くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「ヒット・エンド・ファン!臨時決闘」「黄金泥棒」「十兵衛暗殺剣」

「ヒット・エンド・ファン!臨時決闘」

ゆるゆるの香港映画、アクションもそれほどなく、お話も至って単純かつ中身もない。笑いのペーソスも弱くて、まるで、ほぐれた糸が風に靡くような映画だった。でも、こういうノリも香港映画の味かもしれない。監督はアルバート・マック。

 

マカオ、ムエタイのジムを開いているロイだが、経営は苦しく、通っているのは年寄りばかり。さらに見学に来る面々も適当に粗品を貰いにくるだけ。そんなほのぼのしたシーンから映画は幕を開ける。ロイの妻ガーレイは元女優で、この日もシューの会社でCM撮影に呼ばれてスタジオにやって来たが、くだらない更年期のサプリの宣伝にキレて飛び出してしまう。

 

広告業界で成功したシューは、恋人ダニエルが浮気しているのをたまたま見つけて、その浮気相手ガーワンの元へ殴り込みに向かう車にガーレイも乗り合わせて、シューとガーワンの修羅場に遭遇してしまう。ガーワンはムエタイの女子チャンピオンだったが、シューはムエタイの試合を申し込む。この時のガーレイの姿がネットで拡散して、ガーレイはアクション映画に誘われる。

 

シューはロイのジムに通うことになり、ジムの唯一の選手ゴウに指導を受けるようになる。ガーレイもロイのジムでトレーニングするようになる。ロイの愛弟子だったワイバンは、今はロイの元を去り、自身で今時のジム経営などをして順調に暮らしていたが、ロイとの間に蟠りがあった。かつてロイと対戦した際、ロイが負けたことにしてくれたおかげで今の地位があるのに引け目を感じていた。ガーレイの映画の話は若手に取られて中止になってしまう。

 

間もなくして連戦負けばかりのゴウも試合があり、シューの激励もあったが試合では重傷を負って負けてしまう。病院にやってきたワイバンは、ロイと再会し、これまでの蟠りを払拭するべく試合を申し込む。そしてシューとガーワンが試合をする日、ワイバンとロイも試合をすることになる。やがてゴウの怪我も回復、この日、二つの試合がロイのジムで行われる。

 

シューは終始ガーワンに攻められるばかりだったが、三ラウンド全てを耐え抜き二人の間に友情以上のものが芽生える。ロイは、最後の最後にワイバンに必殺の左腕を浴びせる寸前まで行くが、そのことでお互いの蟠りが消えてしまう。ガーレイも、一度はアクション女優のオファーをキャンセルされたものの、別の役柄で復帰して順調に進み始める。こうして、関わったみんなが一堂に集まり。この日賑やかに食事をしている場面で映画は終わる。

 

アクション映画だと思ってみていたら、ゆる〜いヒューマンドラマという感じの作品だった。大作の合間に作った感じの一本で、全編肩の力の抜けた映画でした。

 

 

「黄金泥棒」

面白いはずなんですが、演出にキレがなく、せっかくのエンタメが今一つ出来が伴っていないのがとにかく残念。とはいえ、田中麗奈を見たいだけでみに行った作品なので十分に満足できた。監督は萱野孝幸。

 

平凡な毎日を送る美香子は、ある時、スーパーでぶつかった老夫婦が落とした大黄金展のチラシを見てふらっとそのイベント会場へ向かう。そこで、純金製のお鈴を見つけたが、なぜかカバンに入れて盗んでしまう。家に戻った美香子は、お鈴が盗まれたというニュースを聞いて、深夜、バーナーでお鈴を溶かそうとするが、穴が開いただけで、仕方なく夫路範と展覧会の主催者SGCの担当者金城の元へ返却に行く。金城は、示談にすることにし、加工賃のみを請求することにする。お詫びに路範は、金グッズを購入、担当の金城とすっかり親しくなる。

 

品物を届けに金城とアシスタントの土岡が美香子の家を訪ね、金城は、美香子と二人きりになってからすっかり意気投合する。金城は美香子と頻繁に会うようになる。さらに、美香子の事件が面白おかしくドラマになりSGCの宣伝にもなった。ある日、金城は、北海道へ出張に行く際一緒に来ないかと美香子を誘う。美香子は路範に了解をもらって一週間の北海道旅行に出かける。それは、実業家日吉の招きによるもので、日吉は近々、秀吉の黄金茶碗の展示を計画していて、お鈴を盗んで有名になった美香子に興味があった。

 

北海道へ行ってみると、美香子は、金城から、部屋に遊びに来ないかと誘われる。アバンチュールを予感した美香子が部屋に行くと、そこに日吉とその愛人がいた。日吉は、美香子に言い寄ってきたので、美香子は怒って早々に北海道から帰ってくる。ところが自宅の寝室に入ると、そこに夫と寝ている全裸の土岡を目撃する。路範は気が付かなかったが、美香子は後日、路範に、土岡が自白していることと、美香子が考えているある計画に協力する旨の同意の動画を見せ、自分の計画に路範を協力させる。

 

美香子の計画とは、近々開催される秀吉の黄金茶碗のイベントに行き、その茶碗を盗み出すというものだった。秀吉の黄金茶碗は、本物だが、盗まれても表立って公にできない事情があった。土岡に、現地の建物の図面などを手に入れるために、金城のパソコンをすり替え、本物そっくりだがプラスチック製の黄金茶碗を用意して会場へ向かう。

 

路範が足を怪我していることにして車椅子で出席して、その車椅子に本物を隠して脱出する計画だった。そして見事すり替えに成功するが、脱出する前にすり替えが発覚、さらに、車椅子に隠した本物を途中で落としてしまい、美香子が回収してあてがわれた自室に持ち帰りベランダに隠す。そこへ金城らがやってきて部屋の中を捜査し始める。一方路範はドローンでベランダの本物を釣り上げて回収、計画は見事成功する。

 

一年後、路範は美香子と離婚し土岡と交際を続け、金城は転職、などなどのテロップが流れる。美香子は一人生活を始め、だらけた格好でシリアルを食べて横になる。シリアルが入っていたのは秀吉の黄金茶碗だった。こうして映画は終わる。

 

作りようによってはもっと面白くなるはずなのに、実に平凡で、もったいない限り。とはいえ、退屈はしなかったし。それなりに楽しめたのでいいとしよう、そんな一本だった。

 

 

「十兵衛暗殺剣」

なんとも荒っぽい脚本の娯楽時代劇で、近衛十四郎の柳生十兵衛を描くだけで、脇役も、物語もそっちのけの適当に仕上げた感満載の映画だった。しかも、殺陣も映像も普通で、テレビがまだ普及途上だったからなんとか持ち堪えたという映画だった。監督は倉田準二。

 

琵琶湖の竹生島、湖賊と言われる海賊の男が、処刑されている仲間の筏に泳ぎついて、縄を解いてやる場面から映画は始まる。竹生島に潜んでいた柳生新陰流の一派の当主が亡くなり、追悼の儀式をしていた。後継者となった幕屋大休は、新陰流正統と題して道場を開く。当然、柳生新陰流道場では、断固叩くべきという声が起こるが、柳生但馬守は、私闘を禁じる。しかし一部の血気盛んな門弟たちは密かに幕屋一派を襲う計画を立てる。しかし、幕屋は逆手にとって柳生の門弟たちを皆殺しにする。

 

事を納めんと、但馬守は柳生十兵衛に幕屋が持つ覚書を奪取する使命を与える。竹生島に籠った幕屋達に十兵衛は腕の確かな門弟数人で乗り込むことにする。幕屋らは琵琶湖を根城にしている湖賊を仲間に引き入れ、十兵衛を迎え撃つ。十兵衛らは、数人で敵陣を目指すが途中湖賊に襲われ、十兵衛一人がなんとか脱出する。そして、船着場のしのの手引きで、湖の葦の林に身を潜め、反撃の機会を伺い、幕屋の前に立つ。そして一騎打ちの末、幕屋を倒し、覚書を奪取して湖を後にして映画は終わる。

 

何のために門弟の一人にエピソードがあるのか、何であっさり湖賊は十兵衛に従うのか、ツッコミどころ満載のストーリーであるけれど、単にチャンバラだけを楽しむにはこの程度で当時は良かったのだろう。まあ、凡作と言えばそれまでですが、これも映画黄金期の一本と割り切れば時代を感じさせて楽しいひと時だった。