くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「夜鶯 ある洋館での殺人事件」「ブルームーン」

「夜鶯 ある洋館での殺人事件」

二転三転四転するストーリーに翻弄されるけれど、コミカルな演出をふんだんに使った軽快な物語がとにかく面白かった。やり過ぎ感がないわけではないが、脚本が整理されているので、混乱せずついていけるのもいい。香港エンタメ映画をふんだんに楽しめた一本でした。監督はリウ・シュンズーモー。

 

一本の古い映画がエンディングを迎えた場面、それをみていた脚本家のリーが席を立つ場面から映画は幕を開ける。1940年代上海、経済界を牛耳っていた大物三老が、惨殺される事件が起こる。リーは、富豪ルーの洋館に招待される。玄関先でかつての大俳優グワンと出会い中に入ると、アクション俳優チェン、元大女優スー、犬猿の仲のジョン監督、などなどがいた。そこへ、この家の主人ルーが降りて来る。ルーは三老の事件を映画化するつもりだと豪語する。

 

リーがたまたまテーブルの下を覗くと、一人の男が足枷をはめられて座っているのを見つける。この映画の考証顧問で参加している謎の男だった。実はこの男チーこそが三老事件の犯人で、横に座るのは事務職から警官になった若造のハイ警察官だった。ルーは、実際の犯人を招いて映画を作ろうとしていた。招かれたメンバーがルーが席を外した際に二階に上がると、そこは血だらけの惨状だった。実は三老事件はこの邸宅で行われたのだ。

 

ルーは、実際に殺人事件が起こった場所で、実際の犯人を招いて映画を作ろうとしていた。リーは、チーが、実は元軍人ではないかと推理する。そうなると、この映画を作ることがリスクが大きすぎた。しかしリーはこの事件の謎を解いていく。三老事件は密室だったが、犯人は殺害後、部屋で警察を待っていたが、ダクトを通って逃げられたのに、なぜ戻ってきたのか、アクション俳優が、ダクトの中で、ウィグを発見、犯人の目的はこれだと判断する。

 

同じ頃、フランス人医師がバラバラ殺人事件を起こす事件が起こっていた。そしてその医師の車のトランクに実際バラバラ死体があったことが判明、リーの推理で、チーがその死体を車のトランクに運んだであろうと推測する。二階でリー達が推理している間に、チーは手錠を外し、突入して来る。そしてスーをクルル刀で脅して人質にとるが、ハイが銃を向けたので、スーと銃が引き換えられてスーは助けられる。チーは引き換えに手に入れた銃で自殺を図るがそれは弾が入っていなかった。

 

チーそこで真相を語り始める。チーは戦場で親友の死に直面、その親友から娘の世話を託された。チーはその娘を可愛がっていたが娘は歌に興味を持ち、やがて人気の歌姫イエレンとなる。上海の実力者三老は、上海一の歌姫を投票で決めるイベントを企画、優勝者を弄ぼうと考えていた。そしてイエレンが歌姫に選ばれた。チーが優勝したイエレンを迎えにきたが、彼女が出てこないので邸宅の中に入ると、イエレンは三老に弄ばれていた。怒ったチーは三老を殺害し、傷だらけのイエレンの体をバラバラにしてフランス人医師エッシャーの車のトランクに入れて、何をされたかわからないようにして誇りを守り、自分は殺害現場に戻って、逮捕を待った。

 

全てが明らかになったところへ、警察隊が踏み込んでくる。そしてチーを連れ出したハイを逮捕し、チーも拘束しようとする。さらに、三老がこれまで行っていた非道行為を隠蔽するために、室内の装置などを全て破壊してしまう。そして、全て灰にするとガソリンを撒く。隊長はハイを撃って殺してしまうが、ハイが持っていたクルル刀に気がついたチーが隊長を脅してリー達を逃し、自らは警官隊が撒いたガソリンに火をつける。

 

逃げたルー、リー達は、三老の悪行が隠蔽されないように事実を暴露する映画を作ろうと相談するが、誰もが及び腰だった。しかし、後日、ベトナムでリーらが作った映画が上映される。上映後、リーは客席に一人の女性を見つける。それはイエレンに見えた。後を追ったリーだが、列車に乗ろうとするイエレンに声をかけることはなかった。真実は、チーは南で暮らすようにイエレンを救出して自ら逮捕されたのだった。しかしリーは誰にもその真相は話さず映画は幕を閉じる。

 

物語に隙がなく、どんどんラストへ向かっていくようで、行き当たりばったりのエピソードの羅列も見え隠れするが、それが香港映画の面白さで、それをちゃんと踏襲していくエンタメ感がとにかく楽しい映画だった。

 

「ブルームーン」

全編、主人公ロレンツ・ハートが相手を変えて延々と喋りまくる作品で、随所に映画の名作のセリフが飛び交い、何気なく漂うノスタルジーの中に、おしゃれな空気感が流れて、甘酸っぱい青春の思い出なんかも盛り込んだ脚本がとっても洒落た映画だった。監督はリチャード・リンクレイター。

 

1943年、路地裏を歩く一人の酔っぱらいが、雨の中倒れ、ロレンツ・ハートが病院で亡くなったというニュースの声から映画は幕を開ける。場面が変わると、その七ヶ月前、リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン二世が描いたミュージカル「オクラホマ!」の舞台を見るハートの姿へ移る。ロレンツ・ハートは、かつてリチャード・ロジャースと組んで大ヒット曲を生み出してきた作詞家だったが、リチャード・ロジャースはオスカー・ハマースタイン二世と組むようになり、この日二人の「オクラホマ!」が上演されたがハートは気に入らなかった。

 

ハートは一人行きつけのバーに行き、旧知のバーテンダーエディとさりげない会話を交わし始める。後ほど、このバーの一室でリチャード・ロジャース達のパーティも予定されていて、彼宛の花も届けられて来る。ハートには、密かに恋心を持っている若い学生のエリザベスがいた。バーの傍では兵士モーティがピアノを弾いていてハートと会話を楽しみながらリクエストに応えている。

 

ハートは近くで一人飲んでいる作家の男性と談笑し、止められている酒をエディに催促して飲んだりする。そこへエリザベスがやってきて、自分の届いた花、多分ハートが送ったものらしい花を受け取って、ハートと親しく話して店を出る。間も無くして、リチャード・ロジャース、オスカー・ハマースタイン二世らの一群が、舞台の成功を祝して集まって来る。ハートは、リチャードに、新しい作品を売り込もうとするがリチャードは、約束を守らず、酒ばかり飲むハートは遠ざけようとする。それでも執拗に食い下がって自身の思いの丈を機関銃のように話すハートだった。

 

やがて、夜も更けて、ハートは、自身の思いの丈をエリザベスに告白しようとクローゼットルームに誘って告白するが、エリザベスの答えは、愛しているけれど、種類が違うとフラれてしまう。それでも、ハートは満足だった。そして、エリザベスをリチャードに紹介、エリザベスは、この後のリチャードの家でのパーティに呼ばれていく。ハートもこの後自分の家でパーティがあるからとリチャードの誘いを断るが、そういうものは無い。エディは黙って、ハートの前にグラスを置き、モーティは、送り出す曲「ブルームーン」を弾く。こうしてカメラはゆっくり弾いて映画は終わる。

 

100分間、ひたすら喋り続けるロレンツ・ハートの映画ではあるけれど、散りばめられる懐かしいアメリカ映画黄金期の名前や楽曲、映画のセリフ、脇役などなどに引き込まれていく。映画好きにはとっても素敵な一本だった。

 

ブルームーン(ORIGINAL MOTION-PICTURE SOUND-TRACK BLUE MOON)(紙ジャケット仕様)(PAPER SLEEVE)

ブルームーン(ORIGINAL MOTION-PICTURE SOUND-TRACK BLUE MOON)(紙ジャケット仕様)(PAPER SLEEVE)

  • アーティスト:メビウス(MOEBIUS)
  • CAPTAIN TRIP RECORDS キャプテン・トリップ・レコーズ
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