くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「ガーゴイル」(4K)「HELP 復讐島」

ガーゴイル

スローテンポで淡々と進むストーリー、結末の見えない展開で、何度か意識が飛んでしまった。映像は美しいのですが、切り取られたシーンの数々が、少ないセリフの中で物語にまとまっていくという散文詩の如き映画でした。監督はクレール・ドゥニ

 

一人の女性コレが道に佇んでいると真っ赤なトレーラーが近づいてきて運転手が降りる。場面が変わるとバイクに乗った黒人の男レオが近づいてきて草むらに入っていくとさっきの女性がうずくまっていて、傍に死体がある。場面が変わると飛行機の機内、シェーンと妻のジューンが乗っていてパリに向かっている。二人はいかにも愛し合っている風だが、シェーンは、化粧室に閉じこもって着陸まで出てこない。

 

ホテルについた二人は、部屋で抱き合う。この部屋担当のメイドがベッドメイキングしているが、この夫婦を憎むような視線で見つめている。彼女は、ホテルの備品をポケットに入れて恋人と待ち合わせてどこかへいくなどかなり素行が悪い。レオはコレを自宅に監禁し、仕事に出かける。彼は医師らしく診察を終えてある研究所へ行く。レオの留守に二人組のコソ泥がレオの家に入り込んでくる。室内には冷凍保存した脳や、何かわからない研究器具がある。

 

シェーンは、研究所へ行き、レオの住まいを聞くが教えてもらえない。しかし、研究所の職員が内緒でレオの居場所を教える。その頃、レオの家に入った二人組の年上の方が、監禁されたコレを見つけ、衝動に駆られて、彼女と抱き合うが、感情が昂ってくるとコレはその青年を噛み殺してしまう。そこへ、シェーンがやってくる。血だらけのコレを見つけ、抱きしめた後、炎に包まれるままに残してその場を去る。直後、焼け死んだコレをレオが見つける。

 

部屋からいなくなったシェーンを探してジューンが街に行き、シェーンの実家だろうか、そこを訪ねてシェーンの残した品物を見つける。そこにレオの写真もあった。二人は同じ研究所にいたようである。ホテルでは、シェーンの部屋の担当のメイドが部屋のベッドでタバコを吸ってサボり、ロッカーへ向かう。それを盗み見ていたシェーンが部屋に入り、ベッドの乱れを見た後ロッカーへ行きメイドを抱く。感情が高揚した途端、シェーンはメイドを噛み殺してしまう。部屋に戻りシャワーを浴びているところへジューンが帰ってくる。シェーンはジューンに、帰ろうと言って映画は終わる。

 

解説によれば、とある研究の副作用で異常な性衝動を抑えられなくなった人の物語らしいが、セリフがほとんどなく、しかも人物中心にカメラが追っていくので、全体の物語が見えづらい。色彩にこだわった絵作りは美しいが、どうにもしんどい映画だった。

 

 

「HELP 復讐島」

B級サバイバルホラーで、とにかく爽快に面白い。張り巡らされた伏線が一気に回収していくクライマックスが爽快だし、ヒロインらしくラストを飾る様はエンタメの王道、拍手してしまった。監督がサム・ライミなので少々グロテスクで目を背けたくなるところもあるものの、ホラー映画を見るようなショットや映像、さらにスピーディなカット編集に踊らされてしまいます。楽しかった。

 

とある会社、入社7年目のベテランで、先代の社長から間も無く副社長に昇進すると約束されているリンダがバリバリ仕事をしている場面から映画は始まる。上司から頼まれていた書類を手際よく渡すが、上司は自分がまとめたかのように会議で披露しているのを見かける。そんな彼女の前に、亡き社長の二代目ブラッドリーがやってくる。リンダは早速自己アピールして近づくが、ブラッドリーは、先代が約束していたリンダへの副社長の昇進を反故にし、左遷させる準備のためバンコクへの随行を指示する。リンダはサバイバー番組が大好きで、一人自宅で見るのが楽しみだった。

 

リンダや上司、ブラッドリーらの乗ったプライベートジェットはバンコクを目指すが、機内では、リンダがサバイバル番組ではしゃぐ姿をアップした動画で盛り上がっていた。そんな時、突然ジェット機が故障し、窓ガラスは割れて、上司達は外へ放り出されてしまう。リンダとブラッドリーは安全ベルトのおかげでなんとか助かるもジェット機海上に墜落する。

 

リンダが気がつくと無人島らしき島の浜辺に打ち上げられていた。しかも、近くにブラッドリーも倒れていた。リンダは、テレビで学んだサバイバル術を駆使して小屋を作り、水を確保し、ブラッドリーを助ける。一日半の後ブラッドリーは目を覚ますが、足を怪我していた。さらに彼は社長と部下としての態度を改めなかった。リンダは、食料や水を与えず、まずブラッドリーに立場をわからせようとする。

 

間も無くしてブラッドリーもリンダに従うようになるが、実は虎視眈々と巻き返しを計画していた。リンダはブラッドリーを連れ出して、崖の途中に咲く毒草を教えたり、クロスした岩の麓にあるかぶれる木を教えたりするが、帰り道、リンダは崖の途中が崩れて落ち掛ける。しかしブラッドリーに助けられる。ある日、リンダは、反対側の入江で観光船のような船を見かけるが、まだブラッドリーの態度がはっきりしないので助けを求めなかった。リンダは浜辺で一本のナイフを拾ったと言い役立て始める。

 

二人の生活も和気あいあいとするようになり、ある夜、ブラッドリーは食事を作ると言い出す。すっかり油断したリンダはブラッドリーの食事を食べるが、なんと毒草が混ぜてあり、リンダは嘔吐して倒れてしまう。その隙にブラッドリーはあらかじめ作っていた筏で逃げ出そうとするが途中で筏は壊れて嘔吐し続けているリンダに助けられる。すっかり落ち込んだブラッドリーにリンダは栄養をつけるためと海鮮を焼いたものを与える。ブラッドリーがそれを食べると、神経が麻痺してしまう。リンダは、動けなくなったブラッドリーのズボンを脱がせ、あの部分をナイフで斬るかのような仕草をするが、ただの脅しだった。

 

やがてブラッドリーはすっかり従順になる。時が経ち、捜索隊も来そうになかった。リンダは、裏手の浜辺に行くと、そこへ、小船に乗ってブラッドリーの許嫁がやってきた。地元の漁師に助けられて独自に捜索していたのだという。リンダは、二人をブラッドリーに会わせないようにする画策をはじめ、崖の道を案内して、自分が足を踏み外した所をわざと通らせて二人を突き落としてしまう。

 

ところが、ブラッドリーが浜辺で、砂に埋もれた許嫁の手を見つける。その手には巨大なダイヤがはまっていたことから、リンダが殺したのではないかと疑い始める。さらに、クロスした岩の麓に巨大な大邸宅を発見する。この島は無人ではなかった。ブラッドリーがその邸宅に侵入すると、リンダの声が聞こえてきた。リンダは、かつて観光船らしきものを見つけた際に後をつけてこの邸宅を発見、中にあったナイフを一本持ち帰ったのだという。

 

リンダは、猟銃を持ってブラッドリーに迫るが、ブラッドリーは猟銃を奪いリンダを撃つ。ところが弾は入っていなかった。リンダはブラッドリーを返り討ちにして殺してしまう。そして一年が経つ。リンダは一年前に単身筏で脱出し、一躍有名人になってこの日ゴルフをしていた。近々自己啓発本も出すとインタビュアーに答え、颯爽とスポーツカーに乗って走り去って映画は終わる。

 

とにかくテンポがいいし、あれよあれよと裏切り合い、騙し合いが楽しい。しかも、助かるなどという甘ったるい展開は全く予想もできなく次々とストーリーが前に進む様が心地よく、ラストはかなり都合良すぎる気がするものの、あっさりとエンディンへ伏線を回収する鮮やかさは見事。嘔吐シーンや、許嫁や漁師がゾンビの如く現れたり、血みどろの格闘戦は少々グロテスクだが、それもご愛嬌で映画全体がエンタメの塊になっていました。楽しかった。