2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧
「ザ・レイド」 派手なアクションと殺戮戦が話題のインドネシア映画を見てきた。まったく、アクションに次ぐアクションで、後半の三分の一は食傷意味でやや飽きてくるほどだった。映画が始まる。時計のアップ。チクタクという音とともに一人の男、ラマが腹筋…
「時をかける少女」 30数年ぶりに再見。懐かしいの一言、そして原田知世の愛くるしさに改めてファンになる。青春の切ないひとときを描いた原作のすばらしさはもちろんですが、生まれ故郷尾道へのノスタルジーと古き映画への哀愁を映像に凝縮させファンタジ…
「4:44地球最期の日」 「バッド・ルーテナント刑事とドラッグとキリスト」のアベル・フェラーラ監督作品なので見に行ったのだが、なんともしんどい作品だった。題名とは裏腹によくあるスペクタクルは全くない。翌日に地球最期の日が迫った社会を舞台に主…
「キック・オーバー」 メル・ギブソンは「マッド・マックス」以外は好きではないのでみるつもりはなかったけれど、あんまり映画サークルのメンバーがおもしろいというので見に行きました。いやぁ、おもしろかった。アイデアで見せる映画に久しぶりに出会った…
「学園広場」 たわいのない学園ドラマで1時間あまりの作品であるが、実にテンポがいいし小気味良い。あれよあれよとストーリーが前に進んでいくし、それぞれの登場人物が本当に明るく描き切れている。カメラの動きも軽快で、細かいカットや展開のおもしろさ…
「思秋期」 非常にまじめなシリアスな映画。そんな印象の一本。絵がきれいというわけではなく、一人の怒りを抑えられない男ジョセフと夫のDVに苦しむ女性ハンナの物語である。映画が始まると酒場から悪態をついてでてくるジョセフ。当たり散らした末に愛犬…
「最終目的地」 期待のジェームズ・アイボリー監督作品を見る。真田広之出演というのも一つの見所といえる映画でした。非常に静かなストーリーなのですが、映像と音楽、物語が美しくコラボレートした必見の一本だった気がします。全体に落ち着いたムードで淡…
すでに初公開から40年以上たっている。しかし、画面が写ったとたん、一気に時間が逆戻りし、じぶんの大学生時代にタイムスリップしてしまう。波の音、海岸、砂浜、照りつける太陽、ほとばしる汗、女性の水着、車、なにもかもがまるでついこの間の時のよう…
「コッホ先生と僕らの革命」 この映画はよかった。素直に感動できる名作と呼べる一本でした。アカデミー賞候補になってもいいかもしれない。19世紀の末、ドイツにサッカーが持ち込まれ広まるきっかけになった実話を元にしているが、物語の構成が実にうまい…
鈴木清順監督がその清順美学を開花させたといわれる一本。モノクロのタイトルバックに真っ赤な椿が添えられて映画が始まる。ある心中事件のショット、その死んだ男が警官だったという導入部から主人公ジョーが町で大暴れするカラーシーンへのカットバックな…
「ソハの地下水道」 いったいいつまで描かれるのか、ナチスのユダヤ人迫害。この映画はポーランドを舞台に、下水修理t泥棒を仕事にしていた主人公ソハがユダヤ人を地下水道にかくまう話である。実話のリアリティを縦横に走る狭い地下水道を丹念なカメラワー…
「キューポラのある町」 なるほど、これは一級品の名作である。どの部分をとっても非の打ち所がない名作とはこのことをいうのだろう。めちゃくちゃよかった。まず目を引くのが画面の美しさ。シネスコの画面なのにずーんと奥に広がる構図に驚かされる。しかも…
「推理作家ポー 最期の5日間」 何の変哲もないふつうのミステリーでした。まぁ、期待もしてなかったのですが、まぁあんなものですね。物語もいろんな作家が試みたパターンで、実際に若くして死んでしまったエドガー・アラン・ポーの最後の5日間のミステリ…
「愛のお荷物」 愛くるしいほどに微笑ましい作品でした。川島雄三監督作品の中では傑作や秀作とまではいかないものの、憎めない一本という感じですね。制作年が1955年。売春禁止法が成立する直前にして、人口問題が世界的な課題になろうとしていた時期を…
「拳銃(コルト)は俺のパスポート」 話の切れ味が抜群にいい。日活アクション映画の中で隠れた名作と呼ばれる一本をみてきました。ストーリー展開が実にスピーディで、見せ場を見事な配分と配置で見せてくる。所々のつじつまや矛盾を吹っ飛ばしてどんどん先…
「ツナグ」 それほど期待もしていなかった作品ですが、なかなかいい映画でした。次々と胸を熱くする展開が実に心地よいし、三つのエピソードが程良い程度に混ざりあって、一本の作品としての物語が伝えるメッセージがしっかりと描かれていてぶれない。従って…
渋谷実監督の軽いタッチのコメディである。 原作があるのだが脚本が菊島隆三でもあり、もうちょっと期待していたが、導入部のおもしろさにも関わらず中盤から後半は物語が散漫になってしまって、ドタバタ劇にもなりきらず、中途半端な展開になってつまらなか…
「エージェント・マロリー」 観客を無視した脚本が実にリズムの悪い作品になって完成したという感じ。単純に楽しめるアクション映画であるはずなのに、作っている側にしかわからない展開に終始し、主人公を演じたジーナ・カラーノのアクションにも目を見張る…
「愛すればこそ」 3作のオムニバス映画であるが、どの一本もこれという劇的な物語ではないし、淡々と展開してすっと終わるので正直どれもしんどい。第一話は「花売り娘」監督は吉村公三郎。第二話「とびこんだ花嫁」は今井正、この二本まではそれなりにおも…
「ハンガー・ゲーム」 スティーブン・キングの「バトル・ランナー」をはじめ、富裕者が貧困者や反逆者を使って殺人ゲームをする設定はSF映画ではよくあるパターンである。従って、今回の映画も薄っぺらなSF大作だろうくらいで見に行ったのだが、何の、結…
「BUNGO」(見つめられる淑女たち) <注文の多い料理店> 監督は富永昌敬である。宮沢賢治の名作をアレンジした大人のラブストーリーで不倫している会社の上司と部下の物語になっている。しかし、メッセージが見えてこない。森の奥の山猫軒に迷い込ん…
「天地明察」 脚本が実によくできている。細かい部分にあまりこだわらず、物語の大局をおおざっぱにつかんで、歴史の一ページをひもといて娯楽作品として仕上げている。そのためにそれぞれのエピソードのバランスが実にいいし、必要以上にこだわらなくていい…