くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「ショーン・オブ・ザ・デッド」「記者たち 衝撃と畏怖の真実」

「ショーン・オブ・ザ・デッド」 悪ノリで展開するホラーコメディですが、やはり英国流のテンポと日本的なしかも現代のテンポと少しずれてるかなという感じです。面白いのですが笑いのカットがちょっと間延びしてしまう。でもストーリーの展開構成からラスト…

映画感想「ソローキンの見た桜」

「ソローキンの見た桜」 たわいのない作品なのですが、画面の色調がとっても柔らかくて美しい。フィルムなのかカメラのせいなのか結局わからなかったが、こういう画面も作れるんだと感心。監督は井上雅貴。 日露戦争当時、松山にあったロシア人捕虜収容所で…

映画感想「ブラック・クランズマン」「ビリーブ 未来への大逆転」

「ブラック・クランズマン」 娯楽としてのサスペンス部分とメッセージとしてのドラマ部分の構成が見事に融合した傑作でした。ただ、全体を手放しで褒められないのが、所々に垣間見せるかすかな偏見。それは黒人に対してでも白人に対してでもないのですが、何…

映画感想「バンブルビー」

「バンブルビー」 トランスフォーマーシリーズのスピンオフ作品で、物語はお子様向けのたわいない映画ですが、主演のヘンリー・スタインフェルドが可愛いからそれで見ていける映画だった。監督はトラビス・ナイト。 星での攻防から脱出したBー127は地球へた…

映画感想「赤線地帯」「雨月物語」

「赤線地帯」(4K復元版)40年ぶりくらいの再見、溝口健二監督の遺作にして、名作。全く、人間描写のすごさに圧倒されてしまいます。明確に色分けされた登場人物、そのそれぞれに描かれるドラマの圧倒的なリアリティ。カメラが、色街で働く女たちの心の中にま…

映画感想「イップ・マン外伝 マスターZ」

「イップ・マン外伝 マスターZ」 ドニー・イェン主演のイップ・マンシリーズのスピンオフ作品で、イップマンに敗れたチョン・ティンチを主演にしたドラマですが、流れと展開は同じで普通に面白かったです。個人的にはドニー・イェンの方が素朴で好きです。監…

映画感想「サッドヒルを掘り返せ」「山(モンテ)」

「サッドヒルを掘り返せ」 セルジオ・レオーネ監督の名作「続・夕陽のガンマン」のクライマックスであるサッドヒル墓地。今や荒地となって、どこにあるかわからなくなってしまっていたのを復元しようという活動で蘇る姿を描いたドキュメンタリー。 もともと…

映画感想「まく子」「あなたはまだ帰ってこない」「キャプテン・マーベル」

「まく子」 大林宣彦監督は扱いそうなファンタジーですが、映画の仕上がりとしては普通でした。多分脚本が弱いのと、脇役が光っていないために平坦な仕上がりになったかなという感じです。監督は鶴岡慧子。 温泉町で暮らす主人公慧が学校から帰ってくるとこ…

映画感想「えいがのおそ松さん」「たちあがる女」「サンセット」

「えいがのおそ松さん」 独特の絵のタッチでギャグで突っ走る作品。面白いとか面白くないとかより勢いでどんどん先に進むのですが、それぞれのポイントのギャグがかえって平坦になってしまうのはちょっと残念。監督は藤田陽一。 ニートで童貞の松野家の六子…

映画感想「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」「君は月夜に光り輝く」

「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」 同時代に生きたイングランド女王エリザベスとスコットランド女王メアリーの姿をメアリーの側から描いた作品です。権謀術策で女王でありながら次々と権力争いに利用される様がしっかり描かれていました。監督はジョー…

映画感想「家族のレシピ」「ROMAローマ」

「家族のレシピ」 まぁ、適当な映画です。ここまで適当な脚本で映画を作るという製作側の考えが見えない一本。まあ、松田聖子が映画に出るくらいのノリで見に行った。監督はエリック・クー。 主人公真人が父の店でラーメンを作っているシーンから映画が始ま…

映画感想「ウトヤ島、7月22日」「きばいやんせ!私」

「ウトヤ島、7月22日」 2011年7月22日にノルウェーのウトヤ島で起こった無差別銃乱射事件を72分のワンカットで描いた作品。とにかく重いし、しんどい。緊張感だけで全編押し通すのでこの時間が限界ですね。監督はエリック・ポッペ。 ノルウェーのオスロで爆…

映画感想「500年の航海」「誰がための日々」

「500年の航海」 マゼランが世界一周する姿と自分の映画人生、そして現代へつながる航海の物語を重ね合わせたドキュメンタリーのようなフィクションのような不思議な映画ですが、とにかく眠かった。とっつきにくいことこの上ない。監督はキドラット・タヒミ…

映画感想「運び屋」「スパイダーマン スパイダーバース」

「運び屋」 落ち着いた大人の映画という雰囲気が詰まった作品。さすがにクリント・イーストウッド監督ならではの渋さのある深みのある作品でした。 花の栽培に生涯をかけ、認められる存在になった主人公アール。時は2005年、この日も品評会で最優秀に選ばれ…

映画感想「シンプル・フェイバー」「スタフ王の野蛮な狩り」「こねこ」

「シンプル・フェイバー」 これは面白かった。なんかラテンリズムに乗ったブラックコメディという感じで、ジメッとしたところや陰湿なミステリーではなく、茶番劇のような色合いであれよあれよとラストまで引っ張っていく。どこか皮肉っぽい作り方が癖になる…

映画感想「大統領の陰謀」「特捜部Q カルテ番号64」

「大統領の陰謀」 ウォーターゲート事件を扱った名作。個々の人物名や展開は正直、史実に詳しくないのでわからないのですが、そこを映像で緊迫感を生み出してグイグイと引っ張っていく力にラストまで引き込まれます。監督はアラン・J・パクラ。 民主党本部に…

映画感想「岬の兄妹」「21世紀の女の子」

「岬の兄妹」 思いの外しっかり作られた作品。映画全体が必死でバイタリティがある。見応えがあるというべきか、そんな作品でした。監督は片山慎三。 海辺の町、主人公良夫が、妹が行方不明になり家から飛び出してきたところから映画が始まる。妹の真理子は…

映画感想「九月の恋と出会うまで」「火を噴く惑星」「妖婆 死棺の呪い」

「九月の恋と出会うまで」 ファンタジーラブストーリーなのに、そのファンタジックな部分が完全に飛んでしまって、普通のできの悪いラブストーリーで終わった感じ。終盤の処理が安易なのが最大の理由でしょうが、脚本の構成が良くないのでしょうか。監督は山…

映画感想「狼たちの午後」「天国でまた会おう」

「狼たちの午後」 1972年、アメリカニューヨークで実際に起こった銀行襲撃事件を扱ったシドニー・ルメット監督の名作。緊張感あふれる展開が終盤まで続き、一瞬の静のシーンの後のラストシーンへの畳み掛けが見事な映画でした。 ニューヨークの何気ない景色…

映画感想「グリーンブック」「移動都市 モータル・エンジン」

「グリーンブック」 とってもいい映画。そんな感想を最初に書きたくなる一本でした。アメリカの景色の捉え方が実に美しくてリアル。そんな中で展開する友情の物語が、ちらほら描写される黒人差別のエピソードを交錯しながらの男のドラマに昇華していく。台詞…