2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧
「ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島」 原作を読んでいるものにとって、この手のファンタジーほど当たりはずれが不安なものはない。誰しもが原作から夢を膨らませているから、それを具体化した映像で描かれると、ほとんどが失望に近いイメージに…
かなり以前に見た映画だし、ドキュメンタリータッチで描いていく作品でもあるので、よかったという印象はあるものの、ほとんど覚えていない。フェリーに自身がサーカスの道化師を追っていくドキュメンタリーを作っているという展開でその様子をカメラが追っ…
「あしたのジョー」 これだけの名作アニメの実写版となれば、期待しろというのが無理な話で、特にリアルタイムで熱狂した世代としてはこけ落とすために見に行くようなものである。ところがどうして、この映画、なかなかおもしろい。もちろん、この手のスポー…
深川栄洋監督はなんとも多作な人である。同時に公開している「白夜行」もこの人の作品なのです。そして、なぜか私はこの人の映画が好きなのです。そんな一本がこの「洋菓子店コアンドル」物語はたわいのないお話であるし、映像的にも「白夜行」とはうって変…
戦闘シーンをふんだんに取り入れた作品を作ると、韓国映画はさすがにリアリティに富んでいる。それは、現実に今なお北朝鮮と戦闘状態にあるゆえの緊張感が生み出すものかもしれない。物量やスケールではアメリカ映画に引けを取るかもしれないが、迫力の点で…
非常に丁寧に組み立てられたストーリーのすばらしさ。そして正当な演出ながら、西岡琢也による緻密な脚本の伏線を一つ一つ絶妙のタイミングで画面の中に挿入し、さらに単純な娯楽映画にとどめずしっかりと人間ドラマとして完成させた平山秀幸の演出を堪能で…
期待の映画「ソウル・キッチン」をみてきました。 ハイテンポな音楽とモダンな映像でリズム感あふれる作品でした。そのバイタリティあふれるカメラワークはこの作品の見所でしょうか?とってつけたようなどたばたコメディを中心としたストーリーの陽気さはこ…
「暗殺の森」 何十年ぶりかでスクリーンでみました。 やはり、この映画は映像芸術の固まりと呼べるにふさわしい傑作ですね。 映画が始まって点滅するネオンの光に映し出される主人公の姿から始まって、次々と展開する映像はまさにベルナルド・ベルトルッチ監…
珠玉の名編と呼べる一本の映画に出会いました。 映画が始まってちょっと驚くのがそのスクリーンサイズです。感動の人間ドラマという物語で、どちらかというと地味な作品であるはずなのに1:2.55の横長画面なのです。そして、その理由は映画が始まるとわ…
オブラートに包んだような非常に落ち着いたそれでいてしっかりと物語を紡いでいく演出が安心してみていられる名編でした。特に四人の姉妹のそれぞれの性格分け、考え方が実に見事に描写されています。本家を継ぎながら、サラリーマンである夫と時代の流れの…
カンヌ映画祭で絶賛されたというジャン=リュック・ゴダールの最新作。はたしてこの作品を初めて見てなるほどすばらしいと理解できる人がいるのだろうかと思う。物語といって特になく、登場人物も一貫して統一された人たちはいない。ひたすらデジタル処理さ…
なんばTOHOで見逃した「戦場に架ける橋」を梅田TOHOで見に行きました。本来、「ゴダールソーシャリズム」を見に行く予定が、時間が変わっていたために見ることができず急遽こちらを見に行ったのです。やはりすばらしい。名作と凡作はどこが違うのか…
「当りや大将」 大阪は釜が崎を舞台に車に当たって金をせびることを商売にしながら社会の底辺でいきる人たちを描くいわば人情ドラマである。監督が都会派のスマートな画面づくりで評判の中平康というのが見物といえば見物、さらに昭和30年代の大阪の町並み…
非常に優れた一級品のクライムアクション映画でした。とにかく冒頭から一気に引き込むストーリー展開は最高です。 これが監督第2作目(第一作は未公開)のベン・アフレック、脚本家としてはすでに手腕は認められていますが、もちろん今回は主演もしています…
「冷たい熱帯魚」 昨年「愛のむきだし」で一気に話題の監督になり満島ひかりを一躍時の女優に押し上げた園子温監督作品。「愛のむきだし」を見損ねているので、その演出手腕はいかほどのものかと見に行った。そして、圧倒される迫力、鬼気迫る映像表現、そし…
「大阪の女」 大阪天王寺の芸人村を舞台につづられる人情ドラマである。 映画が始まると長屋のようなせせこましい二階建ての部屋を外から順番にとらえていくショットから始まる。それぞれの部屋にそれぞれの芸人たちがその日暮らしをしながらお互いに寄り添…
「卍」(増村保造版) 素晴らしい。その一言につきる傑作でした。なんといっても鬼気迫る演技で画面に釘付けにする岸田今日子の迫力、果たして本当の姿はどこにあるのかという妖艶な魅力で迫る若尾文子の扮する光子、さらに頼りないながらも存在感のある不思…
「毎日かあさん」 昨年公開された「酔いが醒めたらうちに帰ろう」とほぼ同時期を描いた西原理恵子と夫鴨志田穣、そして子供たちの物語である。「酔いが醒めたらうちに帰ろう」が非常に優れた作品だったので見劣りはするけれども、この「毎日かあさん」も心が…
前作「ウォール街」が公開されたのはバブルの絶頂期、昭和63年である。オリバー・ストーン監督は時代の息吹をその見事な感性で敏感に感じ取り、リアリティあふれるドキュメンタリータッチの映像で見事に作品として完成させた。そして、彼のそのたぐいまれ…
映画が始まると、何ともいえないゾクゾク感、不気味なほどの寒気が画面から伝わってくる。この感覚はなんなんだろう。刑事役の船越英一郎の研ぎすまされた中に光る執念の光を宿した視線、あるいはミステリーながらあまりにも落ち着いた画面の構図なのか、そ…
単純におもしろい。しかも何の考えもなく楽しむならこれでいいかもしれない。ただ、この手の娯楽映画にどうのこうのというのはどうかと思うが、いかんせん、切れのない演出である。原作を知るものとしては、まずあのグロテスクな展開をどういうふうに映像に…
「RED/レッド」 痛快なアクションエンターテインメント。もちろんB級映画ではあるけれども、スカっとする連続で飽きさせない展開は見応え十分でした。しかも、ほのかなラブストーリーや人間ドラマさえ挿入するという念の入れようはまさにアメリカ映画華…
「マクナイーマ」 カルトムービーの一品としてデジタル修復されたブラジル映画。フランスで3年間ロングヒットしたという一品。 なんとも、奇妙キテレツな作品でした。映画が始まると一人の黒人の老婆が息んでいます。次の瞬間、黒人の大人の赤ん坊がぼたっ…