「家庭日記」
シンプルな家庭ドラマなのに、グイグイと見せて来る迫力が見事な一本で、今見れば時代色はあるとはいえ、男と女、母と子供、家族の在り方など普遍的なものはしっかりと今に通ずるものが描けていて、映画としてのリズムも優れている上に淡々とした語りが、そのクオリティの高さを見せてくれる作品でした。監督は清水宏。
学生時代の修造と菊江が歩いている場面から映画は幕を開ける。修造には養子の話があり、菊江との仲を精算するかのような会話の後、二人は恋文を焼き捨てる。下宿に帰り、親友の一朗の部屋に行くと一朗の同棲相手の梅子がいた。カフェのホステスなどをしていた梅子を修造は偏見の目で見ていて、一郎との仲に反対だった。そして時が流れ、修造は医師となり、裕福な品子の夫となっていた。一郎から、貸家を世話して欲しいと言われていて、一軒の家を紹介するが、一郎が一緒になった梅子は気に入らなかった。
挨拶にも来ない一郎たちに、修造は品子と挨拶に行くが、二人の前で平気でタバコを吸う梅子に修造も嫌な顔をする。いかにも貞淑な品子に一郎も梅子にない魅力を感じる。しかし後日、品子は梅子に誘われて銀座に遊びに行く。そこで梅子の知り合いで美容院を経営する菊江を紹介される。まさか修造の元恋人とは知らない品子はすっかり菊江を気に入ってしまうが、それを知った修造は複雑な気持ちだった。
後日、修造は菊江の美容院を訪ね、そこで、妹の八重子とも再会するが、二人の過去は黙っておくことにする。修造は友人で銀座で薬局を経営している久保の店の2階の間借り人を探しているのを知り、菊江に勧める。修造と久保がカフェで菊江のことを話しているところへ、梅子が入って来て二人の会話に入って行くが、修造はいい気がしなかった。
やがて、久保の薬局の2階を見に菊江たちがやって来るがすっかり気にいられる。さらに、3階の部屋も写真が趣味の一郎の写真スタジオに貸すことになる。そんな頃、一郎の両親から、確執のある一郎と話し合いたいので連れて来て欲しいという話が修造に来ていて、修造は一郎を説得して息子の鍾吉と実家へ連れて行く。梅子のことは受け入れられないが孫の鍾吉が可愛い一郎の両親は、すっかり鍾吉を可愛がるが、鍾吉は熱を出してしまう。一郎の両親は梅子を責め、鍾吉と一郎をしばらく実家に留め置く、
それを聞いた梅子は、ショックを受け、段取りをした修造を責め、さらに品子に、修造と菊江の関係を暴露してしまう。修造に迫る品子に修造は、自分を信じろと横柄な態度で答える、そんな時、梅子は書き置きを残して家を出てしまう。一郎の両親は激怒し、梅子を追い出す口実ができたと考える。鍾吉の病気も良くなり、一郎が仕事に出かけるのを見送りに行くが、そこで待ち構えていた梅子と再会。梅子は一郎の両親に詫びを入れて、鍾吉を連れ戻したいというが、両親は、断固反対して梅子を追い出そうとするので、梅子は売り言葉に買い言葉で、鍾吉は一郎の子ではないとまで言ってしまう。
戻ってきたら一郎は憔悴し、修造は久保を招いて、自分と菊江の関係を正直に話す。久保は菊江との結婚を望んでいたが、そんなところへ、梅子が自殺未遂をした連絡が入る。病院へ駆けつけた一郎、修造、品子だったが、梅子は品子宛に手紙を残していた。鍾吉は一郎の子供で間違いないし、これまでのことを詫びた上で、全てを品子に託すというものだった。病院を後にする修造は、梅子を見直したと反省し、これから応援しないといけないと品子と話しながら歩き去って映画は終わる。
前編後編と分けて描くドラマですが、一見シンプルな展開があれよあれよとうねり始め、そして、何か考えさせられてしまうメッセージに胸が熱くなってしまいます。一郎が写真が趣味などという少々雑なエピソードや、その後の菊江の行く末はカットされてしまうような甘さも見られる脚本ですが、なかなかのクオリティの一本でした。
「ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー」
ゲームのキャラクターと、ゲーム内の様々なシーンを掛け合わせて映像にしたアドベンチャーで、これという面白さもない普通の映画だった。もうちょっとストーリー展開に工夫をしてみたらこの手の作品もエンタメ性の強い秀作になると思うけれど、作り手の趣旨はそこではなかった感じでした。監督はアーロン・ホーバス他。
ロゼッタ姫が星の子供達に囲まれてお話をしている場面から映画は幕を開ける。お話は妹のピーチ姫の冒険譚である。そこへ巨大なロボットを操るクッパ大王の息子クッパジュアニアが現れ、ロゼッタ姫と戦った末、ついにロゼッタ姫を拉致して宇宙へ飛び去る。その際、ロゼッタ姫の子供を一人連れ去ったが、ロゼッタ姫は子供を逃したものの、自身はクッパジュニアの王国に連れ去られる。
キノコ王国でピーチ姫を助けながら、小さくなったクッパ大王を世話をするマリオとルイージだったが、ピーチ姫の誕生日の夜、ロゼッタ姫の子供が落ちて来て、ロゼッタ姫の危急を告げる。そこでピーチ姫は救出のため飛び立ち、ヨッシーと出会ったマリオたちもピーチ姫の後を追う。
クッパジュニアはロゼッタ姫の力を手に入れて父クッパ大王を蘇らせて宇宙征服を目論んでいた。そこへマリオたちが襲いかかり、ピーチ姫は、大ピンチのロゼッタ姫を助け出し、クッパ大王は骸骨になってバラバラにされ、クッパジュニアも捕まえて平和が戻って映画は終わる。
もうちょっと、ストーリー構成を工夫したらもっと面白い作品ができたかもしれないけれど、綺麗な画面とにぎやかな展開で退屈はしない映画ではあった。

