くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「金田一耕助の冒険」「天国にいちばん近い島」

「金田一耕助の冒険」 当時の流行の全て、さらに角川映画の何もかもをパロディにしてしまって、ただノリだけで展開するいわゆる番外編のような横溝シリーズの一本で、これという物語はどこまでいっても見えてこない。カルトムービーと呼ばれる作品です。監督…

映画感想「かあちゃんしぐのいやだ」「彼のオートバイ、彼女の島」「

「かあちゃんしぐのいやだ」 一人の小学生の作文を原作に、木下恵介が脚本を書いためいへんで、叙情溢れる映像とストーリーが素朴な感動となって胸に迫って来る作品でした。監督は川頭義郎です。作文の一編が画面に映し出され、タイトルから、小学校の校庭、…

映画感想「Wの悲劇」「迷宮物語」「悪霊島」

「Wの悲劇」 三十数年ぶり、懐かしい一方で、この名作をもう一度見れる角川映画祭に拍手。監督は澤井信一郎である。本当に大好きな映画の一本です。可愛らしさ全盛期の薬師丸ひろ子、女優業全盛期の三田佳子、在りし日の蜷川幸雄、さらに劇中劇の舞台美術が…

映画感想「疾風ロンド」

「疾風ロンド」 たぶん、原作は相当面白いのだろう。プロットの組み立て、ストーリーの展開、繰り返すどんでん返し、そしてラストの処理。ところがその味を全く感覚で理解していない演出と、全員ミスキャストという製作段階のミスで、本当に、いやこれほどま…

映画感想「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」「胸騒ぎの

「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」 とにかく、ウジウジしたなんとももたついた映画でした。特にオープニングから導入部がしんどくて見ていられない。主人公ニュートを演じたエディ・レッドメインを始めみんな俯き加減の内向的なキャラクターの…

映画感想「涙」「ノン、あるいは支配の空しい栄光」

「涙」 これは名編でした。傑作というより名作という言葉がぴったりの作品。全編がとにかく美しくて純粋。ドラマに曇りがないというのはこういう映画を言うのでしょうね。監督は川頭義郎です。浜松の楽器工場で、主人公志津子が同僚たちと合唱しているシーン…

映画感想「マイ・ベスト・フレンド」「ガールズ・オン・ザ・トレイン

「マイ・ベスト・フレンド」 これはかなり良かった。脚本が抜群にいいし、カメラワークのテンポが見事。それほど期待していなかっただけに、大満足で見終わることができました。監督はキャサリン・ハードウィックです。主人公の二人ミリーとジェスが出会うシ…

映画感想「聖の青春」

「聖の青春」 思っていたよりいい映画でした。ドラマ性といい、見せ場の作り方といい、さりげない演出なのですが、工夫が見られるとっても真面目に作られた作品だった気がします。もちろん、主演をした松山ケンイチの意気込み、対する東出昌大の気力が画面を…

映画感想「弁護人」「エブリバディ・ウォンツ・サム!!世界はボクら

「弁護人」 わずか30年ほど前まで、韓国は軍事政権下だった。誰もがそれを忘れている。当然日本人である私たちは興味があるわけではない。物語のテーマはそこなのだが、映画としても、しっかり描かれた法廷劇に仕上がっています。若干、本題に入るまでの前置…

映画感想「ミュージアム」「この世界の片隅に」

「ミュージアム」 しつこいというか、くどいというか、しかもサスペンスもミステリーもない薄っぺらな登場人物に、見ていて、いらいら感だけが募る作品でした。監督が大友啓史なので、それなりに期待していたのに、中途半端なスプラッターホラーという感じの…

映画感想「乱気流野郎」

「乱気流野郎(クレージーの花嫁と七人の仲間)」 いらいらするほどまどろこしい物語だが、これが時代色というやつでしょうね。たわいのない作品ですが、ほのぼのした当時の日本が垣間見られる作品でした。監督は番匠義彰です。東京の老舗の寿司屋を舞台に、ベ…

映画感想「続・深夜食堂」「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」

「続・深夜食堂」 テレビドラマ版が話題になった作品の映画版第二作である。当初の映画版は見ていないのですが、原作の物語の中の3話をオムニバス的につなぎ合わせて見せるので特に問題はありません。しっとりとした空気の中で描かれる人情ドラマはどれも秀…

映画感想「浮気のすすめ 女の裏窓」「小さな園の大きな奇跡」「種ま

「浮気のすすめ 女の裏窓」 なんと感想を書くのか、時代色が極端に表に出た珍品映画という感じの一本でした。監督は番匠義彰である。会社の警備員をする主人公は、ある晩、事務員を手篭めにしようとした社長を見つけたためにクビになってしまう。たまたま知…

映画感想「溺れるナイフ」「ボクの妻と結婚してください」

「溺れるナイフ」 細かいカットをジグソーパズルに組み合わせながら、感性だけで物語をグイグイと引っ張っていく演出がちょっと面白い作品。これで役者がそれなりの演技力があれば佳作に仕上がったろうに、小松菜奈が非常に良くないために、相方の菅田将暉さ…

映画感想「湯を沸かすほどの熱い愛」「ブリジット・ジョーンズの日記

「湯を沸かすほどの熱い愛」 これは良かった。子役を捨て駒にしていないし、単純な難病ものに終始していない奥の深い脚本が見事。さらに、杉咲花を含め、子役が素晴らしい。久しぶりに中身の濃い秀作に出会った感じです。監督は中野量太です。夫一浩が出て行…

映画感想「神聖なる一族24人の娘たち」「92歳のパリジェンヌ」「ジュ

「神聖なる一族24人の娘たち」 なんと感想を書けばいいのかわからない映画です。ロシア映画で、描かれたのはロシアの辺境マリ・エル共和国の女性の物語。独特の宗教観と世界観を持つ彼らの姿をフィクションというよりドキュメンタリーのごとくストレートに描…

映画感想「ぼくのおじさん」

「ぼくのおじさん」 ゆるい話がダラダラと流れるのはいいのだが、いかにも脚本が良くない。さらに、この作品の見せ所である、世間離れしたおじさんの存在感がどんどん普通の人間になることにサプライズもない。結局、ラストでこじつけて本来の存在感に戻した…

映画感想「ザ・ギフト」「手紙は憶えている」

「ザ・ギフト」 どうにも、後味の悪い映画でした。最近はやりの、隣人が異常者というパターンの映画ですが、前半はともかく、後半がどうにもスピード感に欠けてしまってどうしようもない上に、途中でなんとなく見えて来たラストがいかにも、嫌な感じで参った…

映画感想「デスノート Light up the NEW world」

「デスノート Light up the NEW world」 いろいろ複雑にして、こねくり回しても、結局当初のオリジナルストーリーの面白さを超えることはできなかった。あまりに創造性のない物語にうんざりしてしまった。本当に残念。まぁ予想はついたのですが、これはない…

映画感想「日本俠花伝」「宮本武蔵」(加藤泰監督版)

「日本俠花伝」 加藤泰監督単独脚本で、後期の代表作です。とにかく、全編二時間半圧倒される情炎の世界である。一人の女が汽車の中で駆け落ちした男と本を売り、汽車賃を稼ぐ場面から映画が始まる。いかにも田舎者だが気は強い主人公峰を演じるのは若き日の…

映画感想「奇蹟がくれた数式」「人間の値打ち」

「奇蹟がくれた数式」 光の使い方が実に美しい作品。木漏れ日のように漏れる明かりが人物を照らし、室内を照らす。その淡いムードがインドのシーンで最高の効果を上げている。物語は実話ですが、人間ドラマとしても秀逸で、二人の登場人物の心の絆がつながる…