2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧
「GAGARINE ガガーリン」 ファンタジックな映像表現がなかなか素敵な作品でした。無重力を描写する左右に傾くカメラアングルと、現実の物語ですがどこか幻想的な雰囲気と、何気なく展開する青春ラブストーリーも美しいちょっとした佳作です。監督はファニー…
「ナイル殺人事件」 久しぶりにミステリー大作というのを堪能しました。面白かった。前半三分の一の観光映画のような出だしから中盤の愛憎劇と殺人事件、そして終盤、一気に謎が解決する三段仕立ての構成もわかりやすいし、娯楽映画として完成されています。…
「ゴヤの名画と優しい泥棒」 若干脚本が弱いのが残念ですが、ゆるゆるほのぼのした心地よい映画でした。実話とはいえ、本当に昔は良かったななんて感じてしまいました。ロジャー・ミッシェル監督の遺作。 時は1961年、絵画の窃盗で捕まったケンプトンが法廷…
「マヤの秘密」 なんとも後味の悪い歪んだメッセージの映画だった。そもそも登場人物の動機付けが全くできていないのと、サスペンスタッチの割にはフェイク描写がひたすら主人公マヤの異常さのみで突き進む不自然さ、舞台を1960年代に設定したわざとらしい意…
「ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ」 なかなか良質の作品ですが、登場人物の関係性が理解できずに困りました。主人公ビリーと彼女が慕ったジミーの物語を中心に流れているようですが、メッセージの中心になる「奇妙な果実」の曲の存在がちょ…
「白い牛にバラッド」 近年のイラン映画はほとんど外れがない。この映画も相当に見応えのある1本でした。サスペンスフルな展開と、微妙な人間ドラマ、そして厳格な法制度の矛盾を巧みに織り交ぜた物語にどんどん引き込まれていきました。幻覚かリアルかその…
「ファーゴ」 これは面白かった。淡々と進むストーリーと散りばめられたブラックユーモアの数々、イラストのような絵作りも美しく、まるでジグソーパズルが仕上がっていくような映画でした。名作ですね。監督はジョエル・コーエン、イーサン・コーエン。 真…
「嘘喰い」 適当なキャストと適当な脚本、そして適当な演出、ここまで手抜きの映画を見せられるともはや原作への冒涜に近い。もうちょっと演技演出くらいしっかりやらないとあまりに幼稚すぎて見ていられなかった。特に白石麻衣、ど素人レベルだった。監督は…
「ジャネット」 素人のインディーズ映画のような様相の作品で、ミュージカル仕立てだが下手くそな歌とアングラ劇のような即興の振り付け、そして延々と喋る台詞で全般貫いていく。おそらく意図しての演出なのだろうが、演技演出も構図その他の工夫もない。不…
「アダムス・ファミリー2 アメリカ横断旅行!」 たわいない話ながら、今回もウエンズデイを中心にした物語で楽しめた映画でした。監督はグレッグ・ティアナン。 思春期を迎えたウエンズデイは、どこか家族との間に溝を感じていた。遺伝子研究をする彼女は一…
「ダムネーション/天罰」 映画史上最も美しいモノクロ映像というキャッチコピーで、確かに美しいシーンは多々あるけれど例によって退屈。タル・ベーラ監督のスタイルとなる、左右にパンしたり上下にティルトしたり、ズームアウトしたりをゆっくりと繰り返し…
「ちょっと思い出しただけ」 決して傑作とまでは行かないのですが、小品ながらちょっと素敵なラブストーリーという感じの映画でした。個人的にはこういう映画好きですね。ただ、物語の流れを説明するカレンダーなどのカットの意味を省略しすぎて、最初、どう…
「クレッシェンド 音楽の架け橋」 とってもいい映画でした。テンポがいいし、重い話しながらさりげなくかわす映像のリズム作りが実に上手い。それに、聞き慣れたクラシックを多用した演出も優れています。絵作りもしっかりしてるし、ちょっとした佳作でした…
「欲望のあいまいな対象」 一人の女に翻弄されていく男の姿を描いて、男が女に持つ欲望をアイロニー溢れるタッチで描いていく一品で、コミカルな一方で非常に毒のある展開が面白い。しかも背後に、テロなど不安定な社会情勢を織り混ぜ、一人の女性を二人の女…
「子連れ狼子貸し腕貸しつかまつる」 大映倒産後、若山富三郎が勝つプロで作った満身のシリーズ第一作。多重映像を使った様式美を全面に出し、劇画タッチの演出で見せるややスプラッターな殺陣シーンが抜群に面白い作品。これぞ娯楽映画と言わんばかりに力の…
「前科者」 それほど期待していなかったのですが、物凄い傑作でした。とにかく重層的に展開するドラマが時に表に時に背後に回るストーリー構成が素晴らしいし、最後まで手を抜かない展開の組み立ても圧倒されてしまい、ラストは胸に突き刺さるような衝撃的な…
「シルクロード.com史上最大の闇サイト」 B級サスペンスとしてはなかなか面白かった。実話を元にしているとはいえクライマックスの一捻りは映画としてよく練られた展開だと思います。こういうクレージーな天才がいるからアメリカにAmazonやGoogleが生まれる…
「エル プラネタ」 モノクロームとデジタルワイプを繰り返す作品ですが、どうも何を描きたいのかが見えてこない映画でした。特に絵が美しいわけでもなく、シュールなわけでもなく、その日暮らしの母と娘の日常をただ語っていく感じの作品でした。監督はアマ…