「ザ・カラテ」
荒唐無稽な空手映画で、ストーリーを作る気は全くなくて、役者の演技もつける気もなく、ひたすら空手アクションを漫画のように描いていく。それが、意外に退屈しないから不思議だし、ある意味映画の作り方の原点なのかもしれない。終始、苦笑いの連続の映画だったが楽しかった。監督は野田幸男。
アメリカオハイオ州、キティ婆さんと孫のタダシがカフェに入って日本人をバカにするマスターに老婆が悪態をつくところから映画は幕を開ける。日本で開催される世界武道大会に出場して祖母に楽をさせてやりたいと思ったタダシは日本の京都へやってくる。しかし、すでに出場者は決まっていて、理事の鈴木館長に断られ参加できない。
そんな中、武道大会を利権の獲得に利用しようとしていた山谷と熊谷、それぞれ、お抱えの武術家を従えて試合に臨もうとしていた。しかし、タダシと同じ流派の空手を使う慶間多を要する山谷だったが、慶間多は何かにつけてタダシを目の敵にして私闘を仕掛けてくる。そして、とうとうタダシに負けた慶間多を見た山谷はタダシを擁立することにする。
やがて武道大会が開催され、熊谷が擁立したブラック・タイガーとタダシが決勝に残る。しかし、決勝戦で二人の決着がつかず、引き分けで三日後に決戦をすることになる。ところが、山谷と熊谷が武道大会を利権争いに利用していたことを知った鈴木が激怒しそれぞれの事務所に乗り込むが、山谷の事務所に乗り込んだ際返り討ちにあい、駆けつけたタダシ共々乱闘になり、その際、タダシは両目を潰されてしまう。
武道大会は中止になったが、タダシとの決着をつけたいブラック・タイガーが、病室のタダシに試合を申し込み、タダシはかつて父と稽古した岩場で勝負することにする。そして死闘の末、タダシはブラック・タイガーを倒して映画は終わる。
陳腐なセットの数々と適当な脚本、ツッコミどころ満載の展開に苦笑いが止まらないが、山下タダシの空手アクションが本物という迫力で全編引っ張っていく様はある意味見事である。こういうプログラムピクチャーの面白さもまた映画の魅力かもしれない。
「柳生武芸帳 片目の忍者」
まさに娯楽時代劇。勧善懲悪を中心にしたシンプルなストーリーと、派手な剣戟、そして、鉄砲と刀の大乱戦がとにかく豪快に面白い。難しい映像テクニックも芸術的な絵作りもないけれど、わかりやすい大活劇を楽しむ一本でした。監督は松村昌治。
海岸、海のかなた、ルソン船を待っている但馬守の姿から映画は幕を開ける。ヨーロッパから二千五百丁の銃を購入し、その到着を待っていたが、船に乗ると銃は奪われ、乗組員も殺されていた。どうやら紀州大納言による謀反が疑われ、国中の外様大名が乱れるのを恐れた幕府は、柳生十兵衛に柳生武芸帳の忍の巻を授け全国から六十四名の柳生一族の招集をかける。
その頃、九鬼嘉隆の配下の小太郎は、嘉隆が紀州大納言と計って銃を奪ったとの疑いを晴らすために幕府に訴えるべく、柳生一族の一人を倒してその男になりすまし、柳生十兵衛に謁見するべく柳生別邸にやってくる。しかし、敵の忍びが入り込んでいると判断した十兵衛は小太郎を追い返してしまう。十兵衛は、紀州大納言が本当に謀反を企てているのか確かめるために六十四名の一族を率いて紀州へ向かう。
どうやら、謀反を起こそうとしているのは岩倉刑部であることが判明、岩倉刑部は嘉隆を監禁し、さらに大納言の妻白妙も岸壁で囲まれた要害海神砦に拉致してしまう。小太郎は、無理と言われた岩場を登ることにして嘉隆の元を目指す。一方、岩倉刑部の反撃で、大勢の同士を失った十兵衛は、決死の覚悟で海神砦へ襲いかかる。そして犠牲を出したものの砦に迫り、一方小太郎も崖を登って嘉隆と白妙が監禁されているところへ辿り着き、岩倉刑部の腹心左近を倒し、更に、白妙を助け出すが嘉隆は争いの中で左近に斬られてしまう。
十兵衛らは、ようやく砦に突入に成功して岩倉刑部を倒す。小太郎は、銃や弾薬の保管場所にたどり着くが、その虚しさに、全てを爆破、自身も命を失う。任務を終えた十兵衛は残った一族と共に砦を後にして映画は終わる。
かなり荒っぽい脚本ですが、ただ派手なバトルシーンを楽しむという映画で、面白おかしく気持ちよくなって映画館を出て来れるエンターテイメントでした。

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