2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧
最初は、どうなることかと思うほどのはちゃめちゃな導入部に呆気にとられた。ところが、ストーリーと映像のメリハリというのはこういうものだと言わんばかりに、物語にどんどん引き込まれ、一瞬混乱した導入部も次第に整理されてくる。そして爽快なクライマ…
言うまでもなく、日本初の総天然色映画として有名な一本であるが、30数年ぶりに見直した。来週上映されるモノクロ版と対にしてみたかったためである。久しぶりにみたとはい、さすがにしっかりとした脚本の構成のうまさには頭が下がる。非常にシンプルな物…
「白痴」(手塚眞監督) 近未来の世界大戦の末期が舞台という設定で描かれる、物語である。いきなり巨大な爆撃機がこちらに飛んできて、焼け野原の世界が写され、モノクロのドキュメントタッチの映像の中に、明らかに第二次大戦の廃墟らしい映像。そこに黄色…
前作「女の子ものがたり」の前日壇となる西原理恵子の物語である。とにかく、素直な演出で描いていく森岡利行監督の映像が実に心地よくていいです。前作もそうでしたが、特にあざといテクニックや映像を駆使することなく、一人の女性の成長する姿をまっすぐ…
「メリー・ポピンズ」 言うまでもない、人間とアニメの合成シーンが有名なウォルト・ディズニーの名作ミュージカル。 30年ぶりくらいで午前10時の映画祭で見直しました。俯瞰でとらえるロンドンの町並み。明らかに絵であると思えるような風景と、空にか…
「ハートの問題」 あまり期待もしていなかったが、イタリア映画祭で話題になった作品なのででかけたが、なんと、予想以上にとってもいい映画だった。禿頭だが、とっても気がよくておしゃべりな脚本家アルベルトが、恋人のカルラとのベッドで目を覚ますところ…
「スマイル、アゲイン」 前作の「幸せのちから」でもそうだったが、なんともこのガブリエレ・ムッチーニという監督はストーリーテリングの才能に乏しい人である。しかも、今回、脚本もなってないので、さらにひどい。特に中盤までが見ていられなくなってくる…
夜の銀座のショット、軽いタッチの森重久弥の語り口から映画が始まる。夜景をバックにタイトルバックから夜明け、新田銀座の景色と夜明け。田圃に群れる蛙のシーンから、朝方の肥たんごを担ぐお百姓さんのシーンを挟んでコミカルに物語が幕を開ける。まさに…
「ホワイトハウス・ダウン」 まるで「ダイ・ハードのような作りであるが、非常におもしろい。アクション映画としてはということで、導入部の延々と見せるホワイトハウスの描写は今更ながらしつこい。ただ、人物描写がしっかりできていないために、乗っ取った…
「タイピスト!」 ポップでカラフルなイラストのタイトルバックが終わると、フランスの田舎町、雑貨店においてある一台のタイプライターが画面中央に映し出される。そのタイプライターをこの店の娘ローズがおもむろに取り上げ、一本指でキーを打ち始める。こ…
丁寧に演出された、レベルの高い自主映画というイメージの作品。霞のかかったような映像で、戦時中から、戦後すぐまでのもやに包まれたような物語を描き出していく。原作が坂口安吾なので、どこか退廃的なムードがないわけではないが、監督が目指そうとした…
超怒級の予算を放り込んで作った、B級SFエンターテインメント映画という感じの超大作。とにかく、始まりから一気に怒涛の怪獣対ロボットのバトル戦に遭遇する。そして、一段落つくまで、画面いっぱいに繰り広げられる格闘戦は、かつて見た「ウルトラマン…
「もうひとつの世界」 悪い人間ではないが、どこか不器用で、中年にさしかかり、体調にことのほか神経質なエルネスト。彼はクリーニング店を経営するが、従業員の名前も把握していない無頓着な男性。大きなめがねをかけて、いかにもうだつの上がらない風体の…
”経営学入門”より「ネオン太平記」 小沢昭一扮する益本がアルサロオアシスのホステス、店員の前で朝の訓辞をしているシーンから映画が始まる。今村昌平が脚本に参加しているだけあって、全体のムードが妙にぎらぎらして、暑苦しい。そのコテコテ感がバイタリ…
「オーガストウォーズ」 ロシア軍が全面協力したというスペクタクル映画で、チラシなどではまるで「パシフィック・リム」みたいな巨大ロボットがでそうなイメージの宣伝なので見に行ったが、なんと、ロボットや特撮の場面は主人公の少年チョーマが空想するだ…
ここまでおバカな映画を堂々と作って、堂々と公開するアメリカという国の、心の広さというか、奥深さというか、異常さということに拍手したい一本。決して、ブラックでも風刺でもない、笑うに笑えないギャグの連続を、ハリウッドの今をときめく男優、女優た…
「トゥ・ザ・ワンダー」 流麗なカメラワークと、目の覚めるような映像美で見せるテレンス・マリックの映像詩である。お世辞にもおもしろかったとはいえない作品ではあるが、美しい構図と画面の数々に魅せられてしまうのだから、さすがにすごいと思う。主人公…
「ニューヨーク、恋人たちの2日間」 とってもハートフルなラブコメディの秀作。ジュリー・デルピー監督の映像センスの良さに終始楽しいひとときを過ごすことができました。昨年みた「スカイラブ」の監督作品で、「パリ、恋人たちの2日間」の続編ということ…
「アイアン・フィスト」 俳優のRZAがクエンティン・タランティーノのサポートによって制作したカンフーアクション。というふれこみであるが、主演のブラックスミス、つまり鍛冶屋が両腕を切断されてアイアン・フィストとなって復讐に立ち上がるという下り…
「最後のマイ・ウェイ」 期待していなかったが、ものすごくよかった。 特に、カメラが抜群に美しい。画面の中の色の配置も実に品がよくて美しい。全体のトーンも決してきらびやかにもサイケデリックにもならない。デジタルカメラの特性を最大限に使ったカメ…
「特急にっぽん」 東京から大阪まで走る特急こだまの車内を舞台にして展開するどたばた喜劇。物語の中心は食堂車のコック喜一とウェイトレスサヨ子のラブストーリーであるが、群像劇のように、スリの男たち、いかがわしい女、ガムの会社の女好きの社長、見合…
かなたに延びるハイウェイ。周りには何もない。そこへ一台の車が走ってくる。アニメチックなクレジットとメインタイトルが軽い音楽と共に流れる。この映画のオープニングである。このどこかシュールなテンポの導入部で、この作品の全体を見事に描写するから…
「熱波」 一人の探検家らしい男が現地人をつれてジャングルを歩いている。そして、川の畔にきた男は鰐に自分の身を任せるべく現地人に別れを告げて、手を振る。この作品はこの映像から始まる。監督はポルトガルのミゲル・ゴメスという人である。モノクロスタ…
「31年目の夫婦げんか」 デビッド・フランケルいう監督は「プラダをきた悪魔」でもそうでしたが、音楽に映像を乗せていく手腕が実にうまい。この作品でも、センスの良い曲に次のシーンが覆い被さっていって、メロディが次のシーンを予感させるという演出を…