2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧
「デトロイト」 1967年にデトロイトで起こった暴動事件の時にアルジェ・モーテルで起こった警官の暴行殺人事件を描いた作品ですが、手持ちカメラと寄りを中心にした構図にドキュメントタッチで描く迫真の画面は胸に迫ってくる緊張感が途切れず、2時間以上あ…
「祈りの幕が下りる時」 東野圭吾原作ものは今のところ成功したものが少ないが、今回は素直に泣いてしまいました。東野作品の真骨頂の人間ドラマの部分が見事に描き切れていたためです。おそらく、松嶋菜々子を始め、配役にしっかりとした芸達者をさりげなく…
「ダークタワー」 スティーブン・キングのライフワークともいうべき壮大なファンタジーの映画化ですが、綺麗にまとめられた脚本が職人技を感じさせるちょっとした大人のファンタジーアドベンチャーに仕上がっていました。監督はニコライ・アーセルです。どこ…
「アランフエスの麗しき日々」 ペーター・ハントケの舞台戯曲を映像化したものですが、全編会話劇だあるために、正直しんどいです。ただ、カメラワークやカットの切り返し、音楽の変化などでリズムを作り出していくヴィム・ヴェンダース監督の感性はなかなか…
「嘘を愛する女」 もう少し、ハラハラドキドキ的なサスペンス食があってもいいのではないかと思う。淡々と進むストーリーと先の読めるエピソードの積み重ねは最後の真実の意外さで一気にラストへなだれこまさんとするお膳立てなのだが、それでもその配分が悪…
「お琴と佐助」 何度も映画化された谷崎潤一郎の春琴抄の映画化である。山本富士子のスター映画なので、それはそれで十分楽しめる一本でした。監督は衣笠貞之助ですが、映画としての出来栄えは普通というレベルだったかと思います。物語は今更なので書きませ…
「瞳の中の訪問者」 手塚治虫の「ブラック・ジャック」の中の話から映画化したもので、大林宣彦監督作品の中では凡作の一本という感じでした。色使いや展開などは彼の空気感が濃く出ていますが、まるで映画少年がお金を任されて商業映画を撮ったという感じの…
「喰べた人」「Complexe=微熱の瑠璃あるいは悲しい饒舌ワルツに乗って葬列の散歩道」「EMOTION=伝説の午後・いつか見たドラキュラ」 大林宣彦監督色の自主映画三本をみる。若さ、そして映画青年の息吹を感じる三本でした。 ひたすら食べる人を撮りながら、…
「レディ・ガイ」 久しぶりのウォルター・ヒル監督作品でしたが、かつてのキレはなく、ひたすら説明シーンだけが目立つB級アクションテイストの作品でした。顔面に包帯を巻かれた人物のアップから映画が始まる。少し時間が遡り、ヤク中の男がピンボールをし…
「伊藤くんAtoE」 もっと箸にも棒にもかからない映画かと思ったが、意外とのめり込んでしまった。おそらく原作がいいのだろう。それにクライマックスの岡田将生と木村文乃の長ゼリフの掛け合いのワンカットが素晴らしい。監督は廣木隆一。シナリオセミナーで…
「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!」 これというほどもないいわゆる戦争アクション。リュック・ベッソンが脚本、制作を担当しているからという程度で見にいった。まぁ、普通に面白いというレベルの一本でした。監督はスティーブン・クォーレ。第…
「5パーセントの奇跡〜嘘から始まる素敵な人生〜」 実話を基にした物語ですが、全体に非常に軽快でノリのいい作品に仕上がっていて、見ていて全く退屈しないし、障害者を扱った物語ながら、無用な暗さを排除した脚本が良かった。ただ、主人公サリーの実生活…
「みだれ髪」 泉鏡花原作の映画ですが、かなり荒い脚本とストーリー展開の一本。監督は衣笠貞之助ですが、作品的には中レベルのものでした。材木問屋の夏子が板前の愛吉の喧嘩の巻き添えで大怪我をし病院に担ぎ込まれるところから映画が始まる。その病院の若…
「白子屋駒子」 話はかなり荒いのですが、竹垣や透かしなど日本家屋独特の美術を効果的に利用した三隅研次監督の映像演出が実に美しい。物語はいわゆる悲恋物語。老舗の材木商白子屋の長女駒子は番頭の忠八に惚れている。しかし、身分違いの恋で叶うことはな…
「私は、幸福(フェリシテ)」 とにかく、暗くてしんどかった。たしかにキンシャサの生活描写は必要であるし、そういう話だから、それもありなのだが、この作品がベルリン映画祭銀熊賞受賞という肩書きがどうも良くないのです。ドキュメンタリータッチの手持ち…
「女の一生」 モーパッサンの名作を映像化した作品ですが、映画として特に秀でていないものの文芸大作としての格調は崩さずに仕上がっている良心的な一本でした。原作を読んでいませんが、一人の主人公の半生が描き切れていたと思います。監督はステファヌ・…
「ペーパー・ムーン」 40年ぶりくらいに見直した。流石に名作とはこういうものだと納得する。しかも、テータム・オニールが可愛いし、演技が抜群にうまい。当時、人気を集めてしまったのも改めて納得しました。監督はピーター・ボグダノヴィッチ。広い墓地の…
「アニー・ホール」 ほぼ40年ぶりでしょうか、懐かしい思いと、あまり映像を覚えていない気がして見直した。こんな脚本は流石にウディ・アレンでないとかけないし、見事なものだと思います。ただ、機関銃のようなセリフの応酬はまさに絶頂期という感じで、必…
「古都憂愁姉いもうと」 決して名作とかそういう類の映画ではないのですが、地に足がついた日本映画という佇まいを見せる作品でした。俳優陣がしっかりしているというのもありますが、やはり、スタッフも含め、その根底から築きあげた上での技が見られるとい…