2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧
「光」 最近の河瀬直美監督作品の中では一番気持ちが入り込めた一本。クローズアップを多用したカメラワークに最初は戸惑うが、時にはなれた手持ちカメラの動きのある映像や大きく景色を取り入れたインサートカットなどを挿入したリズムづくりがなかなか楽し…
「家族はつらいよ2」 さすがにこれほどの脚本がかけて、ここまで職人技のような演出ができる監督は、現在山田洋次を置いて他にいないだろう。それほど非常に練りこまれたセリフの数々と、さりげない細やかな演出が見せる絶妙のホームドラマだった。できれば…
「台北ストーリー」(デジタルマスター) 時代が変わりつつある台北を舞台に描かれる一組の夫婦の物語。端正な映像で淡々と語られる物語には、不思議なくらいの空気が漂う。これがエドワード・ヤン監督の世界である。アパートの一室を見にきたアリョンとアジン…
「春婦伝」 第二次大戦中中国に派遣された娼婦と現地の将校の物語を描いた恋物語ですが、なんとも鈴木清順監督の描く女はどうもいただけません。しつこいほどに感情表現がい大げさだし、うっとうしいほどにめんどうです。この作品については本来の美学もそれ…
「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」 やはり、ヒーロー物はアメリカ映画か日本映画がうまいなと思います。確かに、設定も展開もそれなりに見れるのですが、いくらダークヒーローとはいえ、かっこよさのメリハリが見えないし、ヒロインが今ひとつ魅力がなくていつ…
「アンタッチャブル」 初めて見たときはとにかく面白いという印象だけが心に残ったが、今回久しぶりに見直して、これほどきめ細かく書かれた脚本だったかと改めて感心してしまいました。監督はブライアン・デ・パルマです。オープニングのタイトルバックから…
「河内カルメン」 これは傑作。二度目の鑑賞でしたがやはり素晴らしい。 リズミカルに展開する映像世界始まるがまさに鈴木清順美学の極地である。鏡が回転して人物がくるくる回ったり、仰々しいライティングや舞台セットのような演出、さらに完全に書き割り…
「メッセージ」 典型的なハードSFである。冒頭のシュールな映像から世界中に突如現れた未知の物体、そしてその中の生物との接触からラストシーンへ。ひたすら心理ドラマのような感性の世界が展開していく。一見、壮大なドラマのようで、実は心象世界のお話に…
「バッド・バディ !私とカレの暗殺デート」 アナ・ケンドリックを見るためだけに行った程度の映画でしたが、意外とこれが面白かった。若干テンポが悪いので、一級品のアクションになりきらないのだが、B級アクションとしては非常に良くできた一本という感じ…
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」 非常にクオリティの高い作品で、画面の絵作りも美しいし、淡々と散文詩のように展開するストーリーながら、しっかりと人間ドラマが描けている。しかも、おおきなエピソードが語られているわけでもない中に、胸に迫ってく…
「ワルシャワ44」(リベリオンワルシャワ大攻防戦) これまで何千本と映画を見て来たが、戦闘シーンでここまでリアリティを徹底した映画はない。それほど衝撃に近いほどの恐ろしい傑作でした。確かに戦闘シーンはCGIを多用していますが、そのどこかファンタジ…
「コルチャック先生」 さすがに名作です。素直に良かった。物語の始まりから丁寧に展開する細かいエピソード、さらにカメラが捉える少年少女たちの姿、主人公コルチャック先生の表情などの描写が秀逸。監督は名匠アンジェイ・ワイダです。主人公コルチャック…
「パーソナル・ショッパー」 なんの前知識もなく見にいったので、最初のシーンでまず先入観が吹っ飛んでしまった。パーソナル・ショッパーというのは多忙を極めるセレブの代わりに服やアクセサリーを買う職業それだけを知っていたので、余計混乱、これってホ…
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」 前作はそれほど面白いと思わなかったが、今回はそれなりに楽しめた。いや、面白かった。サイケデリックできらびやかなCG映像をふんだんに使って、まるで花火のように物語が展開する様はお祭りのごとく楽…
「草原の河」 これといって劇的な物語が展開するわけではないが、広大なチベットの景色を背景に、点のように存在する人物を配置した構図が繰り返される様が実に美しい。監督はソンタルジャという人である。チベットで放牧をして暮らすヤンチェン・ラモが近所…
「PARKS パークス」 橋本愛を見に行っただけの映画なので、構わないのですが、なんともしつこい映画でした。吉祥寺の音楽フェスティバルが終わってからの展開がこれでもかというほどにくどいし、どこへもっていきたいのかが全く見えなくて、ただラストが見え…
「追憶」(降旗康夫監督版) 物語の構成というのはこうやって書くものだと言わんばかりの脚本ですが、妙なところがくどく、描くべき部分が適当さがあるというのは流石にこのレベルの人の作にしては、がっかりという一本。ただ、淡々と進むストーリーながら、描…
「ノー・エスケープ 自由への国境」 娯楽映画の作り方の基本のような秀作。とにかくオープニングから素直に面白いなと引き込まれる感覚にとらわれてしまいます。広大に広がる荒野に朝日がゆっくりと登ってくるところから画面が始まる。一台のトラックが砂漠…
「無限の住人」 いやあ面白かった。物語の組み立てが実によくできていて、冒頭の百人斬りのシーンからクライマックスまで全然飽きない。殆どが殺陣の斬り合いのシーンにもかかわらず、それぞれがリズム感にあふれていて、しかも、登場人物が生き生きとしてい…
「僕とカミンスキーの旅」 デジタルを駆使した面白い映像表現が面白い一本 絵画が現実になり、また現実が絵画になる。そんな遊び心満載の映像からタイトルが始まる。マヌエル・カミンスキーという天才画家の姿が延々と描かれ、若干くどいほどの紹介から本編…
「スウィート17モンスター」 楽しいというか、あまりにみずみずしいほどの青春ストーリーに思わず自分のかつてと同一視してしまう。素敵な青春映画の秀作、そんな一本でした。監督はケリー・フレモン・クレイグです。テンポのいい音楽に乗って一人の女の子ネ…