2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧
「春に散る」 決して出来のいい映画ではないのですが、素直に良かった。導入部分は今ひとつ精彩にかけるのですが、少しづつ良くなってくる。ボクシングシーンが抜群に良いし、役者がとにかく素晴らしい。これだけボクシングができる役者を揃えたことがまず成…
「Gメン」 原作が面白いのだろうが、結構楽しめました。演技ができない役者がほとんどということで細かい編集で誤魔化したのも、かえってそれなりにテンポ良くなって楽しかった。せっかくの芸達者の脇役が生きていないのと、下手な脚本は少し勿体無いのです…
「アウシュヴィッツの生還者」 良質の映画なのですが、脚本がよくないのか、ストーリーに焦点が定まっていなくて、エピソードの羅列で淡々と描かれ、しかも過去と現代を繰り返す構成で非常に長く感じられてしまった。実話を元にしているのですが、いいお話な…
「君は行く先を知らない」 イランという国がわかっていないからわからないのか、表現演出が未熟な映画だからわからないのかなんともおかしな作品だった。全ての謎が結局明かされないし、奇抜なシーンや美的なシーンを次々と挿入してくるのですが、それが物語…
「カールじいさんのデート」 アカデミー賞をとった「カールじいさんの空飛ぶ家」の後日談の短編。監督はボブ・ピーターソン。 カールじいさんと愛犬のダグ、今やダグも老犬である。そこへカールじいさんはマイヤーさんからデートに誘われる。亡き妻に申し訳…
「ふたりのマエストロ」 アカデミー外国語映画賞ノミネートされたイスラエル映画「フットノート」の設定変更のリメイク。オーケストラ指揮者という設定に変更したのは良いが、映画的なビジュアルのためだけを目指した素人アイデアの焼き直し映画で、クローズ…
「アルゴ探検隊の大冒険」 レイ・ハリーハウゼンの特殊撮影が有名な一本、学生時代以来のスクリーン鑑賞。物語はかなり荒っぽいが、特撮場面は今見ても目を見張るほどに面白い。特撮は決してスムーズに動けば良いものではないというのを証明したような映画で…
「バービー」 もっとファンタジックで面白いはずなのですが、盛り込みたいメッセージが先走ってしまってエンタメが追いついていかず、結局、どこかチグハグなままに終わった感じがした。画面の色合いといいマーゴット・ロビーのキュートさといいとってもいい…
「ママと娼婦」 3時間40分近い長尺な中、延々と展開する三角関係のドラマは、不思議なほどに退屈しないのだけれど、唐突にエンディングを迎えることで、題名の意味を把握できないままに見終わった感じでした。先日見たこの監督の作品と少し構図が変わって、…
「わるい仲間」 青春の一ページという感覚のどこかみずみずしさを感じられる作品で、手持ちカメラと固定カメラを併用して街に出た映像が心地よい一本でした。監督はジャン・ユスターシュ。 友達のジャクソンが待つカフェに友人がスクーターでやってくるのを…
「クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男」 鬼才クエンティン・タランティーノのドキュメンタリー。映像のテンポがとってもいいので、全編楽しくて仕方なかった。過去作品を見ているというのもあるけれど、インタビューを受ける俳優やスタッフが楽…
「鏡の女たち」 さまざまな過去がある女のドラマを執念のように描いていく重苦しい作品で、少しくらい息を抜いたらいいと思うが徹底的に深みへ深みへ突き落としていく演出は、さすがと言えばそれまでだが、しんどかった。映画のクオリティはトップクラスなが…
「樹氷のよろめき」 なんとも言えない、行き詰まった感じのする映画だった。それは演出面でも、やたら被写体を回転して捉えるシーンが繰り返されるし、エピソードの合間合間の魔の抜けたような音楽の挿入、さらに演者も、どういう意味かわからない戸惑いの見…
「セフレの品格 決意」 前編のちょっと癖のある物語から、一転して純粋な恋愛ドラマになった感じはしますが、脇に入った高石あかり石橋侑大の存在が彩を与えて、面白い作品になった気がします。監督は城定秀夫。 一樹と抄子が蝋燭の明かりの元SEXしている場…
「凍河」 それぞれの登場人物のお話が空回りしているように見えるけれど、原作がしっかりしているのか、それなりの人間ドラマに仕上がっていました。ただ、主人公竜野と阿里との恋愛部分が妙に薄っぺらく見えたのはちょっと勿体無い感じでした。監督は斎藤耕…
「炎と女」 時間と空間を前後交錯させて語るシュールな表現と、ハイキーでガラス越しや透明なビニール傘越しに捉える芸術的な映像が織りなす若干難解な作品ですが、素晴らしい傑作でした。人工授精で子供を授かった夫婦の苦悩、男と女の真実の愛情そんな様々…
「地球防衛軍」 ミニチェア特撮の面白さと、次々出て来る新兵器を楽しみながらの典型的な東宝特撮映画という感じで、今となっては少々幼稚なのだが、当時としては画期的な特撮シーンの数々、しかも時代を反映した意外にしっかりしたストーリーも楽しい。監督…
「イノセンツ」 北欧ホラーらしい静かで淡々としたストーリー展開と、森の中の集合住宅という郊外の閉鎖的な舞台設定、じわじわと迫って来る恐怖の中に見える子供の残酷さ、そんな様々がシュールな衣を纏って流れていく様が独特の魅力のある映画でした。子供…
「バラシファイト」 典型的など素人映画で、とても入場料を取れるレベルではない出来栄えですが、アイデアはとってもいいので、もっとちゃんと作ればよかった。本気の演劇陣を集めて、しっかりと隅々まで演出にこだわればなかなかのエンタメになったろうに、…
「不安は魂を食いつくす」エ 絵作りがしっかりしてめちゃくちゃに美しいし、物語の展開も軽妙に洒落ていて、とっても面白い作品でした。どこかウィットがあるようで実は軽く流すさりげなさがいい。監督はライナー・ヴェルナー・ファスビンダー。 初老に差し…