを呼ぶために向かい、道の途中でペチカに会う。シエロはネズミ語で必死で訴えるがなかなか伝わらない。そこへ新車を買ったツイスト親分が現れ、借金を返したのはジュゼッペだと告げる。全てを知ったペチカはツイスト親分の車で母の療養所へ行き、母を救ったのがジュゼッペだと確認して引き返してくる。ところが途中木が倒れていて車が通れなくなっていた。ペチカは走り、途中、いつも乗っていた自転車に乗る。その自転車はブレーキが壊れたままだった。

 

猛スピードで向かうペチカ、一方ジュゼッペはふらふらになっても梯子をかけてペチカの部屋にきていた。ジュゼッペが出会ったのはタタンの魂だった。ペチカはタタンが亡くなっているのを知っていた。しかしタタンがロープウェイから飛び降りた際、ペチカの名を叫ばなかったのでペチカの心にタタンが住み着いていたのだという。そして、ジュゼッペがそれを全て払拭してくれたから、今夜でタタンは消えると告白する。そこへペチカが自転車で突っ込んできてジュゼッペはペチカの名前を叫んでハシゴから落ちる。入院したジュゼッペを看病するペチカのところに元気になった母がやってくる。こうして映画は終わる。

 

クライマックスのペチカが自転車で疾走する場面が最高に美しく盛り上がる。その後の病室のシーンはカットした方が映画が締まったような気がしますが、全体に夢物語のようなラブストーリーに仕上がっていました。

 

 

モンテ・クリスト伯

アレクサンドル・デュマの名作の映画化。原作を読んでいないので、詳細な所の違いがあるのかどうかわからないけれど、素直に面白かった。スピーディな導入部からどんどん物語が前に進んでいき、息つく暇もなく後半へなだれ込むテンポが実に良い。しかも、大作らしく、セットもロケーションも格調高く、演出も丁寧なので、文芸大作の貫禄がある。監督はアレクサンドル・ド・ラ・パトリエール、マチュー・デラポルト

 

1815年ナポレオンが幽閉されているフランス、海上で一隻の船が大破し、一人の女性が海に投げ出されているが必死で流れたマストに捕まろうとする。そこへ一人の男が泳いでたどり着いてその女性を助け自身の船に引き上げるが船長ダングラールは勝手な行動をしたその男を非難する。ダングラールは、女の手にあった一通の手紙を取り上げる。それはナポレオン直筆の手紙だった。女はナポレオンの仲間だった。港でその女は男に、アルジャンという名だが忘れて欲しいと告げる。男の名はエドモン・ダンテスと言う。

 

港で船主モレルは、ダンテスの行為を非難するダングラールに対し、ダンテスの行動こそ褒められるべきだとダングラールの船長職を解いてダンテスを船長にする。ダンテスは実家に戻り、自分が船長になったことを父らに伝え祝福される。ダンテスの友人フェルナンも彼を祝福する。そんなフェルナンにダンテスはフェルナンの従兄弟メルセデスと結婚する事を告白する。しかし実はフェルナンはメルセデスに恋心を持っていた。

 

結婚式の日、突然憲兵らが現れタンデスを逮捕していく。タンデスと会った検事のヴィルフォールは、タンデスの持っている聖書にナポレオンからの手紙が挟まれていたのが逮捕の理由だと告げる。しかしタンデスは反論、ヴィルフォールは、船員達に証言を聞き、無実であると考えるが、ダングラールの言葉を信じるかどうか思案し始める。そこへ、タンデス逮捕に抗議するためにフェルナンがやってきたが、家名を守る事を選択、さらにメルセデスに恋心を抱く自分の気持ちもあって、タンデスを有罪にする。

 

タンデスは処刑こそ免れたものの、遠島の監獄に幽閉されてしまう。そこは石造りの井戸のような穴の監獄だった。そこで四年の歳月を過ごしたタンデスだが、突然隣から声が聞こえてくる。その声は同じく幽閉されているファリア司祭だった。ファリア司祭は一緒に脱獄しようと提案し、監獄を掘り進める。ファリア司祭が言うには、テンプル騎士団が蓄えた隠し財宝がモンテ・クリスト島に隠してあるから脱獄してそこへ向かおうと言うものだった。しかし、ようやく出口が見えた時落盤が起こりファリア司祭は亡くなってしまう。ダンテスは、ファリア司祭の遺体と入れ替わって監獄を脱出、泳いで島に辿り着き、父の屋敷にやってくるが父は亡くなっていた。

 

タンデスはアルジャンを訪ねるが、今は娼婦になっていると言う。タンデスがアルジャンの部屋にやって来るがアルジャンは、余命わずかなので子供を助けて欲しいと頼む。実はヴィルフォールにはヴィクトリアという愛人がいたが、子供が産まれてしまった。それを隠すために死産と偽って屋敷の隅に埋めたが、その様子を目撃したアルジャンはまだ生きている赤ん坊を掘り出して育てたのだ。

 

タンデスは、テンプル騎士団の隠し財宝を探り出して、自らモンテ・クリスト伯と名乗り、アルジャンが育てた息子アンドレを施設に迎えにいく。フェルナンは今ではメルセデスと結婚し、アルベールという息子もいた。フェルナンは戦争で戦果を上げていたが、片目を失っていた。タンデスは、アルベールに近づくべく、チンピラを雇い襲わせて、それをタンデスが助けたことにし、その場にモンテ・クリスト伯の名の入った銃を残す。

 

後日、タンデスの屋敷にフェルナンとアルベールがやって来る。タンデスは、アンドレを貴族に仕立て、さらにフェルナンが戦地で殺戮した両親の娘エデを我が娘としてフェルナン達に紹介する。こうして、モンテ・クリスト伯がタンデスだと知らないフェルナンやヴィルフォール、ダングラールはタンデスと交際するようになる。タンデスは、アンドレにフェルナンの娘に近づけさせ、エデはヴィルフォールの息子アルベールを誘惑させるように画策していく。そんな中、モンテ・クリスト伯という人物を調べるためにダングラールは、モンテ・クリスト伯の宿敵で新聞王のハリッシュに裏どりをしたりしていた。

 

そして機は熟した頃、ダングラールの船が盗まれたという新聞記事が出る。しかし、それは流言だとヴィルフォールが突き止める。ただ、世間の人々はそれを知らず、ダングラールの船会社の株は大暴落していた。ダングラールはこの機会に株を買い占め、流言だとわかって株価が戻るときに大儲けしようと画策、その資金をモンテ・クリスト伯に頼むに来る。モンテ・クリスト伯はダングラールの全財産を担保に巨額の資金を貸し付けるが、一方で、本当に船を盗ませる。

 

そうとは知らず、ダングラールは新聞王のハリッシュを名誉毀損で訴え、裁判が行われる。ハリッシュは現れずその代理人としてアンドレが現れる。そして船は実際に盗まれていること、自分はヴィルフォールの息子だという事を明らかにし、ヴィルフォールの名誉は失墜、ダングラールは一文無しになってしまう。しかし、ヴィルフォールの帰り際、アンドレはナイフでヴィルフォールを刺し、自分は憲兵に銃殺されてしまう。

 

計画にずれがあったとはいえ、ダンテスは次のターゲットのフェルナンを貶めるため、エデにアルベールとの別れを告げるようにいうが、いつのまにかエデはアルベールを本気で恋してしまっていた。アルベールはエデのところへ行き、タンデスに決闘を申し込んでしまう。そんなタンデスにメルセデスが会いに来る。メルセデスモンテ・クリスト伯がタンデスだと見破っていた。そして息子アルベールを殺さないで欲しいと頼む。

 

決闘の日、タンデスはわざと外してアルベールを助け、アルベールもタンデスを撃たなかった。アルベールとエデをタンデスは逃してやる。メルセデスはフェルナンの元を去っていき、一人残ったフェルナンはタンデスの屋敷にやって来る。そして一騎打ちの末、タンデスは重傷を負ったもののフェルナンは亡くなってしまう。屋敷をさったメルセデスはタンデスからの手紙を受け取っていた。こうして映画は終わる。

 

原作がいいというのもあるだろうが、実にしっかりと脚本が組まれていて、映像作品としても単純に面白い。しかも豪華な衣装とセット、ロケーションに目を見張るものもあり、大作を見た感十分な一本でした。