くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「忍者狩り」「祇園祭」

忍者狩り

「忍者狩り」
いわゆるアクション時代劇である。
お世継ぎ問題を巡って、それを阻止せんとする側からの忍者集団とそれに対抗するために組織された浪人たちとの戦いを描く。まさにチャンバラの世界である。

ある城の石垣の上に立つ浪人の姿から映画が始まる。この近衛十四郎扮する浪人に一人の武士が斬りかかり、すんでの所で刀を引くと、実は藩の世継ぎのために力を貸してほしいと頼む。
そして組織された浪人集団と闇の蔵人率いる甲賀忍者集団との知略、策略を絡めた戦闘が開始される。

忍者たちとの手裏剣、刀を交えたしゃんバラシーンの迫力は見事で、一方で組織的に戦いを挑んでくる忍者たちの整然とした中にスピード感あふれる動きの展開もまたおもしろい。

影を使った手裏剣のとばされる映像なり、斬り合いの場面での暗闇に走る忍者たちの影のシーンなど、なかなか工夫のみられる映像で、物語の構成もしっかりしていて、なかなか上質のアクション映画でした。
アクションの一方で描かれるだましあい、密偵を見つけださんとするさぐり合いなどエンターテインメント性も十分で飽きさせない映画でした。


祇園祭
京都の時代劇復興を祈願して作られた記念作品で、東宝東映、松竹などの俳優たちが総出演の娯楽大作である。
今回修復リニューアルされた貴重な映像である。

物語は応仁の乱で荒廃した京都を舞台に、武士の没落、貧困に苦しむ町民たちの姿を描きながら、40年近く途絶えた祇園祭を復活させんと町民たちが立ち上がり、やがて再び山鉾が町を練り歩くクライマックスまでを描いている。
ヒロイン役の岩下志摩が抜群に美しく、うっとりするほどの美貌で画面を彩るし、祇園祭のラストシーンはまさしく圧巻である。

二時間を超える作品にもかかわらず、次々と物語が展開していくためにだれることもなく、いつの間にか終盤を迎えるというのは脚本の秀逸さによるものかもしれません。
三船敏郎は例によってワンパターンのチャンバラシーンであるが、その存在感は見事なもので、中村錦之助さえも凌駕してしまう迫力があります。

美しいカラーでよみがえった必見の一本であったと思います