2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧
「ラザロ・エフェクト」 典型的なB級映画でした。これといって目新しいものもないおきまりの展開で見せるSFホラーです。監督はデビッド・ゲルブです。死を迎えた動物の蘇生実験をする大学のチームの研究室から映画が始まる。本来の目的から外れているものの…
「鏡は嘘をつかない」 特筆するのは、その映像の美しさである。デジタル映像ではあるが、水面の細かいさざめきや、彼方に広がる雲、空、夕陽など息をのむほどに美しい。これほどまでに解像度が出るカメラが存在するのかとさえ思えるのである。さらに、色彩を…
「霧子の運命」 脚本に木下恵介が参加して作品で監督は川頭義郎である。 やはり木下恵介色が非常に良くでた文芸作品で、安定したストーリー展開と叙情あふれるドラマで心に直接訴えかけてくる感動がありました。継母に蔑まれながらも、優しい祖父に可愛がら…
「午後の遺言状」 確かにセリフの隅々、音楽の挿入、カメラ、映像、動きの一つ一つまで、洗練された美学に彩られている名編である。ストーリーの流れは渓流のごとく爽やかで、時にキラキラと木漏れ日を反射している。評価されてしかるべき名作ですが、終盤、…
「日本で一番悪い奴ら」 悪をここまで痛快に笑い飛ばし描き切ったら大したものだと思う。前作の「凶悪」もなかなかの出来栄えだったが、今回も気持ちがいいほどに吹っ切れている。もちろん、北海道警察の組織的な犯罪を描いたものなのだが、実話を基にしたフ…
「ハリーとトント」 実はこの名作を見ていなかった。ポール・マザースキー監督の代表作である。人生の一片の詩編のような名編。淡々と流れる物語で、特に抑揚もない。ただ主演のハリーを演じたアート・カーニーが実にいい味を出しているし、これという演技も…
「帰ってきたヒトラー」 つまり、ドイツは、いやヨーロッパはここまで危機的状況なのである。だから、あえて禁じ手であるヒトラーを持ち出してでもこの手のブラックユーモアを作ることになったのだろう。手放しで笑えないのが現実のはずである。今まで、ヒト…
「ある落日」 安定したフィックスの構図で描く大人の不倫ドラマの名編。そんな一言がぴったりのなかなかいい映画でした。監督は大庭秀雄。今となってはこういう大人のドラマがめっきり姿を消したなと思います。主人公清子がこれから建てる一戸建ての設計を依…
「君の名は」第一部 長い。とにかく120分ほどの尺は今時普通なのだが、非常に長く感じる。確かに、1953年という製作年度の世の中というか、人々の考え方の時代色は払拭できないが、ヒットする理由が見え隠れする気がする一本でした。監督は大庭秀雄である。…
「残菊物語」(1963年版) 大庭秀雄監督版である。先日、溝口版の大傑作を再見したので、見劣りは仕方ないのだが、この話自体が好きなので、何度見てもクライマックスは泣いてしまう。シンプルなストーリーといわゆる浪花節的な人情物語なのだ。しかし、さすが…
「シークレット・アイズ」 アルゼンチン映画「瞳の奥の秘密」のハリウッドリメイクである。オリジナルはその映像の美しさが独特の作品で、その美しさがミステリーを生み出していた感じがありましたが、さすがにアメリカ映画になると、平凡なサスペンスに装い…
「64 ロクヨン 後編」 前編が、度肝を抜かれる硬派の傑作だったので、後編は期待十分と不安で見に行ったが、前編の力を削ぎ落とすことなく完成された後編になっていた。前編に比べるとちょっと見劣りしなくもないが、これほどの大人のドラマを日本映画界はま…
「渦」 もっとゆるい映画かと思っていたら、意外にしっかりしたストーリー構成の脚本にどんどん見入ってしまいました。監督は番匠義彰です。映画の配給会社を経営する中津洪介を主人に持つ伊沙子が、ピアノを弾いているシーンから映画が始まる。普通の夫婦な…
「教授のおかしな妄想殺人」 ウディ・アレン監督の軽妙なブラックコメディ。さすがにウディ・アレンの語り口は実にうまいし、リズミカルである。背後に流れる音楽センスも抜群、さらに、映像センスの良さは今更であるが、大したものだと思う。癖のある大学教…
「マネーモンスター」 傑作でもなんでもないのですが、抜群に面白いです。始まってからいきなり本編に飛び込むまでが、鮮やかで無駄なことをしていない。後はもラストまで突っ走る。緩急のリズムが物足りないとか、犯人のキャラクターが薄っぺらいので、作品…
「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」 原作がしっかりしているので、ほんのりと甘酸っぱいラブストーリーとして最後まで見てられるのですが、主人公のさやかが、生きた人間としてしっかり演出できていないせいか、どこか、何もかもが薄っぺらく見えてしまっ…
「高台家の人々」 最近、この手の軽い映画でも、時々胸が熱くなることがある。歳をとったのか、脳細胞が単純になったのか、いろいろ原因はあるが、この映画、最後の本のわずかだけ、素直にワクワクして、胸が熱くなってしまった。監督は土方政人。風邪で四日…
「探偵ミタライの事件簿 星籠の海」 島田荘司原作のミステリーということですが、完全に原作のストーリーにおんぶした感じの作品でした。面白いのですが、映画としての面白さではなく、活字を読んでいる上での面白さという感じです。つまり映画の脚本として…
「青い果実」(1955年岡田茉莉子版) この時代、この手の主題の作品が結構多い。金持ちの主人公が、貧しい施設を助ける。それを賛美しながら、恋が芽生えるというパターン。しかし、一昔前の演出が妙にノスタルジックで楽しいのがこういう古い映画の楽しみです…
「チャイナ・ゲイト」 わかりやすい展開の戦争アクション映画という感じで、娯楽映画としては普通に面白かった。監督はサミュエル・フラーである。インドシナの第二次大戦前からの歴史が語られる冒頭部分から映画が始まる。時は1954年、一人の少年が懐に犬を…
「ヒメアノ〜ル」 面白い映画なのですが、何かが足りない。本来の物語をはぐらかすためのエピソードのバランスが悪いのか、対照的な演出が弱いのか、原作の展開にお任せした感じで、映画として昇華しきれていないのがほんの少し残念な映画でした。でも面白か…
「血は渇いてる」 吉田喜重監督が描くマスコミへの痛烈批判のような社会映画の秀作、現代に通じるテーマ性が実に斬新な一本。一人の男木口がピストルを手にして鏡の前に立つオープニング。外では、リストラを説明する会社社長の声。その人ごみの中にやってき…