くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「妖婦」「視える」

「妖婦」

ブリティッシュノワール特集の一本。めちゃくちゃな話ですが、とにかくハイテンポに進むので結構面白かった。しかし、ここまで毒婦だと呆れてしまうし、あっさり騙されていく男達も、彼女を妄信的に信じる女達もアホに見えてしまう。でもその極端さが、娯楽を追求していた時代の本来の映画の姿かもしれません。監督はレスリー・アーリス。

 

キャロラインが許嫁のラルフと歌いながら湖畔を走る姿から映画は幕を開ける。そして結婚式の準備をするキャロラインのところに従姉妹のバーバラがやって来る。美しいバーバラにラルフは一目惚れしてしまい、キャロラインから乗り換えてバーバラと結婚を決めてしまう。キャロラインは付添人としてこの家に残ることになるが、式の日、キットという建築家とバーバラは知り合う。

 

結婚後、バーバラは家のことはせず、すべて使用人やキャロラインに任せきりにし、邸宅の奥にある外への秘密の扉のある部屋にラルフと別の寝室を作って生活を始める。遊びに来た従姉妹のヘンリエッタと賭博をして負けたバーバラは、母の形見の宝石を取られてしまう。そんな頃、この地域には追い剥ぎのキャプテンジャクソンという盗賊が出没していた。ヘンリエッタの帰り道、バーバラはジャクソンのふりをして馬車を襲い、取られた宝石を取り返すが、それ以来、追い剥ぎのスリルに魅せられて、毎夜、馬車を襲うようになる。ところが本物のキャプテンジャクソンが現れ、バーバラと一緒に仕事をするようになる。しかもバーバラの美貌に惹かれたジャクソンはバーバラを愛人にしてしまう。

 

次々と追い剥ぎに襲われるのを危惧したラルフは、使用人ネッドをその護衛の仕事に就かせる。この夜もジャクソンとバーバラは馬車を襲い、バーバラは銃でネッドを撃ち殺してしまう。犯人はジャクソンだと皆は考えたが、使用人の一人ホガースは、ネッドの死体のそばでバーバラのハンカチを発見しバーバラに詰め寄る。バーバラは得意の妖艶な言葉でホガースを誘惑し自分の仲間に引き入れてしまうが、ホガースが心配なバーバラは毒を飲ませて、ホガースを病気にする。

 

ロンドンで暮らしていたキャロラインは、ロンドンでキットと出会う。そして二人は恋に落ちて結婚を約束する。そこへホガース危篤の知らせが届きキャロラインは戻って来る。ホガースは最後にラルフに伝えたいことがあるからと呼ぶが、バーバラは近づけない。しかし、最後だからとラルフはホガースと二人きりになるが、聞き取れないままにホガースは死んでしまう。バーバラはジャクソンのアジトに行くがそこでジャクソンは別の愛人と過ごしていた。バーバラは、その腹いせにジャクソンの居場所を警察に連絡、ジャクソンは逮捕されて絞首刑が決まる。

 

ジャクソンが、死に間際に真実を話すというのを聞いて気が気でなく処刑場にバーバラは向かうが、キャロラインも同行する。処刑場では人々が混乱し、居合わせたキットに助けられる。ジャクソンは絞首刑になる寸前にバーバラに手紙を渡す。バーバラはキットと再会、しかもキャロラインと結婚すると知るが、またキットを誘惑しようとする。ラルフはキットに、キャロラインを悲しませないようにいう。一方、絞首刑されたはずのジャクソンは人々の混乱の中、ロープを切られて逃亡した。

 

一人部屋で過ごすバーバラの所にジャクソンが現れ、バーバラを殺そうとするが結局殺さず、今度はキットを手に入れようとするバーバラを無理やり襲い消えてしまう。バーバラは、キットと一緒になるためにラルフを亡き者にしようと追い剥ぎの格好をしてラルフを待ち伏せるが、そこにジャクソンが現れ、バーバラの次の獲物がラルフの命だと知り、バーバラの元を去ろうとする。バーバラはジャクソンを撃ち殺し、ラルフの馬車に襲いかかるが、ラルフの馬車にはキットとキャロラインが乗っていた。

 

キットは追い剥ぎがバーバラとは知らずに銃で撃ち重傷を負わせる。自宅に戻ったキャロラインは、体調が悪いと休んでいるバーバラの部屋に行き、バーバラが無くした母の形見の宝石を発見、さらに外に抜ける扉から戻ってきた重傷のバーバラと出会う。全てを知ったキャロラインだったが、バーバラは死を目前にしていた。バーバラは亡くなり、キャロラインとキットの歌声で映画は終わる。

 

バーバラが次々に男を誘惑していく様が面白いほどに手際良く、しかもはやての如き心変わりにあっけに取られるほど楽しめる。さらにそんな女にころころと丸め込まれる男達のバカさ加減も鮮やかすぎて、あっという間にエンディングだった。楽しませるために作っただけという感じではあるけれど、ここまで割り切ったらあっぱれなものである。そんな映画だった。

 

 

「視える」

なかなか凝ったホラーでした。ちょっとやりすぎ感もないわけではないけれどスプラッターシーンを大胆にジャンプカットして想像に任せた演出は見事で、振り返ればたわいないドラマでしたが、なかなか面白かった。監督はダミアン・マッカーシー

 

森の中の古びた大邸宅、そこに一人の女性ダニーがやって来る。この家を手に入れて、修繕をするためにやってきたが、テントを張ってしばらくここで過ごそうとしていた。中に入り、なんとか夫で精神科医のテッドに連絡をする。防犯のためにタイムズプラスでカメラをセットしていた彼女は、カメラの動作を確認して扉を閉じる。ところが、ドアの外に片目が義眼の男が現れ、今すぐ逃げたほうがいいという。不審な男が中に入っているという。そして、ここを開ければ自分が調べてやるというが、ダニーはどうしていいか迷い、鍵を開けるようにしてタイトル。

 

精神病院の一室、一人の男が扉を開けると、首を切り落とされた死体が投げ込まれる。その死体には義眼があった。精神科医のテッドは、この日、ダニーの双子の妹で目の見えないダーシーが営む小道具店にやってきた。実は一年前にダニーは殺されていた。テッドはダーシーに、殺された男オリンの義眼を持ってきた。ダニーを殺したのはテッドの元患者のオリンだと警察は判断したらしく、その義眼を念視ができるダーシーのところへ持ってきたのだ。その店で、ベルを押すと死んだボーイがやって来るという呪われたベルを見せられる。テッドはダーシーに、近々ヤナという女性と結婚すると告白する。ダーシーは早急なことに疑念を抱く。

 

テッドとヤナは、森の大邸宅に来ていたがそこに突然ダーシーが現れる。いつ来てもいいと誘われていたからだという。ダーシーは木の人形をテッド達の結婚祝いに持ち込んで来る。テッドは仕事で先に出かけ、ヤナも出かけるはずだったが車のキーが見つからず、ー晩ダーシーと過ごすことになる。ところが深夜、ヤナの周りで不審な出来事が続く。ヤナはなんとか車のキーを手に入れ、何者かに迫られる恐怖を逃れる。

 

その後、テッドがやって来る。テッドや屋根裏でダーシーを見つけるが、ダーシーはテッドに、ダニーを殺したのはテッドの病院のアイバンという職員だと告げる。実はテッドは、ヤナと不倫していて、ダニーが邪魔になり、アイバンにダニーを殺すように依頼したのだ。テッドはダーシーが目が見えないことから、屋根裏の中央にある穴を塞いでいる蓋をとって帰宅する。そしてダーシーに電話をかける。ダーシーは階下で電話の音がしたので降りようとして穴から落ちてしまう。テッドはアイバンに屋敷に行くように依頼する。

 

アイバンが屋敷に行くと、二階から落ちたダーシーが血まみれで倒れていたがまだ息があった。ところが、ダーシーが胸に手を当てて念を送ると、木の人形が動き出しアイバンに襲いかかってくる。アイバンが気がつくと精神病院の一室に拘束されていた。傍にテッドがいて、全てをアイバンの仕業にしようとしていた。そして人喰いをする患者を解き放つ。オリンを食い殺したのもこの男だったのだ。

 

テッドは邸宅に行く。そこに、ダーシーの店から、呪われたベルが届く。テッドが興味本位にベルを押してみたが何も起こらなかった。苦笑いするテッドの後ろに、呪われたボーイが立っているカットで映画は終わる。

 

怖がらせ方が面白く、余計な辻褄などは放っておけば楽しめる作品。こういうのがホラー映画の醍醐味だと思える一本でした。