「でっちあげ〜殺人教師と呼ばれた男」 実話とは言え、綾野剛の圧巻の演技と、観客の気持ちを逆撫でするようなストーリー構成、意味ありげな斜めの構図などで、ぐいぐいと映画に引き込まれてしまいました。さらに、決して拍手するようなハッピーエンドであっ…
「ババンババンバンバイアイア」 何の中身もないふざけたギャグアニメ、いやギャグ映画だった。何の中身もないから、何も考えずに馬鹿馬鹿しい笑いに乗って笑えるのだからこういう映画もあって然るべし。程よくまとめた脚本は面白いのですが、演出側に笑いの…
「夏の砂の上」 静かで上品な映画でした。元々戯曲なので、物語の構成や空間の設定は舞台劇を思わせるところもありますが、長崎の狭い階段状の通路を多用した映画的な作りの工夫も見られ、芸達者な役者を配した展開の面白さを見せながら、時間を切り取った流…
「F1/エフワン」 シンプルに面白かった。細かいカットで緊張感を生み出し引き込むオープニング、ローアングルで疾走するレーシングカーを捉える緊迫感、そしてさりげなく盛り込んでいく二人の男のヒューマンドラマ、それぞれがさりげなく絡み合って、ラスト…
「カーテンコールの灯」 話が整理できていないのか、語り方が悪いのか、はたまた演出が悪いのか、ロミオとジュリエットの舞台劇と現実を重ね合わせた展開ながらどっちも中途半端で、現実部分の背景が最後まで見えてこない上に、舞台劇との交錯もはっきりしな…
「パフィンの小さな島」 子供向けの童話のようなお話なのですが、シンプルで美しい色彩と絵に引き込まれているうちに、物語にのめりこんで楽しんでいました。このシリーズは、絵も綺麗なのですが、とにかくお話の展開がとっても良くできているので好きです。…
「ブリジット・ジョーンズの日記」 イギリス映画らしい洒落たラブコメ。何をやっても裏目に出る主人公ブリジットと如何にもいけすかない周りの男達のドタバタ劇を中心に、ブリジットに絡むちょっと個性的な脇役とのコラボレーションが面白おかしく楽しく仕上…
「螢の光」 若尾文子特集で見にきたレア映画。たわいない人間ドラマという一本ですが、こういうゆるいお話は気楽に見れるから良い。監督は森一生。 着物の縫箔師の娘玲子が、巧みに自身のデザインの柄を刺繍している場面から映画は幕を開ける。両親が死に、…
「罪人たち」 これは傑作だった。ヴァンパイア映画ではあるけれど、縦横無尽なカメラワークと自由な映像表現は、ヴァンパイア映画のさらにワンランク上をいくメッセージを見せつけてくる。1932年という時代設定、KKK団の存在、極端な黒人差別の時代の描写、…
「メガロポリス」 フランシス・フォード・コッポラ監督が仕掛けた壮大な寓話という一本。アメリカを大帝国ローマに見立てて、近未来なのかSFなのか、ファンタジーなのか、現代アメリカを揶揄したものか、未来への希望を描かんとした大叙事詩という映画だった…
「風と共に去りぬ」 生涯のベストワンムービーを人生最後かもしれない鑑賞。もう何回見ただろうか、これだけの大作なのに全く間延びしないし、無駄のないストーリー展開に驚かされるが、それ以上に、贅沢極まる俳優達に拍手してしまう。これこそ世界遺産と言…
「ドールハウス」 日頃ホラーを作っていない人が、過去のさまざまなホラー作品をもとに作り上げた感満載で、終盤がああでも無いこうでも無いと次々と二転三転させるのだが、全く鮮やかさがなくダラダラと流れる。純粋にホラー映画だが、特に目新しい面白さも…
「リライト」 尾道を舞台にし、尾美としのりを出演させたりして大林宣彦監督の「時をかける少女」にオマージュを捧げながら描くタイムトリップ青春ムービー。と言えば感じがいいが、全体がちょっとぐだぐだしていて、すっきりと展開していかない軽いタッチの…
「我来たり、我見たり、我勝利せり」 狂っている。まさに狂った映画。なるほど、解説にもあるように資本主義の終末的な世界をブラックユーモア然として描いた作品である。物語は寓話であるが、何やら合いの手のような奇声が挿入される効果音、殺人が普通に起…
「JUNK WORLD」 「JUNK HEAD」の続編、というより1042年前、つまり前段の物語。今回は時間軸を繰り返すという展開になるので、後半はひたすら同じシーンとズレて変化した場面を繰り返していくので混乱というより面白い。しかもゴニョゴニョ日本語字幕版とい…