2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧
「幸せへのまわり道」 ミニチュアの街並みなどを多用し、子供番組と現実を交錯させながら不思議な演出で描いて行くヒューマンドラマですが、トム・ハンクスの好演もあり、しみじみと染み渡る人間ドラマに仕上がっていました。最近はこの手の人生ドラマにのめ…
「オフィシャル・シークレット」 なんか後味が悪い。ポリティカルサスペンスなのだが爽快感はない。実話だからというリアリティもない。主人公にどうも感情移入もできない。そんな映画だった。正義感を貫いたというヒーロードラマなのに、賞賛できないという…
「ジェイド・ダイナスティの破壊王、降臨。」 典型的な三流香港娯楽映画という感じの一本でしたが、クライマックスのCG満載のスペクタクルシーンはなかなか面白かった。監督は「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」のチン・シウトン。 両親を殺されて孤児…
「グッバイ、リチャード!」 ちょっと面白い映画でした。余命いくばくもなくなる主人公の話ですがジメジメしないし、命ってこんなものかというドライさと、ブラックコメディのような展開、それでいてあったかくなる人間ドラマ、映像の妙味を楽しめる映画でし…
「糸」 これは良かった。61歳になった自分が見るから余計に色々が重なったのかもしれないけれど、どんどんのめり込んでしまいました。監督は瀬々敬久。 平成元年、主人公高橋漣が生まれるところから映画が始まる。そして自転車で走っている漣、遡って中学時…
「2分の1の魔法」 映画自体はディズニー作品としては中の下くらいでしたが、クライマックスの怪物との死闘シーンや父親が復活する一瞬のファンタジーシーンの演出は流石にうまい。監督はダン・スキャンロン。 かつて、魔法に満ちていたが今や科学にどっぷり…
「森と湖のまつり」 非常に長く感じるのは物語の構成がまとまっていないためか、主人公の視点が誰なのかがわかりづらく、滅びゆくアイヌ民族の切なさを描いているのだが、中心になる高倉健の灰汁が強すぎて、響いてこない仕上がりになった感じです。ただ、ヨ…
「海の上のピアニスト」 20年ぶりか、やはり美しい映画でした。全編がファンタジー、全編が寓話の世界、それでいて何か感じさせるものがある。名作という名の通りの映画ですね。監督はジュゼッペ・トルナトーレ。 一人のトランペット奏者マックスが、暗がり…
「第50回全国高校野球選手権大会 青春」 市川崑監督が手掛けたドキュメンタリーで、夏の甲子園大会中止によりリバイバル公開されたので見にいく。市川崑監督のドキュメンタリーといえば「東京オリンピック」という名作があるので期待大でした。 面白い、とに…
「弱虫ペダル」 期待通りの出来栄え。めちゃくちゃに映画に乗ってしまいました。徹底的にロードレースシーンに執着した作りが映画として成功したという感じです。本当に良かった。監督は三木康一郎。 主人公小野田坂道がママチャリに乗ってアニメソングを歌…
「剣の舞 我が心の旋律」 ソ連の作曲家アラム・ハチャトゥリアンが八時間で書き上げたという傑作「剣の舞」誕生の前後を描く物語。ロシアならではの景色や、構図、色彩が美しい作品で、日頃目にする色合いよりも抑えた上品さがとっても綺麗ですが、内容はか…
「思い、思われ、ふり、ふられ」 全編キュンキュンと締め付けられるような恋愛模様が描かれていく瑞々しさがたまらない作品で、四人の高校生の何気ない恋愛ドラマなのに、絡んでくる心のベクトルが変化していく様が自分の青春を重ね合わせ、それでいて現代の…
「ディック・ロングはなぜ死んだのか?」 ここまで自由な発想でブッ飛んでしまえる監督の感性に脱帽してしまいます。ネタにこだわってしまうとこの映画の面白さはおそらくわからないだろうと思える一種の傑作かもしれません。面白いというか、この柔軟さに脱…
「もち」 可もなく不可もなく普通のローカル映画でしたが、所々に見られる映像感性の良さが垣間見られる一本で、今回の中編ではなくエンドクレジットで使った映像をうまく使って普通の長さのドラマにしても描き切れる監督ではないかと思いました。監督は小松…
「ジョーンの秘密」 なるほど、こういう切り口もあるのだと感心しました。実在の人物をモチーフにしたフィクションですが、それを基にしたフィクションなので作る側の訴えかけてくるメッセージが強烈な作品でした。あとは好きか嫌いかですね。監督はトレバー…
「宮本武蔵」 大胆なカメラワークと構図、光を縦横に使った演出が豪快な作品で、何度か映画化されている中での白眉の一本という傑作です。監督は内田吐夢。 関ヶ原の戦いに敗れた又八と武蔵の場面から始まり、お甲との出会いから又八が何処かへ逃げ、武蔵が…
「アルプススタンドのはしの方」 兵庫県の高校演劇部の名作戯曲の映画化。と、半信半疑でしたが、めちゃくちゃ良かったです。書き込まれた脚本の見事さ、なぜなぜとどんどん引き込まれていく展開、小さな作品なのに、大作にも引けを取らない人間ドラマ。ラス…
「死亡遊戯」 ご存知ブルース・リーの遺作にして未完の作品。四十年ぶりくらいの再見。お世辞にも面白い映画とは言えないだらだらしたストーリー展開ですが、クライマックスの黄色のコスチュームのブルース・リー本人のアクションシーンは彼のカンフーアクシ…
「ブラック アンド ブルー」 脚本がよければ三流監督でもそれなりの作品になるという典型的な作品。とにかく脚本が実によく書き込まれている。しかも演出もそれなりにテンポ良くスピーディなので、最後まで全くだれずに見終わることができました。久しぶりに…
「17歳のウィーン フロイト教授人生のレッスン」 ちょっと面白い作品でした。幻想的な夢シーンを挿入しながら、ナチスに侵略されていくウィーンの街で一人の青年の生き方を描く。時代の流れと青年の成長がかぶる展開がなかなか引き込まれました。監督はニコ…
「大菩薩峠」内田吐夢監督版全三部作 大菩薩峠に佇む主人公机龍之介の姿から映画は始まる。そして登ってきた老人の娘を迎え、一人休む老人を斬り捨てて何処かへさる。たまたま通りかかった大泥棒の男が残された娘松を連れて旅に出る。 こうして物語が始まる…