くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「わたしのお医者さま」

ブリジッド・バルドー生誕祭の一本で本日見てきました。なんと共演はあの「ベニスに死す」のダーク・ボガードなのですが、「ベニスに死す」のイメージとはほど遠い軽いムードの診療助手という役柄、しかも回りが大きいせいか非常に小柄にみえて貫禄も何もな…

映画感想「冬の小鳥」

1975年の韓国を舞台に、父親に児童養護施設に預けられた一人の少女ジニのもの悲しくも、運命を受け入れて新たな旅立ちをしていくまでを散文詩のような映像とストーリー展開で描いていく話題作を見てきました。黒バックのタイトルが終わるとひとりの少女…

映画感想「芙蓉鎮」

中国文化大革命を背景に、一人の女性の半生を通じて、激動の時代に翻弄されていく人々の姿を重厚なカメラで描いた中国映画の秀作を見てきました。 横長の画面で大きく俯瞰でとらえた架空の街芙蓉鎮の甍の町並みの隙間からみえる村人の姿や、傾けたカメラによ…

映画感想「北京の自転車」

ベルリン映画祭で銀熊賞、審査員グランプリ、新人男優賞を受賞したにもかかわらず未公開だった2000年制作のまぼろしの映画である。 オリンピック開催前の北京を舞台に、著しく経済成長していく都会の姿と、一台の自転車が仲介となってふたりの青年の姿を…

映画感想「雷桜」

年末大型時代劇のごとき作品、といえばちょっと言い過ぎかもしれないが、どうも今一つ映画としてのリズムが沸いてこない作品でした。廣木隆一監督の演出は非常に長回しを多用し、演技者にしっかりとそのシーンの機微を伝えてくることが特徴だといえますが、…

映画感想「インシテミル7日間のデスゲーム」

原作のあるミステリーであり、中田秀夫監督作品、しかも綾瀬はるか、石原さとみ、藤原竜也などそうそうたるキャストを従えてホリプロ50周年企画と言うことで期待も半分あったのだが、何とも平凡な作品でした。しかも、原作の欠点か、脚本の欠点か、穴だら…

映画感想「ペルシャ猫を誰も知らない」

イランの音楽活動をする若者たちの物語である。バンドが奏でる音楽が始まると映像が踊り出す。自由気ままに撮影されたバイタリティあふれるカメラワークは時にピント合わせさえも無視し、ピンボケのままにシーンが展開したりする。真正面からとらえるなどの…

映画感想「エクスペンダブルズ」「大奥」

「エクスペンダブルズ」 とにかくやりたい放題に、叩きのめすは殴るは蹴るは投げるは、はたまた破壊の限りを尽くして爆破するはと、アクションシーンの固まりである。しかも、そのアクションシーンが実にスピーディで歯切れがいい上に小気味良いからすかっと…

映画感想「桜田門外ノ変」

歴史の史実を描いたドラマは時面白味に欠け、ただ重厚な作品のみに仕上がる傾向があるが、今回の作品はさすがに佐藤純彌監督、それなりの人間ドラマに仕上げていました。映画はクライマックスの桜田門外での井伊大老襲撃の場面から始まります。現代の桜田門…

映画感想「プチ・ニコラ」

本当に楽しい映画です。 映画が始まると、飛び出す絵本にイラストが書かれ、それが動きながらタイトルがその中につづられていきます。数ページ写された後で画面は小学校の教室の一室。主人公ニコラが通う学校です。先生が生徒たちに「将来なりたいものお書き…

映画感想「ナイト&デイ」「七瀬ふたたび」

「ナイト&デイ」 映画が始まるとノンストップアクションの連続。撃つ、逃げる、飛び跳ねる、次々と繰り返されるアクションの連続にスクリーンから目を離せない。ただ、見終わった後、その感覚しか残っていないのが今一つ残念な一本でした。ストーリーはいわ…

映画感想「乱暴と待機」「ナイト・トーキョー・デイ」

「乱暴と待機」 ちょっとおもしろいのじゃないかなという不思議な期待で見に行った映画、何とも始まってから最後まで訳の分からない支離滅裂な展開に何ともいえない思いで劇場をでる結果になってしまいました。原作があるので、原作のファンがそれなりに集ま…

映画感想「死刑台のエレベーター」

いまさら言うまでもなくオリジナルは1957年巨匠ルイ・マル監督のデビュー作にして映画史に殿堂入りしている傑作である。したがって、当然、マイナスイメージから観客の視線を受けることになるだけでも不利といえる。しかし、凡人監督ならまだしも、才能…

映画感想「スープ・オペラ」

不思議なファンタジー映画です。現実のような夢のような画面が展開するのは奇妙な感覚です。ただ、この映画は全く宣伝を見なかった。なぜかわかりませんが、知識なしに見た作品の新鮮なおもしろさを味わうことができました。映画が始まると、すでに閉園にな…

映画感想「おにいちゃんのはナビ」

映画自体は本当に素っ気ない平凡な作品である。悪く言えばテレビのスペシャル番組程度のレベルの作品で取り立てるところはどこにもない。 というのは、当初から予想はついていたのだが期待を裏切らなかった。ただ、この映画はちょっと期待している谷村美月が…

映画感想「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」

衝撃的な映像作品に出会いました。正直、石井隆監督作品をスクリーンで見たのははじめてなので、なおさら衝撃だったのかも知れません。 映画が始まると、いきなりうさんくさいおっさんが一人の女、桃に殴りかかり襲いかかっています。回りにその女の母(大竹…

映画感想「シングルマン」

映像美に優れた久しぶりの秀作に出会いました。監督はトム・フォード、ファッションデザイナーでグッチやサン・ローランを世界的な企業に導いた立て役者です。めくるめくような陶酔感を味わえる独特のリズムに彩られたカメラワークと色彩演出が本当に美しい…

映画感想「十三人の刺客(2010)」

言わずと知れた1963年工藤栄一監督が演出した娯楽時代劇のリメイク作品である。 オリジナル版の脚本を踏襲し、シーン展開からプロットの組み立てまで基本的なストーリー展開をほぼ忠実に追っていく。 映画は脚本で決まると言った黒澤明監督の名言通り、…

映画感想「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」

いよいよ壮大な三部作のミステリーの完結編。 すべての謎が次々に解決されていって、物語が収束に向かう展開なのでおもしろい。二時間半あるにもかかわらず片時も目を離せないほどにストーリーに引き込まれてしまいました。「ミレニアム2 火と戯れる女」の…