「フライト・フォース極限空域」
とにかく荒唐無稽なほどに面白い。映画の出来不出来以前に、拍手して爆笑するほどツッコミどころと見せ場がてんこ盛りに詰め込まれている。香港映画ここにありと言わんばかりのあっけに取られる娯楽大作だった。正直本当に面白かった。監督はオキサイド・パン。
新型旅客機が就航することになったという航空会社の説明から、細かいカットで要人警護のハオジュンが、今日の任務の航空会社の社長警護の仕事がなくなったところから映画は始まり、その後、彼の過去がフラッシュバックされる。八年前、元々癇癪持ちの持病がある彼は妻フー・ユエンと娘シアオジュンを乗せて車で走っていた時、持病が出て交通事故を起こし、シアオジュンは脳挫傷で目が見えなくなってしまう。間も無くして離婚するが、ハオジュンは家を出ていってしまう。その後、妻は彼を許した。
この日、ハオジュンは社長が乗り込んでいるであろう新型飛行機にプライベートでエコノミークラスで乗ることにしていた。一方フー・ユエンとシアオジュンもまたファーストクラスでこの飛行機に乗り込んでいた。機内で三人は再会するがシアオジュンは気が付かないままだった。ところが飛行機はマイクという男を中心にした男たちにハイジャックされる。そして航空会社に五万ドルの大金を要求してくる。実は会社の役員の一人が横領を隠すために金を得て穴埋めしようとしていた。しかしマイクたちは私利私欲のため暴走し始める。
マイクらは、金を手に入れた後、パラシュートで脱出する予定で、パイロットたちも仲間と入れ替わり、機内の電子機器を不能にしていた。ファーストクラスの異常に気がついたハオジュンは、キャビンアテンダントからインタフォンが不能になっていることを突き止める。たまたまゲームの無線機のおもちゃを手に入れたハオジュンは、そのおもちゃで遊ぶ子供と仲良くなって無線機を持っていたシアオジュンと連絡を取りハイジャックされたことを知る。さらに犯人の数を聞き、一人ずつ処分していく作戦を開始する。
マイクらは情け容赦なく殺人を繰り返して、ついに金を振り込ませることに成功する。その頃、ハオジュンは、荷物室でパラシュートを発見し、犯人がパラシュートで脱出すると推測し、パラシュートを奪取してしまう。そしてそれを取引材料に犯人に迫るが、マイクらはハオジュンの鞄を発見し、そこで家族の写真を手に入れ、客の中に妻フー・ユエン、シアオジュンの存在を知って人質にする。ハオジュンは一階と二階の中間通路を通って一人また一人と犯人を倒していき、最後マイクと対峙する。しかしフー・ユエンらが人質になった事で、ピンチになるが、制御室で機内の電気が消えるように細工していて、真っ暗になった隙にフー・ユエンらを救出する。
マイクらは仲間割れを始め、手に入れたパラシュートだけで脱出しようとする。パイロットになっていた犯人はハオジュンに倒され、飛行機の操縦経験があり、この機に乗っていた会社社長が操縦席に座る。ハオジュンとマイクらは最後の死闘を繰り返し、非常扉が開いて、機外に引き込まれる中、フー・ユエンとシアオジュンは宙吊りになる。キャビンアテンダントの一人で、スカイダイビングのスクールに通う女性が、パラシュートを持って飛び出してシアオジュンを助け、ハオジュンはマイクとの死闘の末マイクを倒す。そしてシアオジュンとハオジュンは機内へ戻るが、飛行機の着陸場所が見つからない。
公道に着陸する計画を立てる地上班だが、飛行機の前輪が降りないことがわかる。しかも右翼エンジンはトラブルで火を吹く。地上では、前輪をトラックに受けてそのまま着陸する計画を立てる。そして飛行機は着陸態勢へ。一か八かの大作戦はハオジュンらの大活躍もあり無事成功。ハオジュン、フー・ユエン、シアオジュンらも再会してハッピーエンドで映画は終わる。
とにかく、あれよあれよと危機状況が湧き上がってきて、見ている方は呆れるほどにつっこんでしまう。さらに荒唐無稽な対応が連続し、なんだこれはと呆れるうちに映画は大団円。とにかく、訳もわからないが面白い。それだけの映画だったが、かなり楽しかった。
「フィフィ大空をゆく」
これまたファンタジー。背中に羽をつけるとなぜか飛べるようになる男の寓話のようなお話。今回も空撮シーンが素晴らしく、映画が独特のムードを作り出すから素敵。まさに唯一無二の監督だと思います。楽しかった。監督はアルベール・ラモリス。
コソ泥のフィフィが街を歩いていて一軒の大邸宅に忍び込むところから映画は幕を開ける。コレクションの時計を物色しているところへ主人が帰ってきて、盗んだ時計を持って逃げると主人が追いかけてくる。フィフィは、サーカスのテントに逃げ込んだが、ライオンの登場ゲートに入ってしまい、そのままステージへ出ていく。そしてライオン使いの男とコミカルなやり取りをして観客に大喝采を受けてしまう。
フィフィは、ライオン使いにライオンの檻に拉致されてしまう。そのサーカスでミミという可愛らしい女性と知り合い、フィフィは仲良くなるが、ライオン使いもミミのことが好きだった。その頃、鳥人間のショーをしていた男が大怪我で抜けてしまい、座長は代わりにフィフィを鳥人間にすることにする。そして新たに開発した羽根を背中につけるが、その羽根は一度つけると取れないものだった。フィフィは飛ぶ練習をするうちに本当に飛べるようになり、空を飛んでは時計を盗んだりし、時計屋に行って、自殺寸前の男を助けて、その男の恋人との仲を取り持とうとする。
フィフィは飛び回るうちに、たまたま身につけたシーツを着ると本物の天使のように見えることから、ミミに頼んで天使の服装を作ってもらい、それで様々な人や家を回って天使まがいの事をするようになる。海に出たフィフィは漂流している男の筏に乗るが、食べ物を食べただけなので海に突き落とされ海岸に流れ着く。そこで気のいい老夫婦に助けられ、此処こそが天国だと言ってまた空に舞い上がる。
その頃、天使に時計を取られたという訴えが続き警察は天使を探していた。ミミのことが好きなライオン使いは、羽根をつければモテると思って座長に頼んでつけてもらう。一方フィフィの羽根はミミが切って自分の部屋に飾ってしまう。警察はコソ泥が天使の羽根があったということです犯人探しをしていて、ライオン使いを犯人だと思って逮捕してしまう。フィフィはミミと結婚し海辺の村に移り住み赤ん坊もできた。赤ん坊には小さな羽根が生えている姿で映画は終わる。
まさにファンタジーという一本で、アルベール・ラモリスの世界満載という夢のような映画でした。
