くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「#拡散」「ウィキッド 永遠の約束」

「#拡散」

沢尻エリカが久々に映画に出るというので見に行っただけの作品ですが、脚本がいいのだろう、思いの外中身が詰まった面白い展開の映画だった。ありきたりの導入部から、あれよあれよと思っているうちに、平凡な展開がどんどんあらぬ方向に進んで行って、一歩踏み込んだ厚みのある内容がおもてに出て来るという作劇がうまい。決して傑作とは言わないけれど、ちょっと楽しめる一本でした。監督は白金

 

彼方に美しい山々が広がる山間の街、一人の男が首から遺影を下げて歩いている場面から映画は幕を開ける。カットが変わると、妙な仮面をつけた夫の浅岡に妻の明希が絡んでくる。仮面をつけてネット配信して話題をさらって稼ごうといういかにも安っぽい女の姿である。場面が変わると、二人は高野クリニックにきている。明希がコロナワクチンの注射を打ってもらおうとしている。安全を確認し、決断して打ってもらうが、どう見ても注射位置がおかしい。

 

翌日、帰宅した浅岡は、明希が倒れているのを発見、脈を取ると亡くなっていた。浅岡は高野クリニックの院長を罵倒し、首に妻の遺影をぶら下げて医院の前に立つようになる。東京からこの地の地方紙に赴任してきた福島が、浅岡の姿を目撃して、その事情を取材して記事にする。その記事はネットで広まり、浅岡はみるみる有名になって行く。それに伴って、気を良くした浅岡はさらに行動を広げて行くが、そんな浅岡に福島は警告する。

 

間も無くして、ユーチューバーが近づいてきて、浅岡を焚きつけてどんどん拡散して行く。深夜、浅岡の家に一人の男が尋ねてきて、浅岡を尊敬すると言い出し、翌日製薬会社の会長を殺害するという事件を起こしたとネットで動画が拡散されて、浅岡も警察に事情聴取されてしまう。さらに彼らの行動は、ワクチン糾弾、高野院長糾弾だけでなくお祭り騒ぎで、地元の公民館で酒を飲んだり、医院の前で立ち小便したりする。浅岡も、勤務先の介護施設でも仕事よりもネット配信に夢中になるようになって行く。

 

いつものように、ネット配信した浅岡達が公民館で宴会をしていると、高野院長がやって来る。そして、自分が明希に打ったのはワクチンではなく生理食塩水だと告白する。そして、ユーチューバーや浅岡を自宅に呼んだ高野は、これまで何千人にも生理食塩水を打ってきたこと、製薬会社会長殺害動画もフェイクであることを話す。唖然とするユーチューバー達、浅岡の姿をカメラでライブ配信していた。さらに、高野は明希の元カレであることも告白、浅岡がガソリンスタンドでバイトしていた時に一人のセレブな男(実は若き日の高野)に上から目線で罵倒された際、車に乗っていたのが明希だったことを話す。

 

当然、浅岡の立場は急転直下して、パッシングを受けるようになる。世間から責められるようになる中、高野は逮捕される。そんな浅岡のところに福島がやって来る。コロナ騒ぎの中で亡くなった被害者らと対談してみないかというのだ。そして人工透析を受け、ワクチンだと思って高野クリニックに通っていた夫をコロナで亡くした未亡人と対談する。彼女がいうには、真実は決してわからない物だということだった。実は、浅岡が自宅に戻った時明希はまだ苦しんでいたのだ。しかし浅岡は全く動けず、結局明希はなくなったことで、実は妻の死を望んでいたのではないかと浅岡は悔いる。

 

福島は、その後のこの地のユーチューバーの行動などを追っていたが、東京へ帰る決心をする。こんなに美しい景色の中でも、結局人は目の前の何かを追い求めているだけで、都会と変わらないと考えた。ソロキャンプをしている浅岡は、夜中、背後の林で物音がするので入って行くと、狐の仮面を被った花嫁行列を目撃、花嫁が仮面をとると、それは明希だった。こうして映画は幕を閉じる。

 

ネット拡散のありきたりの展開から始まるドラマが、次第にその背後にある人間の本質的性格を追及して、ラストはどこかシュールにエンディングを迎える。音の使い方、計画的なカメラアングルの面白さ、などなど、一筋縄ではいかない一本だった気がします。

 

小説 #拡散

小説 #拡散

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「ウィキッド 永遠の約束」

面白かったです。二時間越えがあっという間に終わりました。オズの国の大河ドラマという出で立ちの壮大なドラマ展開がとにかく楽しい。派手な魔法合戦なども当然出てこないし、出会いから生まれる変化という物語の骨格もじわじわと伝わってきて、ラストは胸が熱くなる。人種問題や移民問題、動物虐待などなどのメッセージも盛り込まれているのだろうけれど、それは今時のミュージカルやむなしと考えてあまり深読みしなければ単純に二人の魔女の友情の物語として感動できる一本でした。こういう大作然とした映画がアカデミー賞に選ばれてこそ夢の世界なのだけれど、などと考えてしまいました。監督はジョン•M•チュウ。

 

エメラルドの国へ続く黄色いレンガの道を建設している現場、動物達がこき使われているところへエルファバが現れて動物達を救い出す所から映画は幕を開ける。その頃、エメラルドの都では、グリンダがモリブルに、シャボン玉のような乗り物を与えられる。オズの国のエリファバ討伐の指揮官となったフィエロは、グリンダとともに群集の前に出て歓迎されていた。二人はエルファバの行方が心配だったものの、グリンダはいまのもてはやされる生活を捨てきれなくなっていた。そして強引にフィエロと結婚することになる。

 

その頃、エルファバは、動物達がオズの国を出て行こうとするのを必死で止めていた。動物達の中には、前作でエルファバやフィエロに檻から救出されたライオンもいたが、オズの国にいてもいいことはないと臆病ライオンとなり、皆穴を掘って逃げ出して行く。フィエロとグリンダの結婚を知ったエルファバは、結婚式の場でオズの魔法使いが偽物だということを暴いて、オズの国の平和を取り戻すべくエメラルドの都へ向かう。

 

折しもフィエロとグリンダの結婚式が壮大に執り行われようとしていた。オズの魔法使いの前に現れたエルファバは、和解の条件に動物達の解放を要求、オズの魔法使いは羽の生えた猿達を解放してやるが、猿のチステリーはオズの屋敷の地下に囚われている沢山の動物達のことをエルファバに知らせる。エルファバは地下へ行き、檻に囚われた動物達を発見し、魔法で檻を破壊して助け出す。檻から出た動物達は結婚式の会場へなだれ込んで、結婚式は台無しになってしまう。さらにフィエロは、エルファバの事を最初から愛していたとグリンダを捨ててエルファバと去ってしまう。

 

エルファバに、檻に落ち込められたオズの魔法使いは、モリブルに助けられる。そしてエルファバの行方を追おうとする。いまはマンチキン国の総督になったネッサローズは、権力を駆使するだけの人間になり、幼い頃から親しくし、愛していたボックが、出て行くのを強引に呼び戻す。ネッサローズのところにやってきたエルファバは、気持ちが高ぶった拍子に、ネッサローズの靴に魔法をかけて宙に浮かび上がらせてしまう。ネッサローズは、ボックを引き止めるべく、未熟な知識で魔法書を開き魔法をかけたために、ボックの心臓が消えて行く。慌てたエルファバが、魔法で治そうとするが、結局ブリキ人間になってしまい、ボックはネッサローズの屋敷を飛び出して行く。

 

エルファバとフィエロは、エルファバの隠れ家に行き体を合わせる。そしてフィエロの、いまは使っていない城に隠れるように言う。モリブルはエルファバを見つけるべく、ネッサローズを囮にしておびき出そうとし、竜巻きを起こす。その竜巻きがカンザスのドロシーの家を巻き上げてオズの国、ネッサローズの真上に落ちる。ネッサローズは死んでしまうが、グリンダはドロシーにネッサローズの靴を与え、オズの魔法使いに会うようにと言って送り出す。ネッサローズが殺されたとグリンダを非難するエルファバ、二人は取っ組み合いの喧嘩をするが、そこへ衛兵達が駆けつける。あわやエルファバが捕まろうとした時フィエロが現れ、グリンダに銃を向けてエルファバを逃すが、自分は逮捕されて行く。フィエロが捕まり、拷問されるのを知ったエルファバは、苦しまないようになる魔法をかけ、その結果、フィエロは案山子人間になる。エリファバは、とらえエメラルドの都では、魔女狩りの機運が高まり、大勢の群衆がエルファバ討伐へと動き始めた。

 

オズの魔法使いは、ドロシー達に、悪い魔女を倒して杖を持って来るように要求する。魔女狩りの様相に危機感を持ったグリンダはエルファバの城にやってきたが、エルファバは、自分が持っていた魔法書グリムリーをグリンダに託し、勉強するようにという。そして世の中には悪者が必要だと言ってグリンダに隠れるように言い、自らはドロシーに水をかけられて消えることを選ぶ。グリンダは、ドロシーがエルファバの前に対峙し、水をかけて倒すのを物陰から見ていた。この場面はシルエットで描かれる。

 

消えたエルファバの跡を見ていたグリンダに、エルファバの形見だからと緑の瓶がチステリによって渡された。グリンダはそれを持ってオズの魔法使いに会いに行き、オズの魔法使いがエルファバの母と親しくしていた頃に持っていた液体の入った瓶だと説明、エルファバはオズの魔法使いの娘であると真相を告げる。二つの世界の子供なのでエルファバは魔法が使えたのだ。そして、オズの国を混乱させたオズの魔法使いに、出て行くように忠告する。

 

オズの魔法使いは、長い休暇をとると言って気球で飛び去り、オズの魔法使いを操ったモリブルは幽閉され、グリンダは実質オズの国を治める事になり、ティアラを被って群衆の前に現れる。悪い魔女も去り、歓喜の群衆達の前に出たグリンダは、悪い魔女と友達だったのかと聞かれて、そうだとはっきり答える。前作の冒頭の場面である。続いて、逃げ出していた動物たちも戻り、また言葉を喋り始める。

 

カカシになって難を逃れたフィエロは、エルファバが倒された城にやって来る。そして地下への扉を開くと、隠れていたエリファバが表れ、二人は彼方へ歩き去り映画は終わる。

 

え〜!そうなんやというくらい劇的なクライマックスですが、豪華絢爛たる映像の美しさと圧倒的な歌唱力で披露される歌声、そして群舞がとにかく楽しい。ハリウッド映画はこうでなくちゃと思わせるほど魅力的な映画だった。