くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「男と女」「ドミノ」

「男と女」 約四十年ぶりくらいの再見、午前十時の映画祭で見直しました。やはり唯一無二の名作ですね。映像と音楽が一つのリズムを作り出して物語を語っていく感じの作品で、細かいカット編集や美しいインサートカットの挿入、モノクロとカラーを切り替える…

映画感想「SISU シス/不死身の男」「栗の森のものがたり」「竜二」

「SISU シス/不死身の男」 個性的なアクション映画という感じの作品で、北欧らしいちょっとグロテスクなシーンの連続と、キレのいいハイテンポな展開はハリウッドアクションにみられない面白さを楽しめました。監督はヤルマリ・ヘランダー。 1944年、第二次…

映画感想「カンダハル 突破せよ」「私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?」

「カンダハル 突破せよ」 何が何だかという映画。イラン、イスラエルを舞台にすると、現地の派閥が全く把握できないので、あれよあれよと流れで見ているだけになってしまう。タイムリミットサスペンスの面白さはほとんどないし、主人公以外は顔の判別はつか…

映画感想「ザ・クリエイター/創造者」「悪い子バビー」

「ザ・クリエイター/創造者」 面白い話に見えるのですが、B級映画に見られるような妙なメッセージが中途半端に埋め込まれていて、ストーリーテリングがおざなりになって流れが淀んだ作品に仕上がった気がします。もう少し、脚本を丁寧に仕上げた上で、ラス…

映画感想「宇宙探索編集部」「メドゥーサ デラックス」

「宇宙探索編集部」 ヘンテコな映画ですがどこか憎めない作品で、ラストシーンには不思議と感動が漂ってくる。人間が夢を見続けるという不思議なメッセージが見え隠れするのが良い。映画大学の卒業制作作品らしいけれど、編集も演出もちゃんとできているし、…

映画感想「おまえの罪を自白しろ」「フィフィ・マルタンガル」

「おまえの罪を自白しろ」 確かに面白いストーリーです。その意味でエンタメ映画としては十分に楽しめましたが、いかんせん主人公の中島健人が非常に弱く、前半部分のポリティカルサスペンスの部分に迫力が伴わない。その結果、後半の意外な展開からな真相へ…

映画感想「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」「トルテュ島の遭難者たち」

「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」 なんともキレのない脚本で、単純は物語なのに延々と同じパターンが展開して行く。しかも、冒頭のオセージ族の描写がみるみる薄れて行くために映画に深みがなくなってただの頭の弱い主人公が騙されるままに殺人を繰り…

映画感想「エピデミック〜伝染病〜」(4Kデジタル修復版)」「死霊館のシスター 呪いの秘密」

「エピデミック〜伝染病〜」 モノクロシンプルなストーリーにトリアーらしい感覚が満載された映画でした。劇中劇の形式を取りながらいつの間にか現実か架空の世界か分からなくなる展開がなんともファンタジックと言うかミステリアスという作品で楽しめました…

映画感想「月」「シック・オブ・マイセルフ」

「月」 圧巻、人間の本音に刃物を突き立てるかの如くストレートにテーマを描く一方、シンプルな物語に、それに対する微かな反論を垣間見せる。芸達者な役者たちの演技合戦もすごいが、アニメを交え、映像テクニックを駆使したカメラワークで語る演出に引き込…

映画感想「ゆとりですがなにか インターナショナル」

「ゆとりですがなにか インターナショナル」 ごった煮のように始まるにも関わらず、ちゃんとメッセージをさりげなく盛り込んだ上に、ホームドラマ的な感動も生み出していく緩急の効いた物語作りは、ほんまにクドカン上手いと頭が下がります。今回も、お話は…

映画感想「春画先生」「キリエのうた」

「春画先生」 レトロ感満載の色彩映像と大正ロマンを思わせるテンポと空気感が独特のオリジナリティで妖艶なラブストーリーとして描いた作品で、シンメトリーな画面、エロスを漂わせる展開が楽しい映画でした。監督は塩田明彦。 喫茶店に勤める春野弓子が画…

映画感想「アナログ」「シアター・キャンプ」

「アナログ」 物語は今更目新しいところもないのですが、映画として良くしようという真面目な演出がなかなか見せてくれる作品でした。極端な望遠による背景のぼかしや、あざといほどの様式にこだわった画面、あまり意味もない気がする俯瞰アングルなどなど、…

映画感想「ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)」「トラスト・ミー」

「ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)」 ジャン=リュック・ゴダールが描かんとした主義主張を初期作品から晩年に至るまでのフィルムを映し出しながら語っていくドキュメンタリー。作品の一部は好きなものもあるが監督としては特に好み…

映画感想「白鍵と黒鍵の間に」「ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌」

「白鍵と黒鍵の間に」 駆け出しの若手監督が作るような作品で、大人が作る映画ではなかった。脚本が稚拙、演出も弱い上に、安っぽい描写の数々が映画をどんどん薄っぺらくしていく。緩急のないドラマ作りが、せっかくのファンタジックな時間の交錯ドラマもた…

映画感想「アンダーカレント」「イコライザー THE FINAL」

「アンダーカレント」 独特の映像リズムで描く極上のミステリー。一人の女性の人間ドラマですが、謎が散りばめられたまま物語が淡々と描かれていく様にいつの間にか引き込まれて、二時間を超えるのに全く退屈しないのは見事。周辺の脇役の存在感もさりげなく…

映画感想「ハント」

「ハント」 フィクションとはいえ、めちゃくちゃな展開の映画でした。二転三転四転するのはいいのですが、鮮やかさがないので、ただ次々と変わるだけとストーリーで、ドンパチ派手な銃撃戦ばかりが目につく映画だった。監督はイ・ジョンジェ。 1980年代の韓…

映画感想「コカイン・ベア」「ルー、パリで生まれた猫」

「コカイン・ベア」 実話をネタにしてやりたい放題に作ったB級ホラーアクション的な一本。適当な展開とグロテスク名シーンの連続はさすがに目を背けるところもあるが、親子の愛情友達との友情という一本筋の通ったストーリー作りは、意外に中身のある仕上が…

映画感想「沈黙の艦隊」「BAD LANDS バッド・ランズ」

「沈黙の艦隊」 稚拙な仕上がりでがっかりするかと思ったけれど、原作がいいということもあるが、程よくまとめて、粗を最小限にした海洋エンターテイメントとして面白かった。まだ連載途中なので、どこで締めくくるかと思ったけれど、原作もテーマをちゃんと…

映画感想「熊は、いない」「ヒッチコックの映画術」

「熊は、いない」 正直、イランの国情などほとんど知識がない。なので、この映画の真価は理解できていないと思います。それは別として、映画作品として単純に実に面白かった。二組のカップルをドキュメンタリータッチで撮影しているかに見せながら、それぞれ…