くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「ネクスト・ゴール・ウィンズ」「コヴェナント 約束の救出」

「ネクスト・ゴール・ウィンズ」 実話を元にしているとはいえ、物語の組み立てがとっても楽しくてユーモアに富んだ脚本が心地よいし、演出のうまさで肩の凝らないスポーツ感動ドラマに仕上がっていました。思いの外感動したし笑えたし、掘り出し物の佳作とい…

映画感想「ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争」「ザ・フェイス」

「ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争」 うとうとしかけたところでエンディングというなんとも言えない作品。映画なのか、ただのメッセージなのか、見ましたというだけの映画だった。監督はジャン=リュック・ゴダール、遺作短編映画である。 奇妙…

映画感想「マッチング」「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」

「マッチング」 雑なミスリードを繰り返すホラーサスペンスだと物語を追いかけて行ったら、最後の最後で騙されてしまったのは非常に悔しい。決して一級品の鮮やかさや起承転結のテンポの良さは見えないのだけれど、B級テイストを貫きながら必死で工夫を凝ら…

映画感想「マダム・ウェブ」「落下の解剖学」

「マダム・ウェブ」 前半、説明過多でちょっともたつくものの中盤からクライマックスにかけて、どんどん主人公の能力が目覚めて来るとエンタメ感が増してきて楽しめました。マーベルコミックのマダム・ウェブ誕生の物語という展開ですが悪役が精彩にかけてカ…

映画感想「ソウルメイト」「ゴースト・トロピック」

「ソウルメイト」 オリジナル版も良かったが、これはこれでめちゃくちゃ良かった。今回、設定は一部変更してますが展開やセリフの隅々までほとんど同じですが、ラストはわかっているとはいえ泣いてしまいました。監督はミン・ヨングン。 精密画を描く手のア…

映画感想「劇場版マーダー★ミステリー探偵・斑目端男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血」

「劇場版マーダー★ミステリー探偵・斑目端男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血」 全く見る映画がなくなって、仕方なく時間潰しで見に行った。俳優陣にキャラクター設定と行動指示のみ与え、セリフはほぼアドリブで進む作品。物語がもうちょっとしっかりできてい…

映画感想「争う美人姉妹(改題前 処女宝)」

「争う美人姉妹」 なんとも言えないぐだぐだのメロドラマですが、あまりにも展開がめんどくさいのでそれはそれで面白かった。資料によるとオリジナルは90分ほどあるようなので、今回60分あまりになっているのは、再編集したものだろうと思います。貴重な一本…

映画感想「ボーはおそれている」「Firebird ファイアバード」

「ボーはおそれている」 つまり、母を恐れて遠ざけていた息子が最後には母に殺されてしまうスリラーなのか?目眩くような奇抜なシーンの連続と、現実感が全くない映像の繰り返し、これで終わりかと思えばさらに先に続く展開、癖になるのもわかるが、ラストシ…

映画感想「ニューヨーク・オールド・アパートメント」

「ニューヨーク・オールド・アパートメント」 もっとほのぼのしたヒューマンドラマかと思っていたが、思いの外辛辣で、しかもどこかおかしい作品でした。不法移民でアメリカに来た家族の厳しい現実の中で出会うさまざまな出来事を掘り下げた展開で描いていく…

映画感想「レディ加賀」

「レディ加賀」 典型的なローカルご当地映画なのでクオリティがどうのこうのという映画ではなく、小芝風花目当てで見に行った映画なので、これで十分満足な一本でした。監督は雑賀俊朗。 小学校の学芸会の舞台、一人の少女がタップダンスを踊っていて、男の…

映画感想「スケアクロウ」

「スケアクロウ」 名作というのはこういう映画を言うのでしょうね。いかにもな賞賛を送るのではなくて、見ているうちに、不思議なほどに好きになってしまう映画。余計なメッセージも何もなく、純粋で素直な人間の感情をストレートに感じて、感動してしまう瞬…

映画感想「いますぐ抱きしめたい」(4Kリマスター版)

「いますぐ抱きしめたい」 さすがにデビュー作だけあって、荒削りでギラギラした作品ですが、スタイリッシュなカメラワークと洒落た色彩演出、音楽センスの良さはのちの傑作を彷彿とさせる作品でした。物語が同じ展開を繰り返すので、少々中盤以降しんどくな…

映画感想「瞳をとじて」「カラーパープル」(ミュージカル版)

「瞳をとじて」 高級な作品ですね。二時間五十分近くあるのに長さを感じさせない作劇のうまさは絶品で、非常にシンプルな話なのに、全体に深みのある味わいを感じさせる映画でした。登場人物の表情から溢れ出る感情がいつの間にか心に何者かを生み出していく…

映画感想「梟-フクロウ-」「一月の声に歓びを刻め」「Here」

「梟 フクロウ」 めちゃくちゃに面白かった。史実を元にしたとはいえ、サスペンスの組み立てがしっかりしているし、次々と変転するストーリー展開が実に上手い。しかも、仰々しい演出もなされず、徹底的に観客の興味を画面に惹きつけることしか考えられてい…

映画感想「リバー・ランズ・スルー・イット」(4Kリマスター版)「夜明けのすべて」

「リバー・ランズ・スルー・イット」 淡々と静かに流れるだけの物語なのに、いつの間にか画面に引き込まれていくとっても素敵ないい映画でした。フライフィッシングの美しい釣り糸の流れが映画をとっても美的なものにしていて、作品全体を染み入るほどに優し…

映画感想「身代わり忠臣蔵」

「身代わり忠臣蔵」 こういう気楽で肩の凝らない娯楽映画の存在も必要という一本で、たわいないとしか言いようのない作品ですが、これはこれで楽しんだからそれで良いという映画でした。ムロツヨシは嫌いな役者ですが、前半はともかく後半はその実力だけを前…

映画感想「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」

「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」 もっとどぎついB級ホラーかと思っていたら、意外と押さえ気味の真面目な人間ドラマとサイコパスの映画だった。特に映像に工夫もなく、怖がらせの面白さもなく、動物ロボットが襲ってくるというある意味、普通の…

映画感想「ダム・マネー ウォール街を狙え!」「ジェヴォーダンの獣」(4Kレストアディレクターズカット版)

「ダム・マネー ウォール街を狙え!」 面白くなる話なのですが、直近の実話を元にしていると言うのもありますが、裕福な投資家がバカで、スラングだらけの小口投資家=ダム・マネー側がお調子者としか見えない下品な映画に仕上がってしまった。言いたいこと…

映画感想「罪と悪」「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」

「罪と悪」 思いの外めちゃくちゃ良かった。役者がどれも物凄くいいし、ストーリーの細かい場面が非常にしっかりと描かれているので、話が嘘くさくならない。それでいて、幼馴染同士の切ない過去とどうしようもない現在との交錯感が素晴らしくて、どんどん引…

映画感想「白日青春 生きてこそ」「エレクション 黒社会」

「白日青春 生きてこそ」 いろんな話が乱立してしまってまとまらず、全体の物語の構成も悪く、中心にすべきものがなんなのかわからないままにどれも尻切れとんぼで終わってしまった映画だった。大好きなアンソニー・ウォンを見るためだけだったが、さすがに…

映画感想「神の道化師 フランチェスコ」(デジタルリマスター版)「エレクション 死の報復」「熱のあとに」

「神の道化師 フランチェスコ」 聖フランチェスコを慕う修道士たちのエピソードをコミカルに描いていく作品で、登場人物たちは一生懸命布教活動を行っている姿がかえってユーモア満点に見える様が不思議な作品です。脚本にフェデリコ・フェリーニも参加して…

映画感想「ティル」「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)」

「ティル」 傑作だった。本来、黒人映画は苦手なのですが、この作品は1955年当時のアメリカの異様な緊張感と黒人差別の現実の重苦しいほどの圧迫感に投げ込まれてしまいました。しかも、映像作品としても非常に優れていて、明るいオープニングの中にも張り詰…

映画感想「あるじ」

「あるじ」 シンプルな物語を、練った脚本と演出で見せていくコメディ作品という感じで、描かれるテーマは今時に通じる物があるのがなんとも面白い作品でした。監督はカール・テオドア・ドライエル。 ある家族の朝から映画が始まる。忙しく朝の支度をする妻…