くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「十字路の夜「面の皮をはげ」

「十字路の夜」 ジョルジュ・シムノンのメグレ警視シリーズの映画化作品。しっかり決まった構図とストーリー展開は、クオリティの高い一本でした。監督はジャン・ルノワール。 一人の女性が新車を盗まれたと喚いているところから映画が始まります。近くに住…

映画感想「かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発」「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」「黄色の部屋」

「かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発」 このシリーズの中では一番良くできた映画だった。普通の展開とラストではあるが、それぞれが丁寧に演出されている。若干、脚本の荒いところもあるがこの程度なら良いかと思います。監督は吉田康弘。 晶と夫の連れ…

映画感想「デッド・エンド」

「デッド・エンド」 さすが、ウィリアム・ワイラー監督という一本で、綺麗に決まった画面と丁寧に紡がれるストーリーのは見事です。1930年代のアメリカ、貧困と富裕層の分離が進む社会背景を的確に描きながら、ヒューマンドラマを描く分厚いストーリーはリリ…

映画感想「グリンチ」「死刑執行人もまた死す」

「グリンチ」(同時併映「ミニオンミニミニ脱走」) やはりディズニーとの作劇の違いがまざまざと出てしまうが、気楽に楽しむ分には面白かった。 幼い頃の寂しい思い出からすっかりひねくれ、フーの村から離れた山奥で暮らすグリンチ。まもなくクリスマス、村…

映画感想「葡萄畑に帰ろう」「サンタクロース殺人事件」「モンパルナスの夜」

「葡萄畑に帰ろう」 ファンタジーコメディという感じの作品で、寓話のような場面がいたるところに散りばめられているのですが、どこかテンポが悪く、正直面白くない仕上がりになっています。監督はエルダン・シェンゲラヤ。 空から一つの箱が落ちてくる。カ…

映画感想「家へ帰ろう」「セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!」

「家へ帰ろう」 良質の作品という印象の一本で、一見コミカルに始まるのだが、次第にシリアスの領域に観客を引き込んでいく脚本がなかなかの映画でした。監督はパブロ・ソラルス。 アルゼンチンに住むアブラハムの家に大勢の子供や孫が集まっている。彼の誕…

映画感想「アリー スター誕生」「シュガー・ラッシュ オンライン」

「アリー スター誕生」 期待しすぎたのかもしれないが、何度も映画化されてきた中でのオリジナリティを追求しすぎたせいか、脚本が今回は良くない。レディ・ガガの歌の映画に終始してしまって、肝心の時間の流れ、ヒューマンドラマの部分が希薄になってしま…

映画感想「パッドマン 5億人の女性を救った男」

「パッドマン 5億人の女性を救った男」 実話を基にしたフィクションであり、幾分か作られたものがあるとはいえ、美談であり英雄譚である。しかし、非常に気分の悪い映画だった。2000年ごろのインドを背景にし、あまりに極端な貧富の差、その中で起こった一人…

映画感想「ムトゥ 踊るマハラジャ」「東京マリーゴールド」

「ムトゥ 踊るマハラジャ」(4Kデジタルリマスター版) とにかく即興で物語がどんどん付け加えられたダラダラ感をひたすら賑やかなダンスシーンで引っ張っていく典型的なインド映画、おそらくこの映画を見た当時の人はその独特の個性に圧倒され、魅了されたの…

映画感想「おとなの恋は、まわり道」「あしたの私のつくりかた」「トニー滝谷」

「おとなの恋は、まわり道」 全編二人だけの会話劇なので、つくりようによっては面白くなるのですが、その間合いがうまくいっていないのでひたすらダラダラと展開してエンディング。面白い作品ながら退屈だった。監督はビクター・レビン。 空港で二人の男女…

映画感想「マイ・サンシャイン」「メアリーの総て」

「マイ・サンシャイン」 1992年ロサンゼルス暴動を背景に描かれるドラマですが、全編バタバタしていて、まとまりのない作品で、どこに視点が置かれているのかわからない映画でした。監督はデニズ・ガムゼ・エルギュベン。 一人の黒人少女が歩いている。とあ…

映画感想「マチルダ 禁断の恋」「いつだってやめられる 闘う名誉教授たち」「暁に祈れ」

「マチルダ 禁断の恋」 どこまでが史実なのかと思うほどにサスペンスフルだし、マッドサイエンティストみたいなのまで出てきてホラーのような空気感、さらにストーカーみたいなのまで出てくるのはどうなんだ。ただ、豪華絢爛、スピーディな展開で面白かった…

映画感想「トキワ荘の青春」「竜馬の妻とその夫と愛人」「たどんとちくわ」

「トキワ荘の青春」 昭和のレトロ感がとにかくノスタルジックで素敵。まるでモノクロ写真を並べたようなフィックスの画面作りもなんとも言えない郷愁を感じさせてくれる映画でした。監督は市川準。 今更説明もいりません。名だたる漫画家を生み出してきた安…

映画感想「ジャイアンツ」「来る」

「ジャイアンツ」 名作という以前に大好きな映画なのです。監督はジョージ・スティーブンス。 やっぱり良かった。これだけの大河ドラマなのに全く飽きないストーリー構成と展開のリズムの完成度に圧倒されてしまいます。そしてクライマックスにジェットが酔…

映画感想「病院で死ぬということ」「ざわざわ下北沢」「東京兄妹」

「病院で死ぬということ」 病室をフィックスで捉えたカメラの中で展開する様々な人間模様。独特の演出が逆に心に染み渡る感慨を生み出してくれました。監督は市川準。 ある病院の病室。カメラは三人のベッドを写し、一人の老人が窓際でクワガタを見つけるシ…

映画感想「バルバラ セーヌの黒いバラ」「彼が愛したケーキ職人」

「バルバラ セーヌの黒いバラ」 全体が音楽劇のようなまとまりのある作品で、特にドラマティックなストーリーは存在せず、ドキュメンタリータッチの映像が綴られていく。玄人好みのクオリティの高い作品でした。監督はマチュー・アマルリック。 新作映画でシ…

映画感想「恐怖の報酬」「BU・SU」「東京夜曲」

「恐怖の報酬」(完全オリジナルバージョンリマスター版) 絶頂期だったウィリアム・フリードキン監督が、アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督の名作に臨んだ一本で、当時かなりカットされての公開だったものをオリジナル版でリバイバルした。初めて見た時も思…

映画感想「バグダッド・スキャンダル」「斬、」

「バグダッド・スキャンダル」 実話を元にしたベストセラー小説の映画化作品ですが、実際の事件を丁寧に描写はできていますが、サスペンスとしての面白さには少し物足りなさを感じました。監督はペール・フライ。 わずか24歳で国連事務次長の特別補佐官に任…

映画感想「会社物語」「ノーライフキング」「つぐみ」

「会社物語」 細かいカットの積み重ねで物語を紡いでいく独特のタッチが面白い。監督は市川準ですが、彼の作品はほとんど見ていないので、なかなか楽しめました。 主人公花岡は、間も無く定年を迎えるサラリーマン。いつものように通勤電車に乗り、会社では…