「96分」カンレン、
構想から完成まで九年かけたという割りには間延びしたダラダラした映画だった。もっとサスペンスフルに緊張感が盛り上がって来るのかと思ったが、犯人が早々に現れてネタバレした後は、ひたすら時間まで引っ張る演出にさすがに飽きて来た。しかも、ないないと突っ込むほどに荒っぽい展開と、結局爆弾の仕組みは何なのか、その辺は締めるべきは締めて欲しかった。「新幹線大爆破」がいかに傑作かを改めて感じました。監督はホン・ズーシュアン。
トンネル事故で、トンネル内の列車とトンネルを出たところの乗客とどちらを救うかという選択をしている救急隊長リ・ジエの姿から、映画館に爆弾が仕掛けられたということで処理にやって来た部下のカンレンの場面になって映画は幕を開ける。爆弾を発見し処理を進め、最後のワイヤーを切ったらその爆弾は止まったが、直後画面が変わり、近くのデパートで爆弾が爆発して大惨事となる。二重に爆弾は仕掛けられていた。デパートのそばにいた許嫁のところに駆け寄るカンレンは、彼女の無事を確認、そして三年が経つ。
この日、三年前の大惨事の犠牲者が追悼式に出るために高尾までの新幹線に乗っていた。その列車に、カンレン、関連の母、妻ホアン・シンも乗っていた。しかし、関連の電話にリから連絡が入る。列車に爆弾が仕掛けられているという。早速二人は警官でもある妻ホアンと捜査を開始するが、リとカンレンの会話をトイレで一人の男が聞いていた。彼はデジタルスタンプなどを開発する仕事をしていて、物理に極端に詳しかった。離婚予定の妻とやりとりをしていたが。妻も高尾へ向かう別の列車に乗っているらしかった。
スーツケースの中の爆弾を見つけたが、一方で、別の列車に犯人が乗っていることがわかり、二台の列車に爆弾が仕掛けられていて、列車がスピードを落とすとタイマーが加速することから、デジタルスタンプを持つ男(以下スタンプ男とする)は速度を落とすと爆発することを突き止める。そこで、カンレンは、もう一台の列車を減速させて乗客を飛び降りさせ、加速して並行に走らせてそちらに移って爆弾を処理すれば二台とも助かると考える。って、だったらどっちの列車も30キロに落として飛び降りたらええやんという感じです。
飛び乗った物の、その列車には犯人が起爆装置を持って待っていた。三年前の事件で犠牲になった被害者の遺族だった。彼はスタンプ男の妻の弟だった。カンレンが爆弾処理を進めようとすると、その弟に電話が入り、カンレンを阻止しろという。そこで弟はカンレンに襲いかかり重傷を追わせたが、空いたドアから飛び出して落ちてしまう。その直前、起爆装置をカンレンに残すが、それはフェイクだった。
爆弾を阻止すればもう一台が爆発すると知ったカンレンは一か八か、フェイクリードを切って爆弾を最後尾に運び、乗客は先頭車両に移す。そしてリ・ジエがもう一台の列車の爆弾を阻止すればいいという計画だったが、真犯人はリ・ジエの列車にいた。真犯人はリ・ジエに襲いかかり殺してしまう。真犯人の妻は、トンネル事故の時の犠牲者だった。だったらなんでこの追悼列車に乗れるのという感じです。
ホアンは、仕方なくカンレンの指示通り爆弾のワイヤーを切るが、カンレンの爆弾が爆発、カンレンは死んでしまうが、乗客は助かる。真犯人は、リ・ジエを殺す際にリにデジタルスタンプを押されているのに気づいたスタンプ男は、車内の電気を消して、紫外線灯で、真犯人を見つけ出す。全てが終わり、ホアンは、任務満了と亡きカンレンにメールをして映画は終わる。ところが、エンドクレジットの後真犯人が爆弾を作っていた部屋が映されて本当のエンディング。なんだこりゃである。
なんとも詰めの甘い物語で、エンタメなので、少々のリアリティのなさは勢いで突っ走ればいいとは思うが、ここまで適当だと、呆れる以上に、ばかにされている気がしてしまう。なんとも言えない一本でした。