2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧
「ヘカテ」 これは良かった。一級品の映画に久しぶりに出会いました。映像の美しさ、構図の完成度、ストーリー展開のリズム、そして映画らしい雰囲気を匂わせる名台詞、名場面の数々、めくるめくようなファム・ファタールの醸し出す情熱的な男女の物語に圧倒…
「アオラレ」 全然芸のないC級サスペンススリラーで、今時素人でも作れるレベルの展開に呆気に取られてしまいました。なんでこんなカス映画にラッセル・クロウ出てるんやと言う作品で、主人公に感情移入させたり、悪者が悪者らしい怖さが全然出されてないし…
「グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告」 もっと面白くなるはずなのに、焦点が定まらない脚本で、どこを見せ場にするのか見えないまま、だらだらとラストまで流れた感じの映画でした。これだけのスターを揃えておいてもったいない限りです。監督…
「クー!キン・ザ・ザ」 やっぱりわけのわからないトンデモ映画だが、実写版よりは物語がわかりやすかった気もします。社会主義に対する風刺なのか、奇妙な星の造形と風習、に翻弄されながらも、よく考えるとシンプルそのものの物語、やはりカルト映画の分類…
「万事お金」 たわいのない恋愛喜劇、お金を徹底的に笑い飛ばしながら展開するドライなストーリーが心地良いほどに爽快。映画黄金期のお気楽な娯楽映画でした。監督は松林宗恵。 恋人同士の豊年太郎とサクラが公園で別れ話をしている。サクラは30億の資産の…
「丼池」 下手に軟弱な落とし所にせずに、徹底的に、上には上がいる物語を、軽快な大阪弁の機関銃のような応酬で徹底的に描いていく面白さは絶品。名作、傑作というより佳作という評価がピッタシの一品でした。監督は久松静児。さすがです。 船馬丼池の老舗…
「茜色に焼かれる」 出だしは、いかにもないじめっ子や、認知症官僚のブレーキの踏み間違いで死ぬ男のシーンや、上司の顔色ばかりみるパート先の店長や、責任逃れだけの若い教師など出てくるキャラクターが酷すぎて、なんで今頃こんな陰気臭い映画を作るのか…
「大綱引の恋」 佐々部清監督の遺作となった一本。遺作でなかったら行かないところの典型的な日韓友好ローカル映画でした。でも、さすがに佐々部清監督、それなりのレベルには仕上げているからすごいもんです。 鹿児島で四百年の伝統の川内大綱引の紹介映像…
「サッドティー」 今泉ワールド満載のとっても楽しい作品でした。人を好きにあるということを徹底的に淡々と描いていくリズム感が素敵で、さりげない展開が続くだけなのですが、いつの間にかどんどん引き込まれてしまいます。この監督の作品に傑作とか秀作と…
「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから」 よくある話で、それほど期待していなかったのですが、意外に素敵なファンタジーラブストーリーでした。映画全体が一つのメロディになって流れていく心地よさに酔いしれてしまいます。脇役をもうちょ…
「ノッティングヒルの恋人」 リチャード・カーティス脚本のロマンティックラブストーリーという感じですが、私としてはどこかテンポが乗ってこない感じがしました。もう少し、キレと洒落た感があるのを期待しすぎたのかも知れません。監督はロジャー・ミッシ…
「くれなずめ」 これは良かった。本来が舞台劇なので、終盤舞台的な演出は見られるものの、延々と長回しを繰り返す冒頭のシーンから次第に物語が動き始める中盤から後半、じわじわとその真相がはっきりしてきて、それでいてありきたりの切ない展開へと流れる…
「麥笛」 こういう映画を撮らせると豊田四郎監督は絶品です。しかもカメラも抜群に美しい。物語がしみじみ心に染み入ってきり感覚に酔ってしまいます。古き良きといえばそれまでですが、今に語り継がれるべき名作の一本だと思います。 時は大正、人力車が寺…
「スプリー」 それほど、映像センスも演出センスも感じませんでしたが、こういう映画の作り方もあるもんだと思ってみると、それなりに面白かった。スプラッターにするのかサイコホラーにするのかSNSへの風刺メッセージにするのかどれもこれもが中途半端なて…
「ビーチ・バム まじめに不真面目」 ちょっとぶっ飛んだ映画でしたが、逆光を効果的に使った映像が実に美しいし、主演のマシュー・マコノヒーの抜群の最低男の演技が最高で映画がとってもいい感じの仕上がりになりました。ラストの人生讃歌が愛する妻への切…
「見世物」 サイレント映画なので、もうちょっとシンプルな映画かと思ってましたが、意外に込み入った作りの作品でした。絵作りも凝っていて楽しめました。監督はドット・ブラウニング。 羊が沢山走り出してくる場面から、羊飼いが羊を売って金を手にすると…
「フリークス」 映画史に燦然と輝く怪作、と言われていますが、意外に真っ当なテーマのあるそこそこな映画でした。本物のフリークスを登場させたという演出は流石に現代では叶わないことかもしれませんが、人間の本当の醜さとは何かを真正面から描いた点では…
「悪魔の人形」 名作になるようなしっかりしたストーリーなのに、何故かマッドサイエンティストが出てきて生き物を6分の1にする展開が挿入されているという不思議に奇妙な映画でした。監督はトッド・ブラウニング。 警察が脱獄した二人の男を探している場面…
「ハルムスの幻想」 ロシアの詩人ダニール・ハルムスの経験する夢と現実が交錯する二日間を描く。という解説を読んでなければ何のことかわからない。作者の方向性も物語の展開も全然掴めなかった。前半は何度か意識が飛んでしまいました。監督はスロボタン・…
「FUNNY BUNNY」 元が舞台劇なので、展開や間の取り方が舞台劇調になっている感が最後まで抜けきれなかったのは残念ですが、全体のお話としては面白かった。もっと切なくてラストで泣くべき物語なのに、出演者は泣いているが観客はそれに合わせられない感じ…