くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「エディントンへようこそ」「シャドウズ・エッジ」

「エディントンへようこそ」ジョー、テッド、ルイーズ、ヴァーノン、プレブル

一体なんのお話やとあれよあれよと転がされていく感じの作品で、不穏な街の空気感がどんどん歪みを増していき、後半一気に狂気的に爆発して、そのあとはやりたい放題にちょっと品のない映像が展開していく。落とし所はわからなくもないのですが、ちょっと見えないグロテスクさに気持ちの悪い思いをしてしまう映画だった。監督はアリ・アスター。流石にキモい。

 

ぶつぶつ不平不満を喋りながら歩く浮浪者ロッジが、エディントンの街を見下ろして映画は幕を開ける。管轄の境目で言い争いをする二台のパトカーに乗った保安官達のくだらない喧嘩。時は2020年コロナ禍真っ最中で、市長にテッドはロックダウンを実施しマスク着用を義務付けている。しかしマスクを嫌う保安官のジョーは、、この街にデータセンターを作り、私服をこやそうとする現市長のテックと諍いをする。その勢いでジョーは次の市長選に出馬すると豪語してしまう。

 

若者たちは反警察、反〇〇と訴えて、歪んだ自由を求めるデモを繰り返している。ジョーの妻ルイーズはジョーに体を触らせることも拒み、新興宗教の教祖ヴァーノンに信奉しているふうである。あちこちで暴動や諍いが起こり、そこに駆けつけたジョーや同僚のガイ、マイケルらと沈静化を図るも埒が空かずストレスが高まるばかり。

 

ジョーが次の市長選の出馬すると豪語したことで、SNSでも盛り上がり、フェイク動画まで入り乱れての大騒動になる。選挙運動の中でジョーは、ルイーズが未成年の頃、テックにレイプされたと公言したために愛想を尽かしたルイーズは家を出ていってしまう。テックは反論をし、ルイーズはFacebookに否定動画をアップするが、暗に母ドーンの夫、つまり父親から性的虐待を受けていたことを示唆するセリフも出てくる。

 

まるでジョーを非難するかのホームパーティで盛り上がるテックのところに、ジョーは抗議のために駆け込むが、逆に平手一を受けてしまう。自暴自棄になっていったジョーが街に戻ると、浮浪者ロッジが勝手にバーで酒を飲んでいる現場に居合わせ、キレたジョーはロッジを銃で撃ち殺し死体を川に捨てる。ジョーはロッジによって新型コロナが街に持ち込まれたと思い、検査センターで検査を受ける。

 

さらに、ジョーは、テックを先住民の地プレブロから狙撃して殺し、その息子エリックも撃ち殺す。そして、同僚に罪を着せるべく、時計を盗んだりしてしまう。翌朝、テックらの死体を捜査する保安官達、さらにプレブロの警官バタフライらもやってくる。ジョーは、テロ集団アンティファの仕業だとし、アンティファがプライベートジェットでやってくる場面もある。さらにジョーは同僚のマイケルに嫌疑をかけて罪を被せて逮捕してしまう。しかし、マイケルは何者かに解放されてしまう。

 

バタフライはジョーがテッド殺害をアンティファの仕業に見せかける為の現場のメッセージの筆跡と警察署にホワイトボードのEの筆跡が一致するのに気がつき、真実に近づく。マイケルは拘束されてジョーと部下にガイが発見知るが突然マイケルの周辺は大爆発しNO PEACEの文字が浮かび上がる。ジョーは実行犯が落としたスマホに過激派BLMの映像を発見、マイケルの爆破はアンティファの仕業であったかと考える。

 

ところが、深夜、ジョーは何者かに狙われ、銃撃を受ける。ジョーは銃器店で機関銃を手に入れて反撃。ジョーはコロナに感染しているようで時折激しく咳き込む。元々喘息持ちなのでさらに息苦しさが増す中、撃ちまくっていく。その中でバタフライも殺されてしまう。その現場にたまたま居合わせたのが社会主義活動に傾倒しているエリックの友人ブライアン。頭にナタを突き刺されたジョーの背後から現れたブライアンはスマホで動画を撮りながら敵、おそらくアンティファを撃ち殺す。そして警官を救った英雄として持ち上げられ、恋焦がれていた女性サラも手に入れ人気のインフルエンサーとなっていく。

 

一命を取り留めたジョーは市長になり、義母ドーンの傀儡となり、やがてエディントンとプレブろを跨いでデータセンターが作られることになる。ほとんど自分では何もできないまま車椅子に乗るジョーは介護を受けながらの生活になる。テレビではヴァーノンが演説する番組の傍にお腹が大きくなったルイーズが座る画面を見るジョーの姿で映画は終わる。

 

とまあ、こんな感じの物語だったと思います。様々な比喩を盛り込んでの作品なので、まだまだ裏読みするところが散見していると思います。しかし全体に漂うアリ・アスター独特の気持ち悪さと品のなさがどうも私には受け入れられない映画だった。

 

 

「シャドウズ・エッジ」

香港映画らしい見せ場のてんこ盛りで、中盤あたりまでは一級品の映画のごとく面白いのですが、後半から終盤は少々しつこくて、間延びした流れと二転三転するくどいストーリー展開がちょっと勿体無い作品でした。それにしてもレオン・カーフェイ、やたら強いし、ジャッキー・チェンまだまだしっかり動きます。監督はラリー・ヤン。

 

マカオ、AIによる追跡システムを駆使して追う警察のセンターとハッキングを繰り返してリアルタイムでカメラ映像を書き換えて追跡を交わす犯罪集団の大バトルから映画は幕を開けます。細かいカットの繰り返しと、次々と映像が変わっていき、犯人達が早変わりして姿を変えて逃亡するくだりが鮮やかすぎるほどに面白い。しかも、追い詰めたと思いきや、存在しない画像に閉じ込められた警察センターは、ハイテク機器の限界を知る。

 

そこで警察は引退したヴェテラン刑事ホワンを招集することを考える。今や犬散歩のバイトまがいで生活するホワンが、刑事として務まるか、女刑事ホーが調査しにいく。ホーはホアン刑事の現役時代殉職した相棒の娘だった。ホアンの観察眼は天才的で、ホーの尾行を見事に看破してしまい、捜査に復帰することになる。どうやら犯罪グループのリーダーは、影と呼ばれるリーダーを持つ犯罪集団と判明、リーダーの影を見つけるために、今は解散した追跡チームをホアンの指揮で再結成することになる。

 

ホアンはホーと共にワゴンでチームメンバーを指揮しながら影のアジトを突き止めていく。影が率いる犯罪集団は影を父と慕う養護施設出身者で構成されているが、ジェネレーションギャップもあり、組織内に微妙な軋轢が見え隠れしている。追跡チームはついに影の住まいを特定することに成功、さらにその際に近づいたホアンとホーは親子という設定で影と親しくなってしまう。

 

しかし、影は全ての裏を描いて自らを囮にして警察に追わせ、一方でホワン暗殺のために警察署に傭兵を送り込み大乱戦を行う。影は養護施設に行き、そこで迎え襲ってきた集団をなんと一人でナイフで殺してしまうが、駆けつけた警察に逮捕される。レオン・カーフェイ、どんだけ強いねんというシーンです。

 

影の犯罪チームは仮想通貨を冒頭の犯行で手に入れたものの、それを解除する暗号キーが必要だった。それを知るのはメンバーのうち二人だけ。影は護送される車から脱出、メンバーの一人を駅で刺殺し、その際暗号キーを聞き出す。そして逃亡。ホアンは、警察署での大乱戦を生き抜いて、ホーに影を追い詰めるよう指示します。ホーは影に近づきすぎたため影に襲われるが、駆けつけたホアンが影と一騎打ちで大バトルを展開。

 

影はホアンに重傷を負わせて逃亡するが、ホアンはホーに追跡を指示、ホーには追跡チームのメンバーが駆けつけ、ついに影を追い詰め逮捕する。しかし、影のチームにはまだ背後にいる巨大な何かがあるとホアンはホーに告げ、続きがあるかを予感させて映画は終わる。

 

とにかく、ハイスピードで展開する二時間を超える大エンターテインメントがとにかく面白い。あれだけ重傷を負ったのに次のシーンではケロッとしてまた格闘シーンを展開するという香港映画お決まりに展開も楽しいし、人間離れした強さを見せる影や、これまた人間離れした鋭さを見せるホアン、あまりに稚拙すぎるホーなどなどキャラクターも面白い。正直、辻褄が合わなくて、なんで?という流れも見え隠れするほど書ききれない程に見せ場の連続で、連続ドラマを一気に見たような気がするほどの娯楽映画だった。