「妖艶毒婦伝 般若のお百」
エロスと残虐シーンを取り混ぜた典型的なB級時代劇という一本。いかにも二枚目の新九郎は早々に斬首されて、物語は一気に妖婦お百のドラマに集約、さらにあれよあれよと進む復讐劇で、都合よく、なんのストレスもなくラストまで走る様は、まさに娯楽映画。気楽にみられる作品の典型的な映画だった。監督は石川義寛。
涙を流す女のクローズアップから映画は幕を開ける。カットが変わるとその女は橋の欄干で幼い子供と身投げしようとしている。そして川へ。ところが女は娘を道連れにできず、娘は背中に傷を負ったが助かる。そして時は流れ、娘はお百という名で、客の接待をしていたが、客が無体なことをしようとするので、罵倒して反撃したところへ渡次が現れ金をせしめる。つまり美人局である。
場面が変わると、お百は、芸人で、綱渡りをしている、罵声を浴びせる客に蹴りを入れたお百に客が襲いかかってくるが、それを助けたのが若侍の新九郎。その後も、勘定奉行の伊織に手籠にされようとするところを新九郎に助けられる。新九郎は、役人で幼馴染の榊兵衛らと一緒に佐渡から江戸に送られて来る金塊の強奪を計画していた。そんな新九郎に、大盗賊音羽の巳之吉が警告するが新九郎はお百も仲間に入れて計画を実行、見事金塊を手に入れて隠したが、実は兵衛は、伊織と組んでいて、新九郎のアジトに役人が襲いかかる。
新九郎とお百は捉えられ、お百を助けたければ金塊の隠し場所を教えるよう伊織が迫り、結局教えた途端、首を落とされ新九郎は死んでしまい、お百は佐渡金山へ送られてしまう。復讐を誓ったお百は、佐渡で腕っぷしの強い文造と知り合う。佐渡金山の頭権十郎は、妻お紋に言いくるめられてお百をお紋に託すが、お紋は彫師でお百の肌に見入ってしまい背中に般若の刺青を施すことになる。
そんな頃、兵衛が視察にやってくる。兵衛はお紋を手に入れたく、権十郎に頼んでお紋に、気を失わせる針をお百に射つように依頼するがすんでのところでお百が反撃する。先だってお百は権十郎を手懐けていて、一緒に島抜けしようと持ちかけ、お紋を殺すように言っていたので、この機会に権十郎はお紋を殺す。そして島を出るために用意した船着場に行く。お百は、自分だと思ってやって来た伊織を殺し、自分を庇って縛られていた文造を助けて船着場へ。そこで文造は権十郎を海に突き落として、お百と江戸へ向かう。
お百は江戸で巳之吉に匿われ、金座から金を強奪することにする。そして渡次、文造と三人で金座へ忍び込む。お百は、伊織を殺すべく寝所へ侵入、妻雪を抱いていた伊織と雪を捉えて、かつて自分と新九郎がかけられた拷問に二人を拘束し、最後の最後に、伊織の首をギロチンで斬らせて復讐を果たす。渡次と文造は金塊を持って脱出しようとするが文造は斬られてしまう。お百と渡次がそのまま金塊を積んだ荷馬車を走らせて逃げて映画は終わる。
なんのことはない映画で、首が切り落とされたり、濡れ場が何度も出て来たりと、決して高級な時代劇ではないけれど、単純に楽しめる一本でした。
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