2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧
「BOLT」 「BOLT」「LIFE」「GOOD YEAR」の三話のオムニバス形態のドラマで、福島原発事故を中心にしたメッセージ性が強い作品ながら、さすがに映画としてちゃんと組み立てられているから見事です。監督は林海象。 BOLT 東日本大震災で地震と津波で原発内の…
「赤い影」 初公開以来のスクリーン鑑賞。やはり面白かった。赤い物をあちこちに散りばめて、小さな伏線を配置した不気味な映像展開はわざとらしいながらも、それを映画として楽しむ作品に仕上がっています。監督はニコラス・ローグ。 沼地に降る雨の水、赤…
「赤い唇」 ストーリーに緩急のリズムがほとんどないので、ちょっとダラダラ感が感じられなくもないですが、スタイリッシュな映像と美しい構図、赤と青のフィルターを多用した画面はなかなかのホラー映画でした。監督はハリー・クーメル。 列車の中、新婚カ…
「SING シング/ネクストステージ」 一作目も楽しかったので、今回も見に行く。歌のシーンは最高に楽しいけれど、そのほかは普通のアニメでした。ここがディズニーとの大きな差かもしれません。絵も美しいし、曲もいいし、歌声も素晴らしい。それだけで十分…
「アンビュランス」 大胆でスピード感が物凄いカメラワークがとにかく面白くて、全編見せ場だけと言っても過言ではないエンタメ映画でした。冒頭部分のみ僅かなドラマがあって、後はひたすらカーチェイスの追っかけ劇なのですが、いつのまにか収拾がつかなく…
「ナイトメアー・アリー」 たまたまフィルムノワール特集で見た「悪魔の往く町」と同じ原作、つまり二度目の映画化作品で、旧作をバージョンアップした映像を堪能できる秀作でした。やはりギレルモ・デル・トロ監督の絵作りは少々シュールでダークですが、見…
「黒猫」(1934年版) いくら古い映画とはいえ、唐突に展開する物語がなんともいえない映画でした。エドガー・アラン・ポー原作なのにほとんど原作とは関係のないストーリーで、申し訳程度に黒猫が出るだけのマッドサイエンティスト映画。ボリス・カーロフとベ…
「ベルファスト」 いい映画ですね。北アイルランドの厳しい歴史の1ページなのに、心に染みる家族の物語、人と人のつながりの物語が胸に迫ってきます。モノクロームの力強い映像が素晴らしい作品でした。監督のケネス・ブラナーの自伝的な作品です。 カラー映…
「金の糸」 これは傑作だった。空間を巧みに使った絵作りが見事。画面の隅々、台詞の隅々まで隙がないので、全て理解できているのかわからないくらいの完成度の高さに圧倒されます。旧ソ連だったジョージアの歴史的背景まで読み解ききれないのが本当に残念で…
「ガンパウダー・ミルクシェイク」 なかなか面白かった。絵作りがとっても面白いし工夫が見られる。さらにアクションシーンに、これでもかと言うアイデアが満載で、次はどうなるかとっても楽しい。その上、クライマックスのクラシカルな図書館やレトロなカフ…
「KAPPEIカッペイ」 全くバカバカしい映画なのですが、乗ってしまうとひたすら笑いにハマっていく。決して一級品ではないが、脚本が抜群にいいので、とにかく楽しく、テンポ良く笑える一本。これもまた映画の醍醐味です。監督は平野隆。 人里離れた絶海の島…
「麻希のいる世界」 それほど期待していなかったのですが、とってもいい映画でした。映画としての出来栄えもしっかりしてるのですが、演じている役者さんもレベルが高い。普通の青春ムービーのようでいて、辛辣なところはちゃんと描かれている上に、物語が深…
「ウエスト・サイド・ストーリー」 二回目の鑑賞です。ミュージカルナンバーは、流れるたびにまたまた涙ぐんでしまうし、大胆なカメラワークと旧作で描ききれなかった人間ドラマが丁寧に描写できていたのをあらためて発見。スピルバーグのウエストサイド物語…
「巴里のアメリカ人」 ほぼ四十年ぶりにスクリーンで見たが、この映画の価値は、今見てこそわかるものかもしれない。物語の組み立ての素晴らしさ。単純な恋愛ドラマなのに、忍び込ませたさりげないサスペンスがラストシーンまで観客を逃さないし、なんと言っ…
「桜桃の味」 いい映画です。映像が物語の展開を見せていくという演出感性の素晴らしさにラストは引き込まれて行きました。素朴で殺伐とした景色が、色合いを帯びてきて、どんどん人間味を映し出していくクライマックスが特に素晴らしい。監督はアッバス・キ…
「風が吹くまま」 クオリティの高い秀作でした。大きなドラマ展開はないので物語は退屈といえば退屈ですが、淡々と繰り返す画面、美しい構図、素朴な景色を見事に切り取ったカメラアングル、そして、映像のリズムで見せる演出が素晴らしい。クライマックス、…
「アンネ・フランクと旅する日記」 アンネの逃亡生活とナチス侵攻の悲劇を移民問題に重ねて描く人間ドラマという感じの一本で、絵の美しさとファンタジックな筋立てが魅力のアニメーションでした。監督はアリ・フォルマン。 オランダアムステルダム、現代か…
「イングリッシュ・ペイシェント」 アカデミー賞の貫禄十分な名作です。約30年ぶりの再見ですが、やはり素晴らしかった。二つの時間と二つのラブストーリーを巧みに組み合わせながら、それぞれが切ないラストシーンへ収束していく展開の見事さに圧倒されます…
「MEMORIAメモリア」 「ブンミおじさんの森」もそうだったが、結局なんのことかはっきり理解できない映画だった。どこを評価してカンヌ映画祭審査員賞とか、巨匠の作品という振り分けになるのかわからない。不思議な空気感とテンポで見せる、記憶の奥底に残…
「余命10年」 原作の弱さを、岡田恵和の脚本と藤井道人監督の映像センスで映画として完成させたという感じの、非常にクオリティに高い難病もの映画でした。物語の流れは最初から見えるのですが、ストレートな展開の合間に細かいシーンを繋いで次へ進む主人公…
「上流社会」 グレース・ケリー最後の出演作。これは楽しい映画でした。わずか二日間の物語ですが、エンタメ感が詰め込まれているし、グレース・ケリーの存在感とお芝居がとってもキュートで飽きさせずにラストまで行きます。主演なのに、ミュージカルなのに…
「紳士は金髪がお好き」 この時代の映画は華やかで楽しい。傑作というわけではないものの、見ていて映画という夢の世界に引き込まれてしまいます。マリリン・モンロー、ジェーン・ラッセルの存在感も素敵、楽しめました。監督はハワード・ホークス。 アメリ…
「グラディエーター」 二十年ぶりの再見。やはり名作です。圧倒的な人間ドラマに画面から目を離す瞬間が一度もなかった。ここまで描かれると、もはやスペクタクルなコスチュームものの範疇を超えています。傑作ですね。監督はリドリー・スコット。 ゲルマニ…
「オリーブの林をぬけて」 素朴な景色に中に、まっすぐな男女の恋愛模様を、これまた純粋そのものに描いていく。なんの飾り気もない映像と、繰り返されるカット、延々と捉えるカメラ、これは職人技というほかない映画です。なんの変哲もないのに心にしんみり…
「ライフ・ウィズ・ミュージック」 ミュージシャンが映画を監督するという事で、ほとんど期待していなかったのですが、これが思いのほかとっても素敵な映画でした。ポップな映像と音楽が映画全体をリズミカルに踊らせていく感じが楽しいし、登場人物の頭の中…
「ビクター/ビクトリア」 なるほど名作ですね。登場人物の隅々まで行き渡った演出と、洒落たコミカルシーンを散りばめた展開、軽妙な話なのに、どこか奥の深いメッセージ、とっても楽しかった。監督はブレイク・エドワーズ。 1934年パリ、ホモのトディのベ…