2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧
「尻啖え孫市」 普通の娯楽時代劇という一本でした。脚本が菊島隆三ですが、物語の構成のバランスが悪いのか、妙に長く感じた。監督は三隅研次。 雑賀孫市が、京都で一目惚れした女を探しに岐阜城下にやってくるところから映画は始まる。そこで木下藤吉郎と…
「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」 例によってポップな映像と展開、独特の色彩感覚と絵作りがとにかく個性的で素敵な映画なのですが、いかんせん物語を追いかけていくのが必死で、結局明確なストーリーを把握できな…
「シカゴ」 いい映画です。好みのタイプのミュージカル演出ではないけれど、ステージとリアルな現実を重ね合わせて一体として描いていく映像の面白さは絶品で、やはり名作と言える映画でした。物語が実にシンプルなので、それがさらにミュージカルシーンを際…
「弟とアンドロイドと僕」 正直全く訳のわからない映画でした。阪本順治監督のプライベートフィルムのような作品で、何か伝えてくるものがあるのか見えない作品。 フードを被った一人の男がこちらに歩いてくる。カットが変わりストレッチャーに乗せられる男…
「ブラックボックス 音声分析捜査」 久しぶりにさすペンス映画の一級品に出会いました。面白い。その一言に尽きます。カメラワークで見せる緊張感と、テンポ良いストーリー展開、ヒッチコックを思わせるクライマックス、登場人物の心理ドラマの変化で見せる…
「コーダ あいのうた」 「エール!」のリメイク。オリジナル版を踏襲しながら思い切った部分を修正した分こなれた作品になった感じです。オープニングの両親のガサツさを下ネタを散りばめて描写したのは、全体に緩急がついてよかったと思いますが、総じては…
「ピストルオペラ」 書割りの舞台劇調のセット、サイケデリックな色彩演出、ギャグかシュールかわからないカット繋ぎ、そしてアングラ劇を思わせる大胆なストーリー展開、正に清純美学満載の映画でした。話はよくわからないのですが楽しい、全編映像を楽しめ…
「クライ・マッチョ」 落ち着いたいい映画ですが、それ以上でも以下でもない普通の作品でした。原作があるとはいえ、ちょっと取ってつけたようなエピソードの羅列になってしまったのは残念ですね。もうちょっと情緒のある映画にしてほしかった気がします。監…
「こんにちは、私のお母さん」 泣きました。久しぶりにこれでもかというほど泣きました。物語は相当に荒っぽいのですが、コメディとシリアス部分とのバランスと配分が抜群にうまくいってる。無駄に美しいCG画面も効果的で、クライマックスには矛盾が散見する…
「東洋の魔女」 1964年東京オリンピックで活躍した日本女子バレーボールチームのドキュメンタリー。映画としての出来の良し悪しはともかく、ラストは涙が出てしまいました。監督はジュリアン・ファロ。 かつての日本バレーボールチームのメンバーが会食して…
「無聲 The Silent Forest」 頭からラストまでなんとも陰湿な映画だった。重層的に掘り下げていく真実がいけどもいけども暗くどんよりと沈んでいく展開はさすがにしんどい。しかし、絵作りは実に美しく、映像表現も意識した演出は評価すべきだったと思います…
「アイム・ユア・マン恋人はアンドロイド」 画面作りも美しいし、端正な映像で上品な作品でした。物語も静かに淡々と流れるし、ドラマも丁寧で、キワモノSF的な雑さがないのが良かった。監督はマリア・シュラーダー。 考古学者のアルマが、あるダンスホール…
「ゲアトルーズ」 こんな映画、凡人監督には絶対に撮れない。まさに傑作というのはこういう映画を言うのでしょうね。淡々と語られる映像のみですが、映像がドラマをうねらせていく展開にぐいぐいと引き込まれてしまいます。しかも、さりげなく配置する鏡や、…
「truth姦しき弔いの果て」 なんだかなあという映画でした。出だしから前半の会話劇の面白さでいくなら良かったものの後半どんどん悪趣味になってくるのは流石に自主映画レベル。三人の女優も精細が欠くし、こういう映画だねという一本だった。監督は堤幸彦…
「天使にラブソングを…」 ウーピー・ゴールドバーグが苦手で見逃していた作品を午前十時の映画祭で初見。これは名作でした。エンタメ映画の作劇の基本が徹底されているし、展開のリズムも実に小気味良い。さらに脇役がしっかりしているので映画にキレが出ま…
「メイン・テーマ」 40年ぶりくらいにスクリーン見直したけれど、いい映画ですね。森田芳光ワールド全開の悪ノリシーンを散りばめながらも映画のテーマがぶれないので、ラストまで楽しめます。映像を楽しめる映画というのは少なくなりましたね。監督は森田芳…
「決戦は日曜日」 それほど期待もしていなかったし、出だし部分は非常にスケールも小さいしょぼいオープニングだったのですが、さりげなく良くなってくる感じで、風刺を効かせながら、みんなが言いたいことがズバズバと出てくる中盤から後半は見ていて小気味…
「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」 なんともための多い演出で、2時間半もいらない物語には参った。しかもお子様映画かと思わせるような展開には苦笑いが出てしまいました。カンパーバッチが出てくる場面だけ映画が締まっていて、あとはゆるゆるの娯楽…
「怪猫呪いの壁」 平凡な怪談ものかと思っていたら、思いの外傑作でした。ストーリー展開がスピーディで面白いし、フィルムの特性を利用した光と影の恐怖演出が実に多彩で、そしてその編集が見事でワクワクしてくるし、特に後半のクライマックスに至ってはも…
「99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE」 テレビスペシャルレベルの作品ですが、大好きな杉咲花、大好きな脚本家蒔田光治トリック担当と言うことで十分に楽しむことができました。監督は木村ひさし。 テレビスペシャルの続編的なオープニングから映画が始まる。南…
「明け方の若者たち」 始まりから終わりまで、隅から隅まで、平凡な映画でした。おそらく原作はもっと味のある物語なのでしょうが、こう言う話は力のある人が演出しないと凡作に仕上がる、と言う典型的な映画でした。まあ、黒島結菜目当てで見に行っただけな…