くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「ルイーサ」「レオニー」

「ルイーサ」 ダイナミックなカメラアングルと風景描写、さらにテクニカルな映像を駆使して描かれた一人の老婦人の奮闘記という映画でした。非常に独創的なショットが繰り返されるのがなんと言っても見事で、その切り返しのおもしろさがこの映画の見所でもあ…

映画感想「十二人の怒れる男」「シャルロットとジュール」「ブロンド

「十二人の怒れる男」 圧倒的な迫力で見せてくる傑作である。 次々と謎が解かれていく下りのおもしろさはもちろんであるが、時にじっくりと延々と長回しするショット、そして一気にクローズアップに寄るショット、そしてじわじわと被写体に寄っていくズーミ…

映画感想「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」

いよいよクライマックス、第七作目は二部構成という力の入れようで、第一作からすべてみてきた私の感想としては今回が一番できばえが良かったと思う。 これだけのシリーズであれば、当然回を追うごとにどんどんCG撮影やらが増えて派手なシーンばかり目立つ…

映画感想「江分利満氏の優雅な生活」

ストップモーション、アニメーション、スローモーション、などトリック撮影を駆使し、大胆なカットの連続と、びっくりするような構図を繰り返して岡本喜八監督らしい喜八節炸裂の傑作コメディである。映画が始まると、数コマのフィルムを次々とつないでゴル…

映画感想「裸の大将」

作品としてはハイレベルではないが、セットの美しさ、小林桂樹の軽妙な演技のおかしさにひかれる一品でした。時代背景を第二次大戦末期から終戦直後をにし、ラストシーンで自衛隊の行進に執拗に食い下がる山下清の姿を描くのは明らかに反戦を唄ったものであ…

映画感想「ミクロの決死圏」「行きずりの街」

「ミクロの決死圏」 テレビでしか見ていなかった作品なので、是非スクリーンで見たかった一本である。原題の「Fantastic Voyage」がぴったりの美しい映像が展開する。物語はSFであり、人間の体内に入っていくというアドベンチャードラマである。しかし、サ…

映画感想「黒い画集 あるサラリーマンの証言」「義兄弟SERCRET REUN

なるほど名作である。たった一言の証言が生むサスペンスの醍醐味を見事に描ききっている。原作が松本清張なので展開の緻密さは原作の味であろうが、物語のきっかけとなるすれ違いの挨拶のファーストシーンからその後の本編の展開に至るリズムはやはり橋本忍…

映画感想「マザーウォーター」「隠された日記 母たち、娘たち」

「マザーウォーター」 日常のたわいの無い風景がワンシーンワンカットを多用した画面作りで静かに展開していく様は一見現実的であるようであるが、まったくの架空の世界であることにいつの間にか気がつく。桜の花が満開になっていくさまが時間の流れを静かに…

映画感想「首」

紛れもない傑作である。90分あまりという人間の集中力の限界を最大限に緊張させてくれ、見終わった後、ほっとした解放感と何ともいえない充実感に満たされる。たった一つの真実に向かって邁進していく正木弁護士の姿が鬼気迫る小林桂樹の演技で見事に表現…

映画感想「ジャーロ」

この手のB級ホラー映画にどうのこうのという意味もないと思うので、これはこれでいいだろうと思う。ストーリーは適当だし、猟奇殺人を行う異常な犯人もラストでまともに逃亡を考えるなんていうのは笑止の如しであるが、まぁいいじゃないですか?さて、本当…

映画感想「100歳の少年と12通の手紙」「わたしの可愛い人シェリ

「100歳の少年と12通の手紙」 難病物の物語をこれほどファンタジックな映像で包み込んだ映画は今までなかったと思います。CGアニメを始め、極端なクローズアップ、ロングショット、長回しなどテクニックの限りを駆使して語られる主人公オスカーの物語…

映画感想「2001年宇宙の旅」「リトル・ランボーズ」

「2001年宇宙の旅」 何十年ぶりにみたことか、もう一度みるならシネラマに近い巨大スクリーンでと思っていたが、今回の午前10時の映画祭ではやや小振りのスクリーンだったのは残念。とはいえ、今回は素直にラストシーンに感動してしまった。もちろん、…

映画感想「白と黒」「ソフィアの夜明け」

「白と黒」 これは傑作でした。橋本忍のオリジナルストーリーというのが驚きで、それぞれのプロットの組立、前後のストーリー展開の妙味などは明らかに名脚本家のなせる卓越した構成のうまさである。しかも、仲代達矢と小林桂樹の迫真の演技のみならず脇に演…

映画感想「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」

いわゆる”落ちこぼれ”というような意味合いの題名である。ザ・ビートルズのメンバージョン・レノンの若き日の物語をポップな音楽をバックにモダンな映像でつづった秀作でした。監督はアンソニー・ミンゲラ監督に見いだされた一流の現代アート/フォトグラフ…

映画感想「ライトスタッフ」「世にも怪奇な物語」「トラブル・イン・

「ライトスタッフ」 はじめて見たのが約20数年前、良かった、というイメージしか残っていないのと、クライマックスロッキードに乗ったイエーガー(サム・シェパード)が成層圏を越えてエンジンが止まり落下してくる瞬間に宇宙をのぞくシーンしか覚えていな…

映画感想「エクリプス/トワイライトサーガ」

ファンタジックでピュアなラブストーリーのシリーズ三作目。今回は、ベラを執拗に殺そうとするヴェロニカが新参者の吸血鬼の集団を育て上げ、襲わせようともくろむ。 それに対しエドワードらの吸血鬼ファミリーがジェイコブ等の人狼の群と一時的に手を結んで…

映画感想「月夜の宝石」「紅いコーリャン」

「月夜の宝石」 先日までみていたフランスコメディの中のブリジッド・バルドーとはうって変わってのシリアスな顔つきのバルドーが見物のサスペンス映画。監督はロジェ・バディムです。とはいえ、おきまりのようにブリジッド・バルドーのセクシーなショットも…

映画感想「殿方ご免遊ばせ」

ラブコメというのはこうやって作るんだといわんばかりのお手本のような楽しい映画でした。古きよきフランス映画のコミカルな雰囲気が満載で、キュートでちょっとセクシーなブリジッド・バルドーの魅力がいっぱい。しかも、ウエディングドレスからビキニ姿ま…

映画感想「リミット」

棺桶のような木箱の中に手足を縛られて生き埋めにされた男の奮闘劇を描くサスペンスミステリー。と、宣伝フィルムを見たときからおもしろそうなイメージで期待もしていたが、よく考えると、あの閉鎖空間のシーンだけでどれだけ見せるのか不安もありました。 …

映画感想「エル・トポ」

カルトムービーの頂点というふれこみで、実に40年ぶりの公開ということでしたが、正直、全くついていけませんでした。映像は監督の感性のなせるままに何の動きの連続性もなく映し出されてきます。血しぶきや動物たちのグロテスクな死骸などが目の覚めるよ…

映画感想「素直な悪女」「裸で御免なさい」

「素直な悪女」 映画監督で夫でもあるロジェ・バディムがブリジッド・バルドーを大スターに押し上げた記念碑的作品。 主人公ジュリエット(ブリジッド・バルドー)は孤児であったが、今住む町に引き取られ、本屋で働いている。しかし、自由奔放でかつ魅力的…

映画感想「一瞬の夢」

ベルリン映画祭新人監督賞受賞、ジャー・ジャンクー監督のデビュー作ということで、ちょっと期待して見に行ったのであるが、なんのことはない、退屈な映画だった。カメラを据えたままで延々と長回しをする撮影、演技者任せの演出は一昔前なら斬新であるが、…

映画感想「變臉<へんめん> この櫂に手をそえて」「ソウ ザ・ファ

變臉<へんめん> この櫂に手をそえて 年老いた大道芸人の晩年を描いた中国映画の名作。 自在に顔の仮面が入れ替わるという唯一無二の芸を持つワン、しかし跡継ぎもないままに今や老齢の域に達している。そんな一人の芸人を描いた人間ドラマは重厚な反面、非…

映画感想「クロッシング」(米)

「ザ・シューター極大射程」のアントワーン・フークワ監督作品なので長尺とはいえおもしろいと期待して見に行ったが、期待通り引き込まれてしまいました。エディ(リチャード・ギア)タンゴ(ドン・チードル)サル(イーサン・ホーク)の三人三洋の人生が交…