くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「日本ゼロ地帯・夜を狙え」「神火101・殺しの用心棒」「俺の血は他人の血」

「日本ゼロ地帯・夜を狙え」

テンポの良いストーリー展開と、リズミカルなアクションの挿入、シンプルな物語ながら、しっかりと観客を引き込んでいく構成、まさにプログラムピクチャーの鏡のような一本だった。スターはスターらしく、お色気はほどほどに画面を賑わせる。面白かった。監督は石井輝男

 

衆木が、踊り狂っているダンサーを見ていると一人の女ルミが近づいてきて、いい娘を紹介すると言ってくるところから映画は幕を開ける。女の言う通り、衆木は一人の女性と楽しむが、女はさらに、衆木の地位で上客を紹介してくれるなら、どんな娘も段取りをすると言う。その言葉に乗った衆木が女について行くと、戦時中知り合った橘という男と再会した。

 

衆木は戦時中、吉原で働く姉千代のところにやってきた際、千代の恋人衆木と出会った。橘と千代は吉原から逃げ出すが、その際、地元の狭客箱政に助けられた。しかし、すぐに阿川組に捕まえられて引き戻される。間も無くして橘は学徒動員で戦地へ出征する。千代は千人針を作り橘に届けるが、千代は妊娠していた。阿川は、堕胎するように言うが、箱政に助けられる。

 

やがて帰ってきたら橘は、阿川のところへ行き千代の行方を探すが、千代は場末の売春婦になっていた。千代は橘と再会するが、そのショックで自殺してしまう。そんな経緯を現代の衆木と橘は話す。橘は今は阿川組の幹部になっていた。橘は、阿川への復讐の機会を練っていた。実は衆木は麻薬捜査官だった。二人は協力して阿川に立ち向かい、箱政の加勢もあって、阿川らは一網打尽にされてしまう。阿川らを狙っていた新聞記者杉本がそれらを記事にして映画は終わって行く。

 

シンプルな物語ながら、とにかく見せ場の連続、人間関係の入り乱れが実に面白い。映画全体のテンポが抜群で、一級の娯楽映画に仕上がっていました。

 

「神火101・殺しの用心棒」

たわいない映画もキレのいい演出で見せるとこれだけ面白いと証明したような映画。登場人物の多彩さ、あれよあれよと二転三転するストーリー、勧善懲悪の影にある助け舟の存在などなど、娯楽映画はこうあるべきと言う一本だった。監督は石井輝男

 

香港のホテルのとある一室、男達が何やら密談しているが、隠しマイクが仕込まれていると言う書き込みの後、沈黙。そこへホテルのボーイがウィスキーを持ってくるが、その正体がバレて銃撃戦になってしまう。録音テープを持った男は香港の街に飛び出すがそこでも撃ち合いになり全員が死んでしまう。テープはとある建物の生垣に落ちる。

 

場面が変わり、いかにもプレイボーイの青年トウ雷は車を飛ばしている。恋人の阿蘭といい雰囲気の後、阿蘭は家の前の生垣で一本の録音テープを見つける。恋人のトウ雷に知らせ、そのテープを聞くと何やら殺しの内容と偽造紙幣に関わる組織を調査している秘密警察神火グループの内容が記録されていた。阿蘭の勤めるナイトクラブで殺人事件があり、トウ雷は、あるホテルに行くと、一人の男とすれ違う。中に入ると男が殺されていた。

 

トウ雷は殺人事件の容疑者と思われ地元警察の麦警部に逮捕される。そこで、さっきすれ違った男と出会う。その男は杜という男だった。二人で香港総領事の郭氏に会う。どうやら香港で偽札事件が起こりその組織を壊滅させるのに手を貸して欲しいというものだった。しかしトウ雷はそれを断る。トウ雷は安蘭という美女にマカオに誘き出される。そこでボートで襲われ、さらに、持っていたカメラ内蔵ライターも盗まれる。

 

事件に首を突っ込んだトウ雷に偽札団高、洪、超らが襲ってくる。そこに助っ人にきたのが杜だった。彼こそ神火101の凄腕スナイパーだった。トウ雷は杜と組んで偽造団を追い詰めて行くため、彼らの荷箱に潜んで取引場所へ向かう。その手筈を整えたのは香港の闇のボスサンパンの船長だった。荷箱に忍んで偽造団の一味のところへ向かうが、黒幕は総領事の郭だった。郭は手に入れた金を船に積み込んだが、その積荷はトウ雷の恋人阿蘭がトウ雷を追って入れ替わって忍んでいた。

 

郭は仲間のセスナ機で逃亡しようとするがトウ雷らが追いすがる。その銃撃戦の中、郭の恋人安蘭が死んでしまう。金も女も全て失った郭は自ら飛行機から飛び降りて死んでしまう。こうして事件は終わり映画はエンディングとなる。

 

とにかくテンポが良い。なんのことはない話だし、登場人物も錯綜しているのだが、そんなことはそっちのけてもとにかく映像を見てるだけで楽しめる。これが娯楽映画というものだと思うそんな一本でした。

 

「俺の血は他人の血」絹川良介、沢村六助、房子、蘭子

かねてから 見たかったカルト映画をようやく見ることができた。筒井康隆原作の珍妙なアクション映画。派手なドタバタアクションと、奇妙なSF仕立ての設定、土地の利権が絡む俗っぽいストーリー、そのどれもが絡み合っての物語は、振り返るとなんだったのかという仕上がりの作品です。楽しい映画だった。監督は舛田利雄

 

ある夜の街、一人の男がタクシーから降りてとあるスナックへ入る。その男は山鹿組組長の息子だった。彼を追って沢村六助が降りる。彼は先に降りた男の動向をメモしている。そこへ、絹川良介という若者が通りかかる。タクシーから降りた男が店を出てきてタクシーを止めたが、止めたタクシーの運転手に銃で撃たれる。絹川は、撃たれた男を助けようとするが、沢村が関わるなと引き離す。

 

沢村が近くのスナックで飲んでいると絹川が入ってくる。この街に来たばかりだという絹川はカウンター嬢の房子と喋っていると三人のチンピラが入ってきて房子に相手させようとする。房子が嫌がるので、絹川が立ち上がるが、どう見てもひょろっとしていて頼りない。しかし、突然絹川の表情が変わったと思ったら、気がついたら絹川は壊れた店内に横たわっていた。どうやら絹川はチンピラを半殺しにしたらしいが覚えていない。チンピラは大橋組の男達だからと沢村は絹川を助け出し逃げる。

 

この街は山鹿という男が土地を買い占めて作った街だったが、福田常務派と足田専務派が勢力争いを繰り広げ、福田は左文字組、足田は大橋組と組んで私服をこやしていた。困った山鹿親分は役人をしていた息子を呼び戻したが、冒頭で殺されたのはその息子だった。翌日、房子が大橋組に連れ去られたので沢村と絹川が助けに行く。そこで、山鹿の息子を撃った伊藤を見かける。

 

数日後、足田が経理部長と組んで二重帳簿を作っていると知った沢村は絹川の助けで帳簿を盗み出す。沢村はこの帳簿で左文字組を脅し大橋組と天秤にかけて大儲けしようと考えた。ところがその計画の中、房子が殺されてしまう。一方絹川は、自分が突然変身するのは、生まれた病院に担ぎ込まれたマフィアのボスの血が絹川の体に流れているからだとわかる。絹川は生まれてすぐ黄疸が出て、90%の血を入れ替える必要があったが、急を要していて適合したのはマフィアのボスの血だけだった。マフィアのボスは抗争の中で重篤な状態で助からないとわかっていたのでその血を輸血したのだ。

 

自分の秘密を知った絹川は、悪党どもを全滅させてやろうと考え、金儲けに使おうと隠している沢村から帳簿を手に入れ、山鹿の親分、大橋組、左文字組を一堂に集めて、これまでのそれぞれの仕業を暴露する。左文字組と大橋組は大乱闘となり、それぞれの側の福田常務も足田専務も死んでしまう。そこへ警察が駆けつけたが、山鹿親分も血を吐いて死んでしまう。全てが終わり、絹川はこの街を離れることにするが沢村も後を追いかけていって映画は終わる。

 

トランポリンや逆回しを多用したコミカルなアクションの連続と人間離れした格闘シーンに、派手な銃撃戦が加わり、劇画チックなシーンが展開して行く。主人公の変身ぶりも面白く、沢村の悪どさもまた楽しい。娯楽が詰め込まれたカルト映画という一本だった。