くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2024-01-01から1年間の記事一覧

映画感想「ラ・カリファ」

「ラ・カリファ」 エンニオ・モリコーネ特集で日本初公開。シュールな映画なのか、カットが前後交錯して唐突に切り替わっていくので、ストーリーの流れが掴みづらい上に、人物関係や立場がわからなくて、ひたすら男女の物語を追いかけていくだけに終始した映…

映画感想「四月物語」「死刑台のメロディ」(4Kリマスター英語版)

「四月物語」 日常のさりげない1ページを美しい感性の色彩と映像、みずみずしいほどの松たか子の表情に、生きてることって良いなあと思わずため息してしまう作品でした。監督は岩井俊二。 東京の大学に進学することになった卯月が、家族に見送られて出発する…

映画感想「No.10」

「No.10」 なんだこれは?という映画である。前半を真面目に追いかけているといつの間にかはぐらかされて、後半から終盤、とんでもない展開になった上、じゃあ、あれはなんだったのかと自己嫌悪にさえ陥る映画。面白いといえば面白いし、やりたい放題と言え…

映画感想「デジャヴュ」「季節のはざまで」

「デジャヴュ」 目眩く17世紀と現代の物語の交錯がいつの間にかクセになって虚構の世界にのめり込んでいくファンタジー。ではどういうことだったのかというのがはてなで終わるエンディングが実に面白い作品だった。監督はダニエル・シュミット。 トブラー博…

映画感想「クラユカバ」「クラメルカガリ」「リンダはチキンが食べたい!」

「クラユカバ」 レトロでガラクタでシュールな世界観が面白いのですが、もうちょっと落ち着いてストーリーテリングして演出しても良かったんじゃないかというほど展開が早い。カットが細かい上に、次々と漢字の名称が羅列されてくると頭が追いついていかなか…

映画感想「河内ぞろ どけち虫」「漫画横丁 アトミックのおぼん 女親分対決の巻」

「河内ぞろ どけち虫」 全編河内弁で突っ走る機関車のような作品で、何がどうという中身もないのだが、ひたすら喧嘩と怒声が画面を覆って行く。痛快そのものであれよあれよと展開していき、ラストのほんのりした兄弟愛に、楽しい映画を見たという感慨に耽っ…

映画感想「プリシラ」

「プリシラ」 エルヴィス・プレスリーの元妻プリシラ・プレスリーの半生を描いているのですが、エルヴィスよりもプリシラの一人の女性としての繊細な気持ちを切なく淡々と描写していく展開が、見終わった後不思議なほどに胸に染み渡ってきました。女性目線と…

映画感想「オーメン ザ・ファースト」

「オーメン ザ・ファースト」 丁寧に作り込まれた脚本とストーリー展開がサスペンスとして面白い作品に仕上がっていました。オーメン三部作を知っていれば十分楽しめるし、知らなくても、それなりに楽しめる映画だった。監督はアルカシャ・スティーブンソン…

映画感想「のんき裁判」「パスト ライブス 再会」

「のんき裁判」 当時の映画スターが総動員で出てくる珍品的な娯楽映画で、スターがそのままの名前で出てくるので混乱はないけれど、即興劇で展開する様はまるでテレビバラエティの如くだった。監督は渡辺邦男。 のんき裁判という裁判所があって、そこで、ハ…

映画感想「アイアンクロー」「フォロウィング」「ゴッドランド」

「アイアンクロー」 物語の構成も展開も良くできているし、登場人物の描写も丁寧に描かれていて、非常に良質のクオリティーの高い映画なのですが、いかんせん実話というのが辛い。次々と不幸が訪れていく流れで、出口はないのかとさえ思うのですが、決して深…

映画感想「結婚三銃士」「惜春」(木村恵吾監督版)「東京ロマンス 重盛君上京す」

「結婚三銃士」 本当にたわいない恋愛コメディで、クサイ演出と演技、適当なストーリー展開は映画黄金期の大量生産時代かつ戦後すぐの突貫工事のような完成度が、時代を匂わせてくれる一本でした。監督は野村浩将。 化粧品会社の面接に来ている主人公時彦の…

映画感想「ブルックリンでオペラを」「毒娘」「インフィニティ・プール」

「ブルックリンでオペラを」 面白い映画なのですが、キャラクターを作り込みすぎたので、展開が奇妙に煩雑になった上ごちゃ混ぜになって、肝心のコミカルな展開が潰されてしまった感じです。もう少し、鮮やかさとシンプルさが欲しかった。でも、スタンダード…

映画感想「オッペンハイマー」「コントラクト・キラー」「白い花びら」

「オッペンハイマー」 2回目の鑑賞でしたが、この映画の真価を確認できた気がしました。1回目の鑑賞後の感想ではアカデミー賞を取るレベルに若干言及しましたが、ある意味、取るべくしての一本だったかと認識を改めます。それは、これだけの登場人物が語る物…

映画感想「トータル・バラライカ・ショー」「レニングラード・カウボーイズ モーゼに会う」

「トータル・バラライカ・ショー」 1993年6月ヘルシンキ、レニングラード・カウボーイズと旧ソ連退役軍人らで結成されたレッド・アーミー・アンサンブルとの合同コンサートのライブ映像。監督はアキ・カウリスマキ。 ピチッと着込んだ軍服姿のレッド・アーミ…

映画感想「RHEINGOLD ラインゴールド」「ラヴィ・ド・ボエーム」

「RHEINGOLD ラインゴールド」 主人公ジワの成功までの波乱の人生を駆け抜けるように描いて行くのがとにかく心地よいほどにテンポが良くて面白い。犯罪を重ねて行くだけの重い話と次々と地域が変わる展開なのに、素直に追いかけていけるリズム感がとってもい…

映画感想「果てしなき情熱」「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」

「果てしなき情熱」 笠置静子特集の一本。作曲家服部良一をモデルにしていると言っても全く別物の一人の作曲家の人生ドラマという感じで、ちょっと仰々しい演技とあざとい演出が鼻につく作品でした。岡田淑子、淡谷のり子らの大スターを出演させた音楽ドラマ…

映画感想「過去のない男」

「過去のない男」 淡々と展開する渇いたコメディという感じの一本で、例によって軽快な音楽センスと冷めたユーモアの数々がニンマリさせてくれて楽しい作品でした。監督はアキ・カウリスマキ。 列車の中、一人の男が乗っている。目的地に着いたがまだ夜明け…

映画感想「ゴーストバスターズ フローズン・サマー」「オッペンハイマー」

「ゴーストバスターズ フローズン・サマー」 理屈づけがやたらくどい上にストーリー展開にキレがないのとダラダラ感が否めず、結局ひねくれた少女が引き起こした人類の危機を自らの知識で退治することになるという雑な話になっていた。そこに昔からのメイン…

映画感想「ピアノ・レッスン」(4Kデジタルリマスター版)「街のあかり」

「ピアノ・レッスン」 初公開以来30年ぶりの再見でしたが、やはりこの映画は名作です。男と女の愛情の不可思議さを徹底的に突き詰めた作劇と、恐ろしいほど大胆な構図、ブルーの色調を中心にした詩的で美しい画面、登場人物それぞれの生々しい感情の彷彿、そ…

映画感想「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」(4Kレストア版)

「荒野の用心棒」 何回目かの再見、名作「用心棒」の焼き直しではあるけれど、これはこれで名作だと思います。砂煙りを白く見せる演出や、クライマックスの足元から靴だけを写して向こうを望むカメラ構図など、拍手ものです。監督はセルジオ・レオーネ。 ア…

映画感想「コール・ジェーン 女性たちの秘密の電話」「ブリックレイヤー」「罪と罰」(アキ・カウリスマキ版)

「コール・ジェーン 女性たちの秘密の電話」 相当に良かった。実話を元にしているとはいえ、エピソードの組み立てが抜群に良い脚本が素晴らしく、クローズアップや背後からのカメラワーク、延々と長回しをするリズム感と軽快な音楽の挿入が映画全体をテンポ…

映画感想「ペナルティループ」「ロッタちゃんと赤いじてんしゃ」(2Kリマスター版)「真夜中の虹」

「ペナルティループ」 面白いと言えば面白いのですが、テレビレベルの小手先のストーリーという感じの作品で、それを無理やりシュールな映画作品に仕上げようという軽いタッチの作品だった。結局なんの話かといえばその程度の話かという映画ですが、気楽に見…

映画感想「パラダイスの夕暮れ」

「パラダイスの夕暮れ」 一切の余計な描写を排除し、研ぎ澄まされたエッセンスの塊の中にさりげないユーモアとセンスの良い曲、落ち着いた色彩演出で魅せる素朴なラブストーリー、これという仰々しい感動などはないのですが、ラストシーンがとっても粋なのが…

映画感想「四月になれば彼女は」

「四月になれば彼女は」 原作が弱いのか脚本が弱いのか演出が弱いのか、次の展開に行く動機づけが全く見えないために唐突にストーリーが流れていく感がラストの真相まで拭えなかった。それと、それぞれの役者は芸達者を揃えているのですが、完全な配役ミス。…

映画感想「ビニールハウス」「マッチ工場の少女」

「ビニールハウス」 脇役も小道具も最後まで活かし切った非常によく練られた脚本なのですが、何もかもが悲劇で終わるエンディングは流石に辛い。生きているのが嫌になる程緻密に悲劇を紡いでいく展開になんの希望も未来もなく、グイグイと心の奥底を攻めてく…

映画感想「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」「RED SHOES レッド・シューズ」「愛のゆくえ」

「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」 若松孝二のプロダクションの黎明期を描いた第一作の続編ですが、めちゃくちゃ面白かったし、ものすごく良かった。生映画という表現がぴったりの生き生きした映画世界に浸ることができました。主人公のみならず脇役…

映画感想「12日の殺人」「πパイ」(デジタルリマスター)

「12日の殺人」 ミステリーというより、人間ドラマという範疇の作品で、特に映像演出が優れているとかもなく、物語の構成や展開も面白いわけでもなく、鬼気迫るおもしろさもカリスマ的な魅力もない映画だった。監督はドミニク・モル。 トラック場を自転車で…

映画感想「変な家」

「変な家」 こう言う映画を真面目に見るものじゃないと思うので、その前提で見れば、全編見せ場の連続で全く退屈しない。しかし、ふと我に帰ると、細かいリアリティをすっ飛ばしたあまりに非現実的な脚本に唖然とする。その雑さゆえ、この映画がホラーではな…

映画感想「海街奇譚」「ミニオンの月世界」「FLY!フライ!」

「海街奇譚」 個性的なカット割と大胆な編集、鏡や窓ガラスを効果的に使った見事なカメラワークと美しい構図で、相当映像クオリティの高い作品なのはわかるのですが、いかんせん物語が追いかけていけなかった。現実なのか回想なのか妄想なのか、過去と現在を…

映画感想「マリの話」

「マリの話」 所々にキラキラ光るシーンやセリフが楽しい作品で、60分と言う中編映画の面白さを堪能できる作品でした。監督は濱口竜介監督の助監督に就いた経験のある高野徹。 四つのパートに分かれて、現実か夢かわからない場面が交錯して展開していきます…