くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「吸血鬼ゴケミドロ」「怪談残酷物語」

吸血鬼ゴケミドロ

人間のエゴが人類滅亡を招くというテーマを徹底的に突き詰めて、SF仕立てのホラーに仕上げた天晴れなカルトムービーだった。とにかくストーリーはぐだぐだなのだが、追い詰められた人間が善人も悪人もなくエゴイズムに取り憑かれていき身の破滅をうむ。そして、ラストは、全人類の滅亡となる。とにかく、暗い話だが面白い作品だった。監督は佐藤肇

 

毒々しいほど真っ赤な雲に染まる空を一機の旅客機が飛んでいる場面から映画は幕を開ける。旅客機にはなぜか鳥がぶつかってきて不気味な様相。政治家真野やその秘書徳安、徳安に妻で真野の愛人法子、謎の外人の女ニール、宇宙生物学者佐賀、精神科医百武、副操縦士杉坂、スチュワーデスかずみらが乗っていた。そんな時、この飛行機に時限爆弾が仕掛けられたという連絡が入り、杉坂達が乗客のカバンを調べ始めるが、かずみが、休憩室に謎のトランクを発見する。そしてそのカバンを調べていて中からライフル銃を発見、直後、寺岡という乗客が押し込んでくる。彼は外国大使を暗殺した犯人だった。

 

ところが、飛行機に謎の光る物体と接触した直後異常をきたして不時着してしまう。生き残った乗客達と今後を考える杉坂達だが、場所も不明、やがて夜が来る。気を失っていた寺岡が気がついて、ライフルを持ってかずみを人質に機外へ逃亡する。そして真っ赤に光る空飛ぶ円盤の着陸現場に出くわす。寺岡は円盤に引き込まれると額が破れて、中にアメーバ状の何者かが入り込んでしまう。

 

かずみはなんとか逃げ帰るが、恐怖で何が起こったか喋れなかった。そこで精神科医百武が催眠術でかずみの見たものを聞き出すが、誰も信用しなかった。乗客達に責められる百武だが、自殺志願で嘘の時限爆弾連絡をしていた松宮と揉み合って崖下に落ちてしまう。そこには寺岡がいて百武の血を吸って殺してしまった。佐賀は、かずみが見たという寺岡が血を吸う姿を見たいと言い、その犠牲者に隔離していた松宮を差し出すことを提案、徳安も賛同し、松宮を機外へ出す。そこへ寺岡が現れる。寺岡に憑依した生き物は地球外生物ゴケミドロで地球の人類を全滅させてここに移住する計画だった。

 

杉坂達は操縦室に追いやられる。松宮は手に持っていた時限爆弾を爆破するが、寺岡に襲われる。時限爆弾で機体に穴が開くが、真野はそれを塞ぎ、杉坂とかずみを外に追い出して寺岡の餌食にさせようとする。杉坂とかずみに寺岡が襲いかかるが、外にあったガソリンを寺岡にかけて火を放つと、寺岡は焼けて中からアメーバの生き物が出てきて機内に入る。

 

機内に入った生き物は佐賀に入り込み、真野とニールは機外へ逃げるが、ニールを犠牲にして真野は生き残り機内に戻ってくる。佐賀は真野を襲い血を吸って殺してしまう。法子もゴケミドロに殺されてしまう。夜が明けて、杉坂とかずみは機外へ逃げ、途中高速の入り口にやってくるが車の中の人々は皆血を吸われて死んでいた。近くの建物にやってきた二人だが、建物の中の人々はすべてゴケミドロに殺されていた。

 

世界中に核爆弾のキノコ雲が上がり、絶望した杉坂とかずみをカメラはゆっくりと宙に上がって俯瞰で捉えていき、青い地球は赤く染まっていく。彼方から何十というゴケミドロの宇宙船が地球に襲来してきて映画は終わる。

 

人間のエゴが生んだ人類の破滅を辛辣な視点と、SFタッチのホラー作品に仕上げた一本で、当時の世界情勢を危惧する人々の姿を映像に仕上げたカルトムービーという映画だった。

 

 

「怪談残酷物語」

「怪談累ヶ淵」を題材にした怪談映画。親の因果が子に伝わり、末代まで呪われてやがて破滅してしまう様をひたすら描いていく作品。基本的な流れは原案通りなので単純に楽しむ娯楽映画の仕上がりでした。監督は長谷和夫。

 

あんまの宗順が、半裸の女性に鍼を打ち、濃厚なエロシーンからタイトル、傍にいる女の亭主新左衛門の姿になって映画は幕を開ける。借金の催促をする宗順に、新左衛門は利息代わりに妻を抱くように言い、宗順がそれを受け入れた途端、新左衛門は宗順を斬り捨てる。そこへ戻ってきた長男の新一郎と宗順の遺体を川に捨てにいく。新左衛門は、屋敷内に囲っている新左衛門の情婦おくまと体を合わせるがおくまのお腹には新左衛門の子種が宿っていた。

 

元々男好きのおくまは新一郎も引き込んでしまう。新一郎はこれを悔やんで家を出てしまう。新左衛門は妻とよにあんまを頼むがそのあんまが宗順に見えたので斬り殺し、その際、とよも殺してしまい自らも折れた刀が刺さって死んでしまう。傍に次男の新三がいた。そして五年が経つ。父の血を受け継いだ新一郎は悪行を繰り返していたが墓地で金を持ってそうな質屋の下総屋と出会い居候になる。下総屋の幼い娘と夫婦の約束をするが、使用人のはなと親しくなり体を合わせる。はなは宗順の次女だった。しかし、新一郎がはなを抱いた後、はなは急死、新一郎は下総屋の金を奪い逃走してしまう。

 

新一郎は、かつて通った道場を訪ね、そこで、養子になっていた娘と情交するするようになり、道場の主人を殺してしまう。しかし、捕まってしまう。そして十年の月日が経つ。新三はお久と恋仲だった。新三は浄瑠璃師豊須賀のところに仕事で出かけていたが、豊須賀の色香に取り込まれてしまう。それに嫉妬したお久が豊須賀に襲いかかりその際髪の毛を引きちぎり豊須賀は無惨な顔になってしまう。

 

豊須賀は新三を囲おうとするが新三は豊須賀を誤って殺してしまう。豊須賀は宗順の長女だった。豊須賀の金を奪った新三はお久と江戸を出ようとするが、その途中、二度目に捕まった新一郎が引っ立てられている現場に出くわす。新一郎はこれから処刑されようとしていた。新三とお久が累ヶ淵に差し掛かった際、お久が急に腹痛を訴えうずくまる。ところがお久の姿が豊須賀に変わり、新三は、落ちていた鎌でついお久を殺すが、おくまが現れ、お久は自分と新左衛門の子で新三の腹違いの妹だと告げる。新三はおくまを殺して、自らも自刃してしまう。晒し首にされた新一郎のカットで映画は幕を閉じる。

 

少々キレの悪い演出だが、原案が有名な怪談なのでそれなりに楽しめる娯楽映画に仕上がっていました。