くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「親愛なるきみへ」「終わりなき叫び」

「親愛なるきみへ」 ニコラス・スパークスの純愛ラブストーリーをラッセ・ハルストレムが映画化した文字通りのピュアな恋愛物語である。しかも、9・11事件がとうとうこうしたラブストーリーの中のネタにはいるようになってきたというのはアメリカがあの事…

映画感想「レジェンド・オブ・フィスト/怒りの鉄拳」「恋愛社会学の

「レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳」 ブルース・リーの「ドラゴン怒りの鉄拳」の主人公チェン・ジェンはラストで大勢の警察が待ちかまえる中、まるで「明日に向かって撃て」のラストシーンよろしくストップモーションで銃弾に倒れたかに見えて終わり…

映画感想「フレンチ・コネクション」「パレルモ・シューティング」

「フレンチ・コネクション」 テレビでしか見ていなかった作品で、長年スクリーンでみたいと願っていた一本、ウィリアム・フリードキン監督の傑作をようやく大画面でみることができました。フランスからの大量のヘロインの密輸。そのシンジケートの首領をとら…

映画感想「スリーデイズ」

フレッド・カヴァイエ監督が2008年に作った「すべて彼女のために」のリメイクである。基本的なストーリー展開はもちろん、プロットの組み立て、登場人物のキャラクターもほとんど同じであるが、オリジナルの脚本を基にしたポール・ハギスのリメイク脚本…

映画感想「ザ・ウォード監禁病棟」「あしたのパスタはアルデンテ」

「ザ・ウォード監禁病棟」 ジョン・カーペンター監督が10年ぶりに監督をしたホラー映画、私のような年代には待ってましたという映画である。映画が始まると、とある巨大な精神病院が映る。このファーストショットぁらもうカーペンター映画にわくわくしてく…

映画感想「モテキ」

私は映画の製作スタッフのプロでもないし、これといった才能があるわけでもない。だから、お前が作ってみろといわれても言い返すことなどできないが、なんともこの映画、ひどいものであった。 まず、脚本が最低な上に、映像センスのなさが目の当たりにされる…

映画感想「女は二度生まれる」「婚期」

「女は二度生まれる」 川島雄三監督の代表作の一本。 靖国神社のそばの茶屋で芸者をする主人公小えん(若尾文子)の自由奔放な男性遍歴の物語を実に軽快に健康的なリズムで淡々と描いた傑作である。川島雄三監督の映像リズムは本当に軽快で、どのシーンにも…

映画感想「アジョシ」「探偵はBARにいる」

「アジョシ」 「冬の小鳥」で注目されたキム・セロンとウォンビン主演の注目の韓国映画です。 とにかくおもしろかった。映画が始まってから感動のラストシーンまで身じろぎもせずに画面に食い入ってしまいました。なんといっても、脚本が抜群にいい。丁寧に…

映画感想「世界侵略 ロサンゼルス決戦」「グリーン・ランタン」

「世界侵略 ロサンゼルス決戦」 映画が始まってしばらくしてからはひたすらドンパチとエイリアンと海兵隊の一小隊との銃撃戦が繰り広げられていく。一応海兵隊の名前は登場するがストーリーの展開にほとんど意味をなさない。つまり人間ドラマを完全にカット…

映画感想「女と銃と荒野の麺屋」

コーエン兄弟の「ブラッド・シンプル」という映画を舞台を中国に移してチャン・イーモウ監督がリメイクした作品。映画が始まってからエンディングまで映像の洪水とチャン・イーモウらしい様式美の世界、さらにコーエン兄弟の物語らしいブラックユーモア満点…

映画感想「ラビット・ホラー3D」

ホラー映画の清水崇監督が名カメラマンクリストファー・ドイルを迎えて作ったいわゆるB級ホラー映画である。ただ、主演が今をときめく満島ひかりだったので、その点だけで興味津々見に行った。映画はまったくつまらないホラー映画で、テレビの「世にも奇妙…

映画感想「唇を閉ざせ」「第三の男」

「唇を閉ざせ」 フランスセザール賞を受賞したサスペンスミステリーである。 いきなり夜のキャンプ場、楽しそうに歓談する主人公アレックスとその妻マルゴ、そして友人たち。 アレックスとマルゴは車で夜の湖に出かける。そこで二人は全裸で泳ぎながらふざけ…

映画感想「中国娘」「ハッピー・ゴー・ラッキー」

「中国娘」 ロカルノ映画祭金豹賞受賞作品。年頃になるまで村をでたことがなかった少女メイは、自堕落な生活をしていた。ある日、地元の若者にレイプされ嫌気がさして友達と都会へでるべく重慶へいく。そこで一人のやくざ物の若者スパイキーと知り合い暮らし…

映画感想「我らが愛にゆれる時」「宇宙飛行士の医者」

「我らが愛にゆれる時」 「北京の自転車」のワン・シャオシュアイ監督作品でベルリン映画祭脚本賞受賞作品である。 非常にドライな演出と緻密に構成された見事な脚本、そして一見殺伐とした画面がラストで一気にエロティックに爆発し、ぞくっとするほどの怖…

映画感想「華麗なる賭け」

今更いうまでもないノーマン・ジュイソン監督スティーヴ・マックィーン、フェイ・ダナウェイ主演の名作である。ストーリーさえいまさらいうまでもない映画で、ミッシェル・ルグランのテーマ曲もスクリーン名曲集に必ず選ばれる。と、まぁここまで一応紹介す…

映画感想「ペーパーバード 幸せは翼にのって」

ピカソの「ゲルニカ」で有名なスペイン内戦、フランコ独裁政権下のスペインを舞台に独りの喜劇役者ホカエと彼の基に身を寄せた少年ミゲルの物語を通じて描く暖かい人間ドラマである。作品としては平凡なもので特に目を引くところもない映画ですが、ストレー…

映画感想「肉体の門」「秋津温泉」「大地の子守歌」

「肉体の門」 圧倒的な映像美学で描ききる戦後混乱気の姿は、鈴木清順監督の美学の真骨頂かもしれません。しかも、木村威夫の美術セットもすばらしい一本でした。画面の半分にオーバーラップのように映し出される人間の顔のテクニックや、冒頭部分のハイスピ…

映画感想「ミラル」「日輪の遺産」

「ミラル」 パレスチナとイスラエルは未だ完全な和平を結んでおらず半ば内戦状態である。この映画はイスラエルがイギリス統治から独立したものの、内戦状態となり、そんな折り、私財をなげうってパレスチナの孤児たちのための学校ダール・エッティフルを設立…

映画感想「安城家の舞踏会」

昭和二十二年の作品であるが、そのカメラテクニックのすばらしさ、突出した映像演出の秀逸さに度肝を抜かれる傑作でした。時がたっているのでかなりフィルムは痛んでいるのですが、巧みにピントを送りながら次々と人物に焦点を移していく演出の見事なこと。…

映画感想「ハウスメイド」「神様のカルテ」

「ハウスメイド」 映画検定にも出題されるキム・ギヨン監督の怪作「下女」を基にした作品で、リメイクではない。従って、ストーリーが全く違う。設定や、前提、展開は似通っているが「下女」がホラー映画としての様相をきっちりと備えていたのに対し、この「…

映画感想「未来を生きる君たちへ」

アカデミー外国語映画賞とゴールデングローブ賞のW受賞をしたスサンネ・ビア監督の話題作である。 繊細すぎるほど感受性に優れた映像が語る、復讐と争いを焦点にした人間ドラマである。美しい自然の風景から映画は幕を開ける。そこはアフリカの僻地のようで…

映画感想「ヒマラヤ 運命の山」

ドイツの登山家ラインホルト・メセナーとギュンター・メセナーの兄弟がヒマラヤ登頂に臨んだときの悲劇を描いた実話の映画化である。最近見たこの手の作品として「アイガー北壁」があるが、あの作品と雲泥の差のある作品でした。映像センスが全くないのであ…

映画感想「グッド・ハーブ」「人生、ここにあり!」

「グッド・ハーブ」 メキシコ映画で、予想はしていたが、本当に静かで落ち着いた作品でした。まぁ、悪くいうと退屈だったといえなくもないのですが。主人公ダリアはシングルマザーで、母のララは有数の植物学者である。息子はまだ幼い。 ダリアの職業は地元…

映画感想「うさぎドロップ」「ハンナ」

「うさぎドロップ」 宇仁田ゆみのコミックを原作にしたたわいのない映画であるが、監督のSABUという人、結構好きなのである。 この監督、非常に映像感覚といい、ストーリーテリングの感性といい、音楽センスといい非常にバランスがとれているからなので…