くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「落下音」「俺たちのアナコンダ」

「落下音」

映像詩という作りの作品で、入場時に渡された相関図を見ていなければ、四つの時代の女性の物語だとほとんど把握できない作りの映画だった。それぞれがシュールであるわけではないが、地鳴りのような不穏な音が背後に聞こえ、蝿の音、そのほか様々なBGMが映像になんらかの意味を与えて行く。四つの時代を通じて一貫して描かんとしたものは見えてこないが、戦前から現代に至る北ドイツの農場の物語であるというのだけはわかる。四人の女の不安定な心の物語か、見えない何かの不穏なものがいつの世にも存在すると言わんとしているのか、本当に難解な映画だった。監督はマーシャ・シリンスキ。

 

一人の女性エリカが、松葉杖をつきながら廊下を歩いてくる。外では、エリカに羊を小屋に入れろと罵声が聞こえる。ある部屋に入ると、左足を切断された男が寝ていて、エリカはその男の臍に指を当てて口に運んで、そのまま松葉杖を置いて外に行き羊の所に行くと、さっきまで叫んで男がエリカを殴って、エリカは振り返り窓を見上げた視線でタイトル。

 

場面が変わると三人の姉妹が女中ベルタの靴を釘で打って固定して、ベルタがそれを履いて転けてしまい、ベルタが姉妹を追いかけまわす場面を延々と長回しで捉える。逃げている一人の少女アルマはリアやその他の姉と暮らしている。同じ村で自分と同じ名前の死んだ少女の写真を見て不思議な感覚に陥る(相関図によるとアルマと同じ名の姉)。かくれんぼをしていて、木の上に隠れたアルマを姉達は知らんふりをして、降りれなくなり助けられる。アルマの母は、時々体調を崩す。アルマの農場で、フリッツという叔父が追いかけ回され、納屋に逃げてそこで二階から落ちて足を負傷して切断することになる。女中のトゥールディは、男達を手玉に取りながら必死で生きている。

 

アンゲリカは、この日メガネを新調したが、それに付き添っていた叔父ウーヴェと何やら不穏な関係があるようで、アンゲリカに想いを寄せるライナーは、従兄弟dwウーヴェの息子である。家族でポラロイド写真を撮るが、アンゲリカは何かを見つけたらしく、その場を飛び出して行方不明になってしまう。ドイツ国境を越えたらしいというナレーションが入る。

 

川で、レンカは一人の女性ネリーを知り合い、家に連れ帰る。ネリーは、初対面にも関わらず、今夜レンカの家に泊まって良いかと言い出して、寝室でレンカの母に子守唄を要求する。レンカはネリーと川で遊んだり水遊びをしたりするが、自分の存在が消えてしまいそうな孤独感を抱いている。エリカは終戦の頃に入水自殺したらしいシーンも挿入される。

 

激しい木枯らしが吹く中で、干し草を集めている人達。風に向かって一人の女性が立ち向かって行くとやがて浮かび上がる。さらに別の青年が風に向かっていき浮き上がって映画は幕を閉じる。

 

それぞれの話を交錯させながら、前後に構成して行く作りが複雑で、レンカのエピソードだけ、スマホやワイヤレスフォンが出てくるので現代とわかるがそのほかは時代描写がほとんどなく、アルマは1910年代、エリカは1940年代、アンゲリカは1980年代、レンカは現代らしく、時間の前後が把握できない。それでも二時間を超える長尺を見せてくるから大したものです。結局、作り手の映像詩という映画だったと思います。

 

 

「俺たちのアナコンダ」

行き当たりばったりのストーリー展開の典型的なアメリカンコメディですが、そのお気楽感と結構練り込んだストーリー展開に飽きることなく最後まで楽しめるエンタメ映画だった。監督はトム・ゴーミカン。

 

アマゾン奥地、一人の女性アナが、男達に追われている。バイクに乗り継いだ彼女を男達は船で追おうとするが突然現れた大蛇に一人が飲み込まれてしまってタイトル。かつて話題になったカリスマパニック映画「アナコンダ」を崇拝するダグは、今はブライダルビデオのカメラマンの仕事をし、グリフは売れない役者をしながらの日々だった。地元のパーティで再会した二人は、かつての仲間ケニーとクレアを誘って、「アナコンダ」リブート作品を作ろうと決心する。

 

資金をなんとか集めた四人は、船をチャーターしてアマゾンを目指そうとするが、そこに逃げてきたアナが遭遇し、カフェで盗んだ船のキーで脱出を図るが、その船はダグ達のチャーター船だった。アナコンダを飼っているサンティアゴと合流したダグ達はアマゾンへ進み、撮影が始まる。ところが、グリフが誤ってサンティアゴのアナコンダを川に突き放した際にアナコンダがスクリューに巻き込まれ死んでしまう。

 

サンティアゴとグリフは、新たなアナコンダを探しにジャングルへ向かうが、そこで、さらに巨大なアナコンダと遭遇、サンティアゴが襲われてしまう。船に逃げ帰ったグリフは、逃げることを提案する。そして、奥地で見つけたキャンピングカーで脱出を図るが、そこへアナを追う男達が襲ってくる。それを銃で反撃したアナの姿を見たダグは、アナを主役に新たな物語を書き上げる。面白くないグリフは拗ねてしまう。そこへ、ソニー・ピクチャーズの本物の「アナコンダ」撮影隊が通りかかる。権利を持っていると豪語していたグリフは船を降りるが、撮影隊がアナコンダに襲われ大破している現場に遭遇、慌てて戻ってくる。

 

ところが、撮影中、アナコンダに襲われたダグはアナコンダに飲み込まれてしまう。アナは、グリフ達を桟橋に連れて行く。そこにはアナが隠した金塊があった。アナは金の盗掘者だった。そこへアナを追ってきた男達が現れる。彼らこそ警察だったが、引き返してきたグリフは誤って警察を撃ってしまう。

 

形勢逆転かと思われたが、アナはアナコンダに襲われ死んでしまう。グリフらはこの場を脱出する方法を探り、途中、アナコンダに吐かれたダグを発見、ダグの死体を囮にして逃げる計画を立てる。ところが、すんでのところでダグが生きていることがわかり、ダグと共にアナコンダを振り切って逃げる。

 

グリフ達がジャングルを進むと、ソニー・ピクチャーズの撮影セットが大破して残されていた。そこでアイス・キューブと遭遇したグリフ達は、アイス・キューブから仕掛けられた火薬がある事を知り、それを使ってアナコンダを倒す計画を立てる。そしてダグとグリフがカートに乗り、アナコンダを誘い込んで、ケニーが爆薬をセットし、ついにアナコンダを破壊、その様子はカメラに収められた。

 

とある映画祭で、ダグ達が作った「アナコンダ」が公開されている。当然、権利がないので一般公開できなかったが、後日ダグの所にソニー・ピクチャーズのプロデューサーがやってきて、「アナコンダ」を作るからと監督の依頼が来て映画は終わる。エピローグで、サンティアゴも生きているカットで暗転。

 

とにかく行き当たりばったりで、アナの物語はどこへいったという感じですが、単純に面白いし、それなりにスケールもある。これがハリウッドと言わんばかりの映画だった。