くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2010-01-01から1年間の記事一覧

映画感想「ルシアンの青春」

1944年フランスのとある田舎町を舞台に独りの青年ルシアンの行き場の尾内青春の物語をルイ・マルならではの繊細な完成で描いたラブストーリーである。とはいえ、主人公が生きた時代はドイツによるフランス侵攻のまっただ中、かつユダヤ人迫害という苦難…

映画感想「ブラック・ムーン」

ルイ・マル監督が描くシュールで幻想的な「不思議の国のアリス」の物語。全編に才気あふれるルイ・マル監督の鋭い感性が見え隠れするショットがふんだんに登場し、非現実的なあるようでない物語が展開していきます。解説にもあるように実験的な試みで作られ…

映画感想「最後の忠臣蔵」「人生万歳!」

「最後の忠臣蔵」 細部までこだわった丁寧な演出に演技陣が応えた時代劇の秀作でした。劇的なドラマ展開があるわけではありませんが、ここに描かれるのは男の純粋な生きざま、女の強さ、そして、かつて当然のようにあった日本の美しい心ではないかと思います…

映画感想「デザート・フラワー」

これと言って秀でた映像表現や演出がなされていないにも関わらず、いつの間にか物語の中に引き込まれて最後まで気を抜けない迫力を堪能してしまう。なぜここまで引き込まれ何ともいえない感動と衝撃を受けるのか?それはラストシーンまでわからない。それが…

映画感想「眺めのいい部屋」

ジェームズ・アイボリー監督が描く散文詩のような美しいラブストーリー。しかもシーンそれぞれがまるで絵画のように美しく、色調を抑えたヨーロッパの景色、特にイギリスでの風景の中で戯れる男性たち、着飾った女性たちがまるで名画から抜け出たような映像…

映画感想「トロン:レガシー」

1982年、革命的なCG映画「トロン」が公開されてから約30年、続編として公開された今回の作品はまさに時代が追いついたCG映画でした。 3D映画として公開された作品ですが、特に岸和田にできたImax3Dという最新システムに寄る上映方式で見て…

映画感想「アラビアのロレンス」「五月のミル」

「アラビアのロレンス」 スクリーンでちゃんとみたのは高校生以来である。従って30年近く前になる。しかし、さすがにこれこそ大作、これこそ名作と今更ながら再認識してしまう。4時間近くあるにも関わらず思い返してみても無駄なシーンが一つも見あたらな…

映画感想「さよなら子供たち」「白いリボン」

「さよなら子供たち」 ルイ・マル監督の代表作の一本でもある。 主人公ジュリアンはカトリックの寄宿学校に通っている。そんなところへ一人のジャンという少年が入ってくる。 お互いに仲良くなる二人でしたが、時は第二次大戦真っ最中、やがてドイツの圧制が…

映画感想「モンガに散る」

映画友達の田中さんに絶賛で勧められ見に行きました。 バイタリティあふれる圧倒的な画面づくりと、華麗なほどに繊細な美的センスでサイケデリックに彩られた映像表現はモンガという台湾の一都市での武力抗争の中で青春を謳歌する青年たちの物語にも関わらず…

映画感想「ばかもの」「シチリア!シチリア!」

「ばかもの」 不器用な若者たちの究極のラブストーリー。金子修介監督作品ということもありちょっと期待半分の映画でしたが、二時間あまり、ほとんど退屈を感じずに見終えることができました。非常に淡々とした青春ストーリーですが、さりげなく繰り返される…

映画感想「バーレスク」「キック・アス」

「バーレスク」 とあるアイオワの田舎町のカフェで働く主人公アリ(クリスティーナ・アギレラ)はいつか都会へ出てショービジネスの世界へ入ることを夢見ています。 ろくに給料も払ってくれないカフェの売り上げを持ち出して同僚に別れを告げるとそのままニ…

映画感想「ロビン・フッド」

架空の人物ながら何度も映画になった伝説のヒーローであるが、今回はそんな彼がヒーローになるまでを描いたいわばビギニング物である。しかしながら、戦闘シーンのおもしろさはさすがにリドリー・スコット監督的を射ていると言うほかない。前半から中盤にか…

映画感想「恋人たち」

唐突な物語であるが、アンリ・ドカエの見事なカメラ、ブラームスの美しい調べが何ともいえないロマンティックなラブストーリーに私たちを誘ってくれます。ルイ・マル監督の代表作の一つで、ジャンヌ・モローが抜群に美しい人妻を演じています。映画が始まる…

映画感想「武士の家計簿」「ゲゲゲの女房」

「武士の家計簿」 久しぶりの森田芳光監督作品である。幕末から明治にかけての加賀藩のとある下級武士の物語である。実話に基づくとはいえ、淡々と進む物語はどこかほっとするものがあります。さすがに若い頃のような毒のある演出はなされていませんが、抑揚の…

映画感想「ストーン」「鬼火」「死刑台のエレベーター」

「ストーン」 出だしはドキッとするほどのシーンで始まる。 ぼんやりとゴルフの番組を見る主人公ジャック。時は1960年代くらいだろうか、テレビのタイプで推測される。二階で妻が娘を寝かしつけている。窓の網戸に蜂が止まっていて羽音がブーンと響いて…

映画感想「クリスマス・ストーリー」「好奇心」

「クリスマス・ストーリー」 珠玉の名編というふれこみであったので、かなり期待もしていたのですが、体調が悪かったのもあったかもしれませんがいかんせん、眠くてたいへんでした。物語が平坦である上に、これといって映像にリズムもないように見えるのでよ…

映画感想[SPACE BATTLESHIP ヤマト」

原作アニメをリアルタイムで見て熱狂した世代にとって、今回の実写版は当然のようにけなすために見に行ったようなものである。ただ、救いは「三丁目の夕日」の監督山崎貴監督作品であるという点にかかっていた。さて、この映画、オリジナルストーリーを踏襲し…

映画感想「丹下左膳余話 百万両の壺」「幕末太陽傳」

「丹下左膳余話 百万両の壷」 久しぶりに見直しましたが、やはり何度みてもダイナミックな演出と繰り返しによるウィット満点の笑いの醍醐味に終始にこにこしながらみれる娯楽映画の傑作でした。三味線の音色が不思議なほどモダンに聞こえるし、一見強面の丹…

映画感想「信さん〜炭坑町のセレナーデ〜

平山秀幸監督作品なので、全くはずれでもないだろうと思って出かけた。評判もそこそこに良かったというのもある。 ずば抜けて良かったわけではないけれども、見て損のないきれいなドラマでした。高度経済成長まっただ中、とある炭坑町を舞台に、そこへ都会か…

映画感想「ヘヴンズストーリー」

この映画を見るに当たっては、今まで自分が身につけてきた常識、既成概念、知識の壁をすべて取り払ってリセットした上で見るべきである。4時間38分という上映時間が長い感じること自体がすでにその常識に縛られている。そんなものをすべて白紙にして、こ…

映画感想「酔いがさめたら、うちに帰ろう」「黒く濁る村」

「酔いがさめたら、うちに帰ろう」 この映画は良かった。なんといっても東陽一監督のカメラ演出と演技付けが抜群。しかも、キャストそれぞれがばっちりはまり役になって生き生きしている。永作博美も浅野忠信もそして子役の二人もまわりのキャストも当てはめ…

映画感想「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語」

非常に物語の展開が平坦なので退屈になっておかしくない映画でしたが、それとなく最後まで見てしまいました。作品の出来映えは中程度だったかと思います。でも、見終わってそれなりに心に残る作品でした。物語は単純。一人の男ソブランは葡萄畑で働く小作人…

映画感想「アメリア 永遠の翼」

太平洋を女性として単独横断に成功したアメリア・イヤーハートの半生をつづったいわば伝記映画である。丁寧なストーリーテリングが安心してみていられる秀作でした。カメラもスチュアート・ドラバーグとベテランを起用し、飛行機をとらえた風景のカメラが非…

映画感想「ルイーサ」「レオニー」

「ルイーサ」 ダイナミックなカメラアングルと風景描写、さらにテクニカルな映像を駆使して描かれた一人の老婦人の奮闘記という映画でした。非常に独創的なショットが繰り返されるのがなんと言っても見事で、その切り返しのおもしろさがこの映画の見所でもあ…

映画感想「十二人の怒れる男」「シャルロットとジュール」「ブロンド

「十二人の怒れる男」 圧倒的な迫力で見せてくる傑作である。 次々と謎が解かれていく下りのおもしろさはもちろんであるが、時にじっくりと延々と長回しするショット、そして一気にクローズアップに寄るショット、そしてじわじわと被写体に寄っていくズーミ…

映画感想「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」

いよいよクライマックス、第七作目は二部構成という力の入れようで、第一作からすべてみてきた私の感想としては今回が一番できばえが良かったと思う。 これだけのシリーズであれば、当然回を追うごとにどんどんCG撮影やらが増えて派手なシーンばかり目立つ…

映画感想「江分利満氏の優雅な生活」

ストップモーション、アニメーション、スローモーション、などトリック撮影を駆使し、大胆なカットの連続と、びっくりするような構図を繰り返して岡本喜八監督らしい喜八節炸裂の傑作コメディである。映画が始まると、数コマのフィルムを次々とつないでゴル…

映画感想「裸の大将」

作品としてはハイレベルではないが、セットの美しさ、小林桂樹の軽妙な演技のおかしさにひかれる一品でした。時代背景を第二次大戦末期から終戦直後をにし、ラストシーンで自衛隊の行進に執拗に食い下がる山下清の姿を描くのは明らかに反戦を唄ったものであ…

映画感想「ミクロの決死圏」「行きずりの街」

「ミクロの決死圏」 テレビでしか見ていなかった作品なので、是非スクリーンで見たかった一本である。原題の「Fantastic Voyage」がぴったりの美しい映像が展開する。物語はSFであり、人間の体内に入っていくというアドベンチャードラマである。しかし、サ…

映画感想「黒い画集 あるサラリーマンの証言」「義兄弟SERCRET REUN

なるほど名作である。たった一言の証言が生むサスペンスの醍醐味を見事に描ききっている。原作が松本清張なので展開の緻密さは原作の味であろうが、物語のきっかけとなるすれ違いの挨拶のファーストシーンからその後の本編の展開に至るリズムはやはり橋本忍…